施設にてみずえ&伊織

「殺したって..誰を...?母さん、一体何の話?」
「夏だった..あたしこっそりあの人に会いに行ったの..
 あの人がその日父さんと会う約束をしてるって知って..

 『別れてほしい、子供たちから父親を奪わないで..』
 
 泣いて頼んだわ。とっても風の強い日であの人の髪のリボンが解けて
 それを自分の手に巻き付けながらあの人、

 『もう泣かないで。』

 そう言ったの。

 『心配しないで。私たち今日でお別れ。二度と会わない。約束する。』
 
 そしてキレイな顔でニッコリ微笑んだの...腹が立った..
 私は毎日毎日泣いて暮らしてるのに人の夫を寝取った女が
 どうしてこんなキレイな顔で笑うのか..
 カアッ!っと頭に血が上って気が付いた時には..」


ーーー回想ーーー

若き頃の臨月のみずえ&紀佐、堤防端にて

『『嘘つきーーー!!』←紀佐を突き飛ばすみずえ。
『『キャーーッ!』』チャッポーーーーン! ←紀佐、海にドボン。

『『みずえーー!』』タッタッタッタッ(伊久馬の走ってくる音)

ドッボーーーン!!(伊久馬、海へダイブ!)

ーーー終了ーーーー


「夏だと言うのにとっても風の強い日で、海には白い波が立っていた..
 父さんはその波に逆らいながら何度も何度も
 『紀佐さーーん』と呼びながら海に潜った..
 そしてとうとう姿が見えなくなって。
 私は二人で向こうの海岸まで泳いで行った..そう思う込もうとした。
 でもやがて沖でお父さんの遺体が見付かって
 浜ではあの人が、、ヒィックヒィック」
「母さん...」
「ごめんなさい、、、恐かった、、ごめんなさい、、許して、、」

と伊織に泣きつくみずえ。



崖にて、海を眺め目を閉じ空気を思いっきり吸う紀保。
風に吹かれております。
その答えは風に吹かれてる(by愛という名のもとに)



施設を飛び出しダッシュダッシュの伊織。
さっきまで紀保がいた場所に立ち、

「紀保ーーー!紀保ーー!」

と叫ぶものの気配なし。「紀保...」と呟く伊織。

==

拘置所にて伊織&高広

「みずえさんが、そんなことを..」
「羽村さんにはなんて言ってお詫びをすればいいのか..
 許して下さい..ペコリ」
「あれからもう25年だ。
 事実はどうあれ、みずえさんはもう十分苦しんだ。
 私も一生かけて自分の犯した罪を償うつもりだ。
 お母さんのこと..これからも支えてあげてほしい。」
「はい。」と涙ぐむ二人なのであった。



====1年後=====


工作所にてウエディングドレス姿のフキ。

「どこか苦しいところはない?」と杏子。
「もう5ヶ月だもんね〜」とフキのお腹をサスサスするセリ。
デキ婚かよ!フキ。

そこへ伊織登場。空気を読むセリ&杏子、退場。
二人きりになった伊織&フキ。

「結婚おめでとう。これ。」と何やら差し出す伊織。
「わ〜かわいい〜。伊織さんの手作り?」
「銀のスプーンを口にした赤ちゃんは幸せになるって聞いて、、」
「ありがとう。お腹の子も喜ぶわ。」

「フキちゃん」と新郎雄介登場。

「いよいよだな。おめでとう。ぺこり」
「う、うん。(照れくさそうに)やっとね。」

はにかむフキ。

==

工作所の前にて披露宴開始、入場は工作所の入り口。
雄一&フキ、入場。

「おめでとうーーー」パチパチパチ みんなで乾杯。

「フキチャンノアカチャンハヤクアイタイネ」

と、相変わらずの演技の紅夏なのである。

蔦子&和美

「和美さん、おめでとう。いい披露宴ね。」
「まぁ雄介にしちゃあ上出来よ。うんうん。
 フキちゃんもしっかりしてるし。あんだけ毛嫌いしてたのに?
 次は護さんの番ね。今、近くのセンターで働いてるんでしょ?」

モクモク勉強に励む護。←何もこんな時まで勉強しなくても。

「将来は介護福祉士になるとかで、毎日2時間は必ず勉強するって..」
「結構いい介護士になるんじゃないのかい?
 すっかり遅くなって申し訳ない。」と往診帰りの加賀登場。

「まだまだこれからですよ。」と俄然やる気の和美。

==

工作所の機械を懐かしげに弄る伊織と龍一。

「相変わらず急がしそうですね。」
「もうじき羽村さんの最終弁論があるからね。」
「どんな具合なんですか?」
「情状酌量が認められればそう悪い結果にはならないと思う。
 君の方は?ここを辞めて、お母さんと暮らしてるって聞いたけど?」
「(笑顔で)ええ。好きなアクセサリーを作りながら何とか細々と。」
「僕も今では薬に頼ることもなくなった。」そのストレスの原因は紀保だったんですね。別れて正解!
「それはよかった。」いや、本当に。

