三枝、救急車を呼ぶ。
加賀見家に恭介からの電話をとる珠希。

「彩が?嘘でしょ!!彩は生きてるの!?
 すぐに病院に向かいます。」

「彩がどうしたんだ!?」と謙治達。

「高い所から落ちて頭を打ったそうです。
 意識がありません。加賀見病院に搬送されるそうです。」

ストレッチャーで運ばれる彩に付き添う恭介。
「彩!彩!」と駆け寄る悟&珠希。
「左側頭部を強打した 本当にすまない」ぺこり
「ふざけるな!!」と恭介を押す悟。
「彩に何をしたんだ!」
そこへ謙治&映子登場。
珠希、「とにかく急ぎましょう。」と彩を運び込む。

オペ室前にて待機する珠希&悟&謙治&映子。

「兄さんが本当に彩に手を出したなんて..」
「恭介さんは自分から連絡を..だから故意にやったわけでは..」
「娘を怪我させられたのにそれでも兄さんを庇うのか!」
「こんな所でやめないか!」と謙治。
「俺は兄さんを、あの男を絶対に許さない!」と怒り心頭の悟。
そこへ恭介登場。

「どういう事だ!」と詰め寄る悟。
「すまない」ぺこり
「どういう事だって聞いてるんだよぉっっっ!!」

と恭介を壁に押し付け胸ぐらをつかむ悟。

「誘拐なんて卑怯なことをしておきながら
 挙げ句の果てに彩を!!何が病院を正すだ!!
 何が加賀見家の信頼をとり戻すだよ!!」

「悟、もういい。」と悟を取り押さえる謙治。

パチンッッッ!! 映子、恭介をビンタ。

「なんて事をしたの!なんて事を..
 今すぐここから出て行きなさい!」

ぺこり退場恭介。

「ごめんなさい。」ぺこり映子。

そこへ彩が運ばれてくる。

医者「開頭はせず点滴をして様子をみるしかありません。
   あとは、意識が戻るかどうか..
   このまま意識が回復しないということも..」

病室にて彩を見守る加賀見家の人々。
「医局へ行ってきます。」と退出珠希。
廊下に椅子に座り待機中の恭介とご対面。

「意識はまだ戻りません。もしかしたらこのままという事も..」
「本当にすまない」ぺこり
「いいえ。あの子がうちに帰りたがらなかった責任は
 母親の私にもありますから。何があったんですか?」

三枝立ち聞き。

「すまない 俺の責任だ 君の大事な娘にこんな事を
 すまない」ぺこり
「彩は、彩はあなたの、、
 あなたのことを慕っています。
 彩から遠ざかるようなことはしないで下さい。
 母親としてお願いします。」
「だが俺は」
「彩を誘拐したことは許せません。
 でもこれからはもう過去に捕われるのは止めて下さい。
 今日はお帰り下さい。」
「君や悟からはどんな仕打ちを受ける事も覚悟はできてる」
「お母さんはきっと悟さんの怒りや制裁からあなたを守るために
 ..恨みの連鎖を断ち切ろうとあんな事を..」

三枝、思いっきり見える場所で堂々と立ち聞き中。

==恭介を怒りのまま誘拐に走らせたのも
  誘拐した彩を実の娘だと知らせずにいることも
  全て自分のせいだと、珠希は改めて自分の罪の深さに震えるのでした。==

彩の病室にて悟&珠希。

「仕事の方はシフトを組み替えてもらいました。」
「君は母親なのによく冷静でいられるな。」
「冷静じゃありません。」
「それじゃ、無意識のうちに兄さんを庇ったって言うのか?
 彩がこんな目にあったんだぞ。
 俺は許さない!もしこのまま目を覚さないなんて事になったら
 俺があの男を殺してやるよ!」

未だ廊下の椅子で待機中の恭介に帰るよう促す三枝。

「やっぱり私からみなさんに説明します。
 このままじゃ恭介一人が悪者に..」
「君は関係ない」と立ち去る恭介。

ホテルにて三枝&恭介。
テーブルの上にあるベルトのとれたピンクの時計を手に取る恭介。

「それ彩ちゃんのだけど落ちた時に壊れちゃったみたいで..
 恭介さんと珠希さんは11年前..
 こんな事になるなんてね、、早く意識が戻ればいいんだけど..」

加賀見家和室にて仏壇の前で手をあわす映子。
英夫の遺影を見つめる。

彩の病室にて、未だ意識を取り戻さない彩に話しかける珠希。

「彩がいなくなったらお母さんもう生きてる意味がないの..」

寝てる悟に毛布をかける珠希。
目覚める悟に「一度うちに戻って着替えを取ってきます。」と退場珠希。

朝、相変わらず和室にいる映子。
「一晩中ここにいたのか?」と謙治登場。

「この家を出て行きます。」
「恭介の事で責任を感じているならそれは違うぞ。
 彩の事は恭介自身の問題だ。」
「確かに恭介の責任です。
 でも恭介をあそこまで追い込んだのは私とあなたの責任..
 離婚しましょう。あなたと私の関係はこれで終わりです。」
「こんな時に離婚だなんて切り出すのはおかしいぞ。」
「話をする機会なら今までいくらだって..
 それをあなたはご自分で捨ててきた..
 もう二度と話す機会はないでしょう。
 長い間お世話になりました。」ぺこり
「彩はどうする気だ?見捨てる気か?」
「病院に会いに行きます。
 あなたと暮らすつもりはもうありません。」
「映子待ちなさい。彩の事で気が動転してるだけだ..」
「私は優しくて弱いあなたが人間らしくて好きだったわ。
 その優しさだけは信じられると思って今までやってこれたんです。
 あなたは優しくて根は良い人かもしれないけど
 ずるい人だわ。救いようもなくずるい人。」
「君はどうなんだ?」
「私もそうよ。守るべき加賀見家なんてとっくになくなってるのに
 自分の居場所を守りたかっただけのずるい女だわ。」退場映子。