「ところで、君さえ良ければ彼女に君の新しい連絡先を伝えるけど?」
「(笑顔で)いえ、、いいです。
 俺たちはお互い加害者でもあり被害者でもある、そういう関係ですから。
 それに彼女は自分の連絡先を誰にも言わないでほしい、、
 そう龍一さんに頼んだってことは、、
 つまり、俺とも連絡は取りたくないって事でしょ。
 (諦めた感じで)俺は彼女の気持ちを尊重します。」
「それでは僕も君の気持ちを尊重しよう。←結構アッサリ。
 弁護士というよりも二人の友人として。」

笑顔で龍一に手を差し出す伊織。握手する二人。

==

披露宴は盛り上がっております。
蔦子は加賀にいなり寿司を取り分け
護は紅夏にケーキ食べさせ、
セリは龍一に「あ〜ん」をして自分が食べてます。
↑この時の龍一の笑顔がいつもの龍一スマイルでした。
良枝さんはセリを真似たのか源さんに「あ〜ん」を求めてます。
杏子は周りの人にフキのドレスは
「アトリエKでお作りしたものなんですよ〜。」と宣伝。
そんな杏子の横で大袈裟に頷く柏木。←ちゃっり横をキープ。

見事にカップル成立?
つーか源さん&良枝ペアが予想外で驚いた。
セリ&龍一も。

浮舟の壁で『ダルマさんが転んだ〜』状態の違和感ありありの男二人。
誰かと思いきや、髭はやした雉牟田と加賀を刺した犬山でした。
犬山、酒屋の格好しております。転職でしょうか?
でも似合ってましたよ。背は低いけど結構顔はいいよね、犬山。
犬山の手には祝い酒、コイツらなりに祝福してるようで。



夕顔荘に入る伊織。懐かしげに見ております。
つーかさっきから伊織、披露宴そっちのけで
懐かしの場所めぐりしてますけど?

みのりの部屋はスッカラカーーン。
中庭を見て、ふと1年前を思い出しております。

ーーー回想ーーー

高広自首の後、中庭で佇む紀保。

『『大丈夫か?』』
『『ええ。』』
『『けどどうして、自分が殺したなんて、、。』』
『『私が本気で身代わりになる気だと分かれば
  父は必ず真実を話してくれる、そう思ったから。
  私、父の愛を利用したの。
  これでようやく貴方も私も探してた真実に辿り着いたわね。』』
『『ああ。』』

『『だけど真実は、いつも優しいとは限らない。
  愛がいつも正しいことをするとは限らないように..
  それでも真実を見つけだしたこと、後悔してないわ。』』

伊織を見ながら

『『あの夏の日に、ここであなたと出会ったことも..』』

しばらく見つめ合う二人。

『『今度こそ、同志は解散ね。(微笑みながら)さよなら』』

バッグと黒いコート持って退場紀保。

一人立ち尽くす伊織。←さすがに紀保は追いかけないんだ?

ーーーー回想終了ーーーー


一年前、紀保が去った方向を見つめた後、空を見上げる伊織。

==

海岸線の道路、ベビーカーを押しながら歩く紀保。
髪を一つに束ねてます。服ダサくて凄く残念。

海辺のショップにて店主と話する紀保。
店主の娘のピアノの発表会のドレスを作ったようです。

「ありがとう。これなら娘も大喜び間違いなしだ。」
「(笑顔で)また何かあったらよろしくお願いします。」と去る紀保。

海岸線を再びベビーカー押して帰る紀保。
そこから見える砂浜では流木に座りスケッチしてる人の姿。
Tシャツにジーンズの伊織が貝殻をスケッチしてました。
焼けてますね〜肌。ワイルドです。しかも結構腕の筋肉凄っ!



「ただいま〜」

と紀保がどこかの家に到着。赤ちゃんおんぶして入っていきます。



さっき紀保が来店してたショップに「こんにちは」と伊織登場。

「どう?いいのできた?」
「(満面の笑みで)ええ、まあ。」

と鞄からアクセサリーを出してます。
笑顔の伊織→ふと目に付いた指輪=紀保にあげた伊織手作りの指輪→
→表情が変わる→慌てて手に取り

「これ?」
「ああ、サイズが少し大きいんだって。
 おたく、サイズ直しもやってくれる?」
「この指輪、誰が持って来たんです?その人今どこに?」



紀保「バイバーイ!またね〜。」と赤ちゃん&弥生に手を振ってお別れ。
赤ちゃん、ものすごいしかめっ面。
ちなみにこの赤ちゃんは打掛ドレスを頼んだ弥生さんの子供のようです。

弥生の家を去り、紀保は砂浜の方へ歩いて行っております。



店長から紀保情報を聞いたのか伊織、またまたダッシュダッシュ。
弥生の家まで辿り着いたものの

「ハァ〜ハァ〜ハァ〜」汗びっしょりの伊織。
Tシャツ、汗が目立たないやつにすれば良かったのに。

ーーー伊織、回想ーーーー

『『返すわ!その代わり、私の心を返して!
  何も知らずに、あなたを愛した私の心を返して!』』

ーーーーーーー


   “  紀保...お前...  ”

そしてまたダッシュダッシュ。

   “  どこだ..どこに居る、紀保。  ”←素直に龍一に聞けばよかったのに。

砂浜の方を眺めピンと来たのか再びダッシュ伊織。



波打ち際で海を眺める紀保。
歩き出し、ふと貝殻に目がいき手に取る。それはさっき伊織がスケッチしてた貝殻。
暫し見つめ元に戻し立ち上がった紀保、
ふと振り向くとそこには伊織の姿が。←あれ?あんだけ走ったのに汗、ひいてる。

「これ。」と言って指輪を見せる伊織。驚く紀保。

「サイズ直しを頼まれた。」

紀保の左手を掴み(紀保、鞄落とす)薬指にその指輪をはめる伊織。
しばらく見つめ合い。

紀保、指輪をはめた手を見ながら

「すぐに落ちるわ、これじゃあ。」

ガシッ!(紀保の手を握る伊織)

「こうすれば落ちない。」←一生やってろ!

紀保を抱き寄せる。←あっ!速攻紀保の手、放した!指輪、落ちるぞ!

「愛してる..あの夏の日のまま...」
「ええ。私も愛してる。」

と伊織に抱きつく紀保。
スキス〜

そんな二人の上には月の舟〜。

ーーー以下回想ーーー

夕顔荘風呂にて裸で初対面。
伊織の納豆ネバネバクルクル〜つまみ食い紀保。
ミシン直しで急接近の伊織&ちょっと意識する紀保。
風呂の水抜いてガウン姿の紀保に怒る伊織。
拘置所廊下で手を取り合う。
服着たままシャワーで伊織に抱きつく。
中庭で桶に映った月を眺める右手包帯姿の伊織&紀保。
マスコミから紀保をかっさらってお手手繋いでダッシュの伊織。
龍一釈放で笑顔でマスコミ対応紀保をジィーーッ伊織。
夕顔荘で酔っ払いヘナヘナ伊織。
伊織の部屋で同志のスキス〜→押し倒し。
花火大会の日の抱擁、ガシッ。
花火、パンパンパーーーン。
自殺寸前紀保を抱きしめスキス〜。
一年後の階段ですれ違い。
診療所で紀保ビンタ。
新居で90度ペコリ伊織。
婚約パーティーでマカロン発見。
みのりの部屋で同志復活握手。
逃避行。
コテージで抱擁。

ーーー回想終了ーーー

スキス〜の伊織&紀保のバックに月の舟。

===========おわり===========

終わったー!私の夏が終わったどーー!!(←大げさ)お疲れ!自分!

数話前に気付いたんですけど、
夏の秘密ってタイトルが出る時、うっすら月の舟が浮かんでるんですね。
ちょうど真ん中辺りに。
全く気付いてませんでしたよ。
まっなんせ月の舟の意味すら分かってなかったからいいけどね。

ロメラの時は最後のドモホルンリンクルCM後の予告に
過去の回想が流れたので今回は何か楽しみにしてたんですけど
ただの砂浜でした。チッ!
せめてラグビーボールでも砂浜に埋めとけや!
キュッキュ手入れしてたんだぞ、高広は!


最後はアッサリでしたね。
白と黒と違って、最後に驚くような展開(例:礼子が聖人を刺し、服役)
にもならなかったのでたんたんと観れました。

フキのデキ婚には驚きましたけどね。しかも五ヶ月って。

まだ別に感想を書きます。

「バカなことを言うんじゃない。」
「嘘じゃないわ。
 それともお父様、私の言うことが嘘だと断言できる真実をご存じなの?」

ピッカーーーンゴロゴロ(雷の音)

廊下に出る高広←後を追う紀保。

==

施設にて伊織&龍一

「サトミと言うのは羽村社長の旧姓だ。
 羽村家の養子..元々の名前は『里見高広』
 おそらく加賀先生は女の名前だと誤解し..」
「だけど紀保は、それに気付いて、、。」
「羽村社長の身代わりになろうとした。」ビンゴ〜!

==

夕顔荘にて紀保&高広

「しかし懐かしいね〜。」と夕顔荘を見てまわる高広。

「ここは元々私の父が建てた家でね。
 父が死んだ後は私の兄が相続してアパートを始めた。」
「そんな話、今まで一度も聞いたことなかったわ..」と驚く紀保。

「そりゃあそうだろう。ここは愛人のために建てた家だからね。
 里見家ではこの家のことを口にするのはタブーだったから
 私も今初めて話すんだ〜。」←タブーって久しぶりに聞いた言葉。

ウロウロ高広

「それにしても不思議だ。ここには昔、伊久馬が住んでいた。
 あれから30年以上も経って、
 ここにまた彼の血を分けた娘が住んでると知った時は正直驚いた。」

息子でもある伊織もね!