珠希一時帰宅。目の前には荷物を持った映子の姿。

「お母さん、どうしたんですか?」
「この家を出て行くわ。あなたには本当に酷い事をした..
 ごめんなさい。ぺこり
 本当に良くできた嫁で私にとっていい娘だったわ。」
「彩はお母さんの孫..彩にはお母さんが必要なんです。」
「病院には必ず会いに行く。それじゃ。」
「お母さんは彩の..」
「ごめんなさい。」退場映子。

和室にて謙治&珠希。

「映子が出て行った。もう戻らんかもしれん。」
「彩の為にもこの家に戻っていただきたい..
 その為にもお父様は恭介さんの事をどうお考えですか?」
「このままというわけにも..」
「私はお母さまにこの家に戻っていただく為にも
 恭介さんにはそのまま加賀見病院に居てもらいたいと..」
「そんな事ができるのかな。」
「彩の怪我は事故..人は弾みで罪を犯してしまう事も..
 私はお父様の事を疑ってはいません。
 でも恭介さんは違います。
 今ここで恭介さんを排除しても恭介さんの心の中にある
 お父様への恨みがいつまた形をかえて牙を剥くかも..
 お母さんだって恭介さんには加賀見病院にいてもらいたいと思って..」

一条という表札の昔ながらの金持ち風の家にて映子。
どうも実家ようですね。

「お嬢様、お茶が入りました。」
「ふっふふふ〜この歳になってお嬢様はやめてちょうだい。」
「でも生きて再びお嬢様にお使えすることが出来てわたくしは幸せです。」
「そう言ってもらえると嬉しいわ。」

彩の病室にて付きっきりの悟、そこへ三枝登場。

「彩ちゃんが怪我をした時、私もその場に..
 土手を走って転んでしまって..」
「兄さんを庇いにきたのか?彩が悪いと言いにきたのか!」
「彩ちゃんを無断で預かった事は恭介さんも悪いと..」
「預かったんじゃない、誘拐だ!!」
「彩ちゃんは自分でホテルに..」
「それも本当かどうか疑わしい。」
「彩ちゃん、本当に恭介さんの事が好きみたいで、だから」
「そんなことはない!!」
「それなら一つ聞かせて下さい。彩ちゃんは本当に悟さんの子供なんですか?」
「何を根拠にそんな事を言うんだ?」
「こんな事故があったのに珠希さんは恭介さんに
 彩ちゃんの傍に居てあげてほしいって話してたんですよ?
 もしかしたら11年前、二人の間に..」
「やめろ!失礼な事を言うな!!
 そんな事あるはずがない、、あるはずがない、、」

廊下にて医師に

「珠希先生の患者は全て私にまわして下さい。」と恭介。
そこへ珠希登場。

「今俺に出来る事は 君や悟が彩に付き添っていられるように
 働くことしかない。」
「お母さまがうちを出て行きました。
 もし恭介さんに連絡があったら教えて下さい。」
「分かった」

そこへ「何してるんだ!」と悟登場。

「白衣なんか着てまだこの病院にいるつもりか?」
「悟さん、恭介さんは私達が彩に付き添っていられるよう
 代わりをつとめて下さるって。」
「彩があんな状態なのに平気な顔して働く気か!!」
と胸ぐらを掴む悟。
「悟さん、話なら院長室でしましょう。ここでは..」

院長室にて悟、

「白衣を脱いでくれ!」

反応なしの恭介。

「脱げよ!!!」と悟。

渋々脱ぐ恭介。

「本当なら警察に突き出したっていいんだ。
 医者としてこのままここで働く気が?」
「気の済むようにしてくれ 覚悟は出来ている」

「三枝さんから聞いた。」と謙治&三枝登場。

「彩の件は事故だ。彩が自分で足を踏み外したんだ。
 防ぎ用がなかった。」
「それでも責任は俺にあります」
「当然だ。」

という悟に謙治、

「悟、恭介を責めるな。」
「偉そうな口をきかないで下さい!
 元はと言えば全部父さんが招いた結果だろ!
 父さんが亮太の骨髄移植をさせなかったから..
 亮太を見捨てたからだろ!」
「それは違うぞ。」
「何が違うっていうんだ?!
 犯罪者同士庇い合う気ですか?」
「亮太を殺したのは私です。私がこの手で亮太を..
 恭介さんじゃありません。 
 悟さんだって本当は気付いてたんでしょ?
 悟さんが恨まなければならないのは私です。」
「そうやってまた兄さんや父さんを庇うのか?
 いい加減にしろよ。君は何故そこまで兄さんを..
 何か他の理由があるんじゃないのか?」
「悟、やめるんだ。」
「とにかく、俺は兄さんを許さない。」と退場悟。

彩の病室へ向かった悟。
三枝に言われた『『彩ちゃんは本当に悟さんの子供なんですか?』』
を回想中の悟。
==つづく===
あと7話。早く終わらないかな〜。

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