「因縁めいたものを感じたよ。」
「みのりさんはそのことを知っていたの?」
「さあ、どうだろう。
 兄の伊織君に聞いて何か知っていたかもしれないが。
 あの子は不思議な子でね、
 自分の過去よりも紀保、君に興味を持っていた。」
「お父様はどうしてそれを?」
「今から一年以上前になる。私が偶然とった一本の電話、、」

ピッカーーーンゴロゴロ
ザーーーーザーーーー(雨音)

「あの電話が、私が長年秘密にしていた過去への始まりだった..」


ーーーーー回想ーーーーー

アトリエKにて高広&龍一(紀保と電話中)

『『分かった、すぐ行く。』』ピッ
『『紀保さんからで、荷物が多すぎて一人じゃ持ちきれないそうで。
  ちょっと行ってきます。』』

と携帯を置いて龍一退場。

『『フッフッフ。今からあれじゃ先が思いやられるなぁ。』』

と椅子に座り雑誌を眺める高広。

ピピピピピー(龍一の携帯の着信音)

『『また紀保かぁ』』と勝手に龍一の携帯にでる高広。
『『もしもし』』
『『龍一さん?私、覚えてる?大阪のホテルで会った..』』

ーーーーー終了ーーーーー


「私は彼女が何者か調べ会う約束を..
 伊久馬の娘であると分かるのに時間はかからなかった。」
「その時、お父様は『里見』と名乗ったの?」
「ああ。だが彼女は私が誰かすぐに気付いたよ。
 君に関することは何から何まで調べあげていた..」

とみのりの部屋に戻る高広。

「しかも紀保に姿形を似せようと自分の顔まで整形して。
 私は彼女が理解できなかった。
 自分が理解できないものに対して人はしばしば恐怖を覚える。
 このままにしておいては紀保を..君が危ない..心底そう思った。」

パチッ(部屋の電気をつける音)

「だからみのりさんを殺したの?
 彼女に毒入りのマカロンを勧めたのはお父様なんでしょ?」

ガラガラガラー 扉を閉める紀保。

「分かっているのよ?私には。
 『あの部屋で待っている』とだけ書いた私の手紙を見て
 迷わずここにいらしたのが何よりの証拠..それだけじゃない」

と引き出しからガラスペンを取り出し

「お父様にはこれが何が分かるはず。」
「ああ、分かっているとも。紀保はあの時、私を試したんだね。」
「ええ。」

ーーー婚姻届にサインしてた時の回想ーーー

『『龍一さん、せっかくだからペンはこれを使って。ガラスペンよ』』

ジーーッと高広を見る紀保→顔をしかめる高広、

『『待ちなさい。大事な婚姻届だ。
  できれば割れないペンの方がいいね。』』

ーーー終了ーーーー


「お父様は、娘の婚姻届にガラスペンを使わせたくなかった。
 何故なら、みのりさんの遺書が何で書かれたがよくご存じだったから。」
「あの子は本気で龍一君と結婚したがってた。だから言ったんだ。
 『遺書を龍一君に送りつけて死ぬとでも脅せば
  彼のことだ、慌てて結婚を承諾するに違いない。
  そうなれば娘もきっと龍一君を諦めるだろう。』
 彼女も面白がってその話に乗ってきた。
 買ったばかりだと言うガラスペンを見せながら笑ってね..」

「だからって何も..」
「殺すことはなかった..そう言いたいんだね?
 私だって迷ったさ。だが彼女は本気で龍一君の子を産む気だった。
 彼を愛してたからじゃない、君の婚約者だったからだよ、紀保。
 彼女は本気で君の幸せを奪う気だった。
 世の中、本気の人間ほど恐いものはない。」

そして高広、興奮し力強い口調で

「だから私も本気で娘を守ることにした!
 大事な娘が傷つけられるのを黙ってみてるほど
 私も臆病ではないからねッ!!
 娘のためならばどんな犠牲をはらうことも厭わない!!
 娘の幸せこそが私の生きる全てであり、唯一無二の私の正義だッ!」

ピッカーーン

「お父様、もういい、もう言わないで..」と泣き声の紀保。
「だが私は何も彼女が憎かったわけじゃない。
 私はただ、自分の大事なものをこの手で守りたかっただけだ..」
「お父様、、」

「嘘だ!」←お前の今までの推理がな!伊織!

ガラガラガラー 伊織登場。

「伊織さん..」
「綺麗ごと言ってないでハッキリ言えよッ!
 アンタはみのりが憎かった!憎かったから殺したぁ!」

と高広に掴み掛かる敵意丸出しの伊織。←それを止めようとする紀保。

「やめて!」
「何故なら、アイツは瀬田伊久馬の娘だったから!
 アンタは、奥さんを奪ったあの男が許せなかったんだぁーー!!」

と高広を突き飛ばす伊織。

バッターーーン!!

高広、龍一と同じくラグビー経験も役に立たず壁にぶつかる。
倒れる高広。←ちょっとオマヌケ高広。「お父様!」と寄りかかる紀保。

「ハッキリと認めたらどうだ?」と怒りモードの伊織。

「ハァハァ。君は知っているかどうか..
 この部屋には昔、伊久馬が住んでいてね。
 まだ君のお母さんと結婚する前..私が兄に頼んでここを紹介した。
 家賃もうんと安くしてくれと頼んでね。(←恩着せがましい)
 なのにこともあろうにアイツはここで何度も私の婚約者と会っていた。」

表情が変わる伊織。

「お母さまと、ここで?」

「だから心のどこかに伊久馬に対する恨みが隠れていたのかも..
 でも私は、みのりという子が不憫でね。
 親達の身勝手な恋のためにあの子は自分が手にしたかもしれない
 平穏な人生を永久に奪われたんだ。
 だから最後にせめて紀保の好きだというマカロンを食べさせたかった..
 あの子は大喜びで疑いもせず口に運んで..」


ーーー回想ーーー

みのりの部屋にてマカロンをみのりに差し出す高広。

『『うわ〜っ!きれ〜〜!パクッ
  美味しい〜〜』』

微笑む高広。

『『あっ!お茶でも入れてこよっか?』』
『『うん。』』

ポトッポトッ(マカロンが落ちる音)

ーーー終了ーーー


涙声で

「あの瞬間、私は自分のやったことを後悔した..」

紀保、高広の腕に手を添え

「お父様は私を守ろうとして下さった。
 私を幸せにするために、私の人生を守ろうと..
 それがお父様の愛だということは私もよく分かっています。
 それでも罪は罪。例え動機は愛だろうと罪は償わなくては..」 
「君の言う通りだ、紀保。」

「お父様ご自身は多分、これをまだ召し上がったことはないんでしょうね。」

とデドールのマカロンを取り出し

「これを食べると私、いつも幸せな気持ちになるの。
 お父様ももし口にしていれば罪を犯すことを思い留まったかもしれない..
 警察に行く前に是非召し上がってみて。」↑マカロンにそんな効果が?

とマカロンを出し出す紀保。

私はてっきり紀保がマカロンに毒でも盛ってんのかと思いましたよ。

「ありがとう、紀保。」とポケットからハンカチを取り、
手を拭く振りをしてハンカチに挟んでた薬を握りしめマカロンを掴む高広。

「お父様の娘に生まれたことを幸せに思っています。」と微笑む紀保。

薬と一緒にマカロンを口に含もうとしたその時、

「よせ!!!」

と伊織、高広にアターーック!滑り落ちる薬。
「やめるんだ!」と薬を拾う伊織。←奪い返そうとする高広

「お父様!」

観念した様子の高広。←もはや今までの高広の面影はなく、、。

そこへ龍一登場。←伊織を追いかけれたんだ!

「もう暫くすれば警察がここへやって来ます。
 ですが社長の名前はまだ出してはいません。
 どうか自分から名乗って下さい。お願いします。」
「私にどうしても自首させようと言うんだね..←えっ、駄目ですか?
 君はやはり、、大した弁護士だ、、。そうか?

高広に寄り添う紀保。紀保の手を握る鼻水ダラダラの高広。

雨もやみ、夕顔荘から出てくる龍一、高広、紀保、伊織。
目の前には刑事が。
高広、一度紀保を見て頷き、刑事の前へ。
そんな高広を追いかけようとする紀保←止める伊織。
龍一、高広に付き添い。

「今から一年ほど前、吉川みのりさんを手にかけました、羽村高広です。」←すごい自己紹介だ。

うなずく刑事。
高広、一度振り向き

「龍一君、あの日も茹だるような暑さでね。」


夕顔荘から伊久馬&紀佐が出てくるところを
ジーーッと見つめるハンカチ王子高広の回想。
ハンカチ、ギュギュギュ(握りしめる音)


「あれから30年以上が過ぎたが
 私の夏はあの日のまま、ここで止まっていたのかもしれない。」

高広、紀保と見つめ刑事に一度礼をして連行。
寂しそうに見送る紀保&伊織。

==

夕顔荘一帯の再開発話は立ち消えになったようで
町も再開発反対の垂れ幕を除去中。ワイワイガヤガヤ

そこへ雄介登場。

「みなさんどうもその節はお騒がせしてすみませんでした。ぺこり」
「言っとくけど、不動産屋ってのはね、
 地元の皆様の評判と信頼があってこそ成り立つ商売なんだ。
 人様との付き合いこそが財産なんだよ!
 それを土地転がしで儲けようなんて。昔から言うだろ?
 江戸っ子の生まれ損ない金を貯めってね。
 お前もうちの四代目なんだからしっかりしておくれよ!
 かあさん、頼りにしてんだから、、。」

ホッとしたかのように微笑む雄介。

==

アトリエKにて、セリ&杏子。
どうやらセリはここの社員になってるようで
白シャツ&黒スカートでスタッフの格好してました。

「紀保先生はいつ帰ってくるんだろ?」
「帰ってくるわよ。必ずね。さあ、口より手を動かして。」
「はい。」

紀保の机の上の写真たてにはアトリエKのスタッフたちとの写真が。
セリ、杏子、紀保、まりこ、ゆかり。

==

夕顔荘のみのりの部屋にて、遺品を片付ける伊織。
「伊織さん!ちょっといいかしら?」フキ登場。

「いきなりで悪いけど..」と婚約指輪を外し

「この指輪、お返しする。ごめんなさい。ぺこ。
 私にとって本当に大切な人は誰かようやく分かったの。」←え〜やっと分かったの?視聴者はとっくに分かってたよ?

と指輪をケースに戻し返すフキ→受け取る伊織。

「俺の方こそ、悪かった。
 結局おふくろはフキさんを一向に覚えず、そのくせ介護させ
 フキさんには辛い思いばっかりさせて..」
「ううん。おかげで、自分にとっての幸せって何なのか
 考えることができて良かったと思ってる。
 それに、辛い恋も恋のうちだもの。」

フキ、伊織→恋、雄介→愛、だと気付いた模様。

==

刑務所にて高広&龍一。

「そう。トップが代わって会社がこれまで以上に発展してくれれば何よりだ。」
「僕も伯父の事務所を辞め篠原先生のところでお世話になることに..」誰?篠原って?
「まさかキミ!」
「羽村社長の弁護をお手伝いしたいと思いまして。
 今後は刑事弁護人として一から勉強です。
 それもあって、紀保さんとは婚約を解消しました。
 ですが彼女とは、これからもいい友人でいたいと思います。」

頭を下げる高広。

==

施設にて、折り紙を折るみずえ。

「父から預かってきました。
 ご迷惑でなければ千羽鶴に加えてほしいと。」

かごに一杯の折鶴を持参し紀保入室。
紀保を見つめるものの無反応みずえ。

「みのりさんのことは、父に代わってお詫びいたします。
 申し訳ありませんでした。ぺこり」

部屋を出た後もぺこり紀保。

高広からの折鶴を手に取るみずえ。ポトッと落とし
ベッドから出て歩き出そうとして床に倒れるみずえ。
そこへ伊織登場。

「母さん、、どうしたの?」
「ハッ、ハッ」

震えながら

「わ..わたし..わたしなの....本当は私が...
 わたしが..殺したの....」

パーーーーーーンッ!!(意味不明の効果音)

====つづく====

ついに明日、最終回です。
柏木の一方的な杏子への恋の行方はどうなることやら。←実はどうでもいい。

高広の告白ってさ、紀保が伊織に告白した嘘の話と似てますね。
一本の電話が、、とかさ。
紀保の言ってることもある意味間違ってなかったんですね。

にしても伊織のブチ切れ具合、激しいっすね。
紀保が犯人だと勝手に推理してた時は一緒に逃げよう!
月の舟、、、納豆混ぜ混ぜだったのに高広だったら許せないわけ?
龍一犯人説の時もブチ切れてたし。男には容赦なし。

みのり、、こわっ。
紀保みたいに調べられたり狙われたら恐すぎてチビります。
むしろ高広がヤッちまってくれてよかったような、、。

フキもあっさり伊織と別れましたね。
面倒くさそうな母親付きの伊織を見切ったんでしょうね。
でも雄介の母:和美は和美で『五月の蝿』とかいて五月蝿そうだしさ。

あと、伊織が紀保に渡した手作りの指輪。
紀保が川に投げ捨てたようにしてましたが
そんな演出に騙されるはずもなく、、。
どういった感じで出てくるのか。。

まっ愛讐のロメラみたいな主人公のラストは気分悪いので
伊織&紀保ですんなり終わって下さい。←結構どうでもいい。
翌朝、コテージにて朝食を食べる紀保&伊織。
ご飯、みそ汁(豆腐入り)、納豆、漬け物。
伊織は納豆混ぜに夢中です。

朝食後、時刻表と睨めっこの伊織、メモメモ。
コーヒーをいれる紀保。
コーヒーを飲み時刻表チェックしてる伊織の背中を物悲しそうに見つめる紀保。

大事そうに時刻表を抱えながら、いつの間にか眠ってしまった伊織。
そこへ紀保、手には龍一が服用してた精神安定剤の瓶。
眠ってる伊織の頬を触ろうとして躊躇う紀保。
メモを床にわざと置き、去る紀保。

目覚める伊織。薬を盛られ頭が痛いようです。
紀保を探す伊織、床に落ちてるメモを見つけ

「これはケアハウスの電話番号..あいつ..おふくろのところへ?」

紀保の作戦にまんまとハマる探偵伊織なのだ。

==

アトリエKにて、紀保の安否を気遣う杏子&龍一。
紀保がリヨンに行く予定も、行った形跡もないようです。

「だとすれば彼女はまだ国内にいる。
 しかし、別荘にあったこの手紙。
 彼女が保有する羽村エンタープライズの株券を
 君と僕、そして瀬田伊織と彼のお母さんに4分の1ずつ贈与するなんて
 これじゃあまるで遺産分けだ。」
「そんな、、私の名前も?ラッキー♪。」
「とにかく徹底して心当たりを探そう。
 僕はひとまずマンションに戻ってみる。
 君は急いで羽村社長に連絡を。」
「はい。」
「待って!紀保のことは何か分かるまで伏せておいた方がいい。
 羽村社長にこの手紙を。」

と紀保が書いた高広宛の手紙を杏子に渡す龍一。
不安げな杏子。

==

みずえの施設に来た伊織。
部屋を開けるなり「紀保!」と呼ぶが部屋にはフキの姿が。
フキ、どこまで惨めなんだ。チ〜ン。

「フキさん、、どうして?」←フキ、邪魔者扱い。
「伊織さんこそどうしたの?
 お母さん、夕べ酷く胸が痛んで苦しくなったそうなの。」
「胸が?」と慌ててみずえに駆け寄る伊織。

「狭心症の疑いもあるから一度検査した方がいいだろうって。
 安静にしてても発作を起こすことが..
 強い不安を感じたりストレスが原因になることも..
 私も夕べ連絡もらって驚いて、
 伊織さんの携帯に何度もかけたのにちっとも繋がらなくて..
 今までどこに居たの?」

はい、コテージに女と居ました。
チミや母を見捨て、伊織の推理上殺人犯の紀保と逃避行!
チミからの着信にも気付いてましたがウゼッって感じで電源OFF!
月の舟だってロマンチックモード入ってました。


「すまなかった。」
「別に謝ってほしいわけじゃない。私はただ」
「フキさん、ちょっと話がある。ここじゃ何だから」
「ええ。私も一度きちんと話したいと思ってたの。」

と部屋を出ようとしたら高広登場。
伊織とフキの話合い見たかった〜。

「どうかね?その後、みずえさんは?」

みずえの事情を知ってる高広に驚きフキを見る伊織。

「夕べ痛みが起きた時、羽村さんが傍に..」
「たまたまお邪魔していてね、これ、知り合いの医者に連絡しておいた。
 念のため、精密検査を受けておいた方が君も安心だろう。」

とメモを渡す高広。伊織が受け取らないので
「ありがとうございます。どうもご親切に。」とフキが受け取る。
つーかどこもかしこもメモメモメモ。

「伊織」

目覚めたみずえ。

「母さん!」
「伊織、、ワタシ怖い夢をみたの、、
 アナタが遠くへ行ってしまう夢、、声も届かないほど」

あっ、それ正夢です。母親見捨てて逃避行しようとしてました。

「大丈夫だよ。俺はどこへも行ったりしないから。」
「伊織、、」

フキ、伊織に散々な扱いされながらも

「お母さん、喉渇きませんか?お水いかかです?」

と献身的に介護するのである。

そこへシスターが高広を呼ぶ。

「お車の方にお電話があったそうです。お急ぎの御用とか。」
「恐れ入ります。」と電話を受け取る高広

「はい、羽村です。ああ、君か。紀保が私に?」

電話の相手は杏子。

「はい、社長宛のお手紙を預かっております。
 どちらへお届けすればよろしいかと思いまして、、。」

==

新居に戻った龍一、居るはずもない紀保の名前を呼んでます。

「紀保!」

ガラーーーンの寝室→ショボーーン龍一。

鞄から戸籍謄本を出す龍一。
引き出しを開けるとポツーーンと指輪ケースが。
パカッ(ケース開けた音)キラーーン(婚約指輪)

「紀保〜」と呟く龍一。

封筒に入れてた婚姻届がなくなってて焦る龍一、

「ない!そんなはずは!」

あちこち探すが見当たらない婚姻届。
ふと目にした戸籍謄本。

【父/里見武夫 母/洋子 夫/高広】

「この名前..どこかで、、」

伊織の話を思い出す龍一。

『『里見武夫とは何者だ?
  あの夕顔荘は元々里見という男の持ち物で..』』

「まさか、、」

と慌てて事務所に電話する龍一。

「大至急調べて欲しい。うちの依頼人の件で。名前は里見武夫..」

==

浮舟にて龍一、和美に『里見』という人物について聞いてる模様。
メンバーは他に、蔦子、平さん。

「元々は戦後の闇市で財を成した成金だそうでね
 若い愛人のためにあの夕顔荘を建てたって..ね?蔦子さん?」
「ええ。確か花好きの綺麗な人で庭中に夕顔を育てていたことから
 夕顔荘って呼ぶようになった、って。」
「でも気の毒にずいぶん早くに亡くなったんだよね〜。」と平さんも会話に仲間入り。

「その人には子供がいなかったから里見武夫さんのご長男が
 あの家を相続してそれでアパートを始めた..
 夕顔荘がアパートになった頃のことなら平さんの方が詳しいんじゃないの?」

と和美、平さんにバトンタッチ。

「あそこには俺のマージャン仲間が部屋を借りてたこともあってね。
 当時は源さんも誘って良く一緒に通ったもんさ〜。」
「時々若い綺麗なお嬢さんが訪ねて来てたって。」
「そうそう、そうだった。
 あれは一階の部屋を借りてた男の所だ。
 時々、掃溜めに鶴みて〜な綺麗なお嬢さんが来てね〜。ニヤニヤ
 なんせ30年以上も前の話だ。
 何なら源さんに聞いてみな。何か覚えてるかも知んねえ。」
「源さん、、と言うのは?」
「再開発の賛成派。この前ここで会ったでしょう?」

全く覚えてない様子の龍一。雑魚キャラには興味がないのだ。

「まだ診療所かも。」と源さんの居そうな場所を教える蔦子。
平さんが何か思い出したようで

「そう言えば丁度その頃..あそこの袋小路に突っ立って
 夕顔荘をジィーーーッと見てる若い男が居た。
 夕顔荘から出て来た綺麗なお嬢さんと男の姿をジィーッと目で追って..
 恋の三角関係ってやつじゃねえかって源さんと話し合ったもんさ〜。」

頭をフル回転してる龍一。

この時の回想シーンの若い高広役、後ろ姿しか見えなかったけど
いかにも高広って感じでいいとこついてんな〜って思いました。
元祖ハンカチ王子です。

==

アトリエKにて杏子、伊織から電話。

「今どこですか?紀保さんは?
 えぇっ!一緒じゃないんですかぁ?
 ..いえ、こちらにはまだ何の連絡も..」

トントン スタッフ登場。

「羽村社長の秘書の方がお見えになりましたが、、」
「悪いけどこの手紙をお渡しして。くれぐれも失礼のないようにね。」

退場スタッフ。

「はい、もしもし?それで伊織さん今どこに居るんですか?
 連絡先は?」とメモする杏子

==

早速源さんを探しに診療所へやってきた龍一。

「ついさっき出て行ったよ。一足違いだ。」と加賀。

「追いかければ間に合いますか?右ですか?それとも?」

追いかけてもいつも間に合わないので焦る龍一に

「どうかな。それより紀保さん、どうしてる?」

と見事に龍一の台詞なんてスルーの加賀なのだ。
キョトン顔の龍一。

「この前ここへ来てくれた時な、顔色が悪かったからちょっと心配になってな。」
「紀保が来たって、、それはいつですか?
 顔色が悪かったって、、」とまたまた焦りモードの龍一。

冷静沈着がウリの弁護士ですが龍一は違うようです。

トゥルルル〜 龍一の携帯に杏子から着信。

「えっ!彼から連絡が?紀保は!紀保はどうしたって?
 居ない?」
「どうした?紀保さんやっぱ何かあったのか?そうなのか?」

龍一の事はスルーなのに紀保の事には過剰に反応する加賀に困惑顔の龍一。

==

みずえの施設にて龍一&伊織。フキはみずえの相手。

「驚いたな、まさか本当にここまで来るとは、、。」
「どうしても直接会って話たいことがあってね。
 紀保がここへ来るかもしれないと言う君の推測ももっともな気がして。」
「できれば外れていることを願ってる。←心配しなくても外れてるよ!
 肩の具合はどうだ?ずいぶん痛がってたようだけど?」

たしかに龍一、もの凄く大げさに痛がってた。柱にぶつかったぐらいで。
でも負傷した肩を手で押さえながら頑張って追いかけてたもんね。

「昔怪我をした所がちょっとね。大したことはない。」←あんなに痛がってたくせに。追いかけられなかったくせに。
「手荒な真似をして悪かった。」
「いや、そっちこそお母さんはいいのか?」
「ああ。おかげで今は落ち着いている。」
「しかし大変だな。」
「幸か不幸か死んだ親父の保険金がいくらかあってそれでなんとかやってきた。」

「ところで何故あの夕顔荘で暮らすようになったのか聞かせてくれないか?」
「遺品の中に古い日記が..その中に夕顔荘のことが..
 親父は独身時代、友人に紹介されたあの夕顔荘で暮らしてたみたいでね」
「それは確かなのか?」
「ああ。俺は8年前、当時勤めていた会社を辞めてそれでふと思い立って
 死んだ親父に縁のある場所を訪ねてみることに、、
 日記にあった夕顔荘が当時のまま残ってると知った時は正直驚いて、
 その時たまたま柴山工作所のおやじさんと出会って
 それで工作所で働きながらあの夕顔荘で暮らすように、、
 もしかしたら親父の青春を懐かしむ気持ちもどっかにあったのかも..」

「その友人の紹介とは一体誰のことか日記には書いてなかったか?」
「いや、書いてあったのかもしれないが記憶にないな。それがどうかしたか?」
「あ、いや。僕の想像通りならこれで全てが繋がる。そう思ってね。」
「繋がる?」

「実は夕顔荘に関することで気になる話を聞いたんだ。
 確かめようと診療所にも行ってみた。
 先生が言うにはこの前、紀保と最後に会った時に
 話がたまたまみのりさんの事になったんだそうだ。
 なんでも先生は、みのりさんが亡くなる少し前に電話で誰かと
 会う約束をしてるのを聞いたそうで、、。

『『誰でした?その電話の相手って!』』
『『それが、、電話の途中で一度だけ相手の名前を呼んだな、、。
  女だったよ!名前は確か、、」

「その名前を聞いた途端、紀保の顔色が変わって、、
 どうやら紀保はその名前に心当たりがあるようだ、と。」
「その女は誰だ?教えてくれよ!」
「みのりさんは電話の相手に『サトミさん』そう呼びかけたそうだ。」
「サトミ?」
「サトミと言うのは」

==

みずえの部屋にて、折り紙するフキ&みずえ。
ふとみずえの動きが止まる。

==

「それは事実なのか?」

戸籍謄本を見せる龍一。

==

こっそりドア越しに話を盗み聞きしようとするフキ。

==

戸籍謄本を興奮ぎみに返す伊織。

「あのメモはやっぱり『S』だったんだ。
 それで紀保はあのメモを、、」←この台詞、龍一は多分意味不明。

ダッシュでどこかへ行こうとする伊織を阻止する龍一。

「待てよ。」
「今の話が事実だったとすれば彼女はいくら待ってもここには来ない!
 紀保が行くとすればあの場所しかない!」

とダッシュで行く伊織を再び阻止する龍一

「そうだとしても抜け駆けは許さーーん!!」

抜け駆けって?何が?

「伊織さーん!!」フキ登場で龍一が気を取られてる間に

「すまない、フキさん。」とダッシュの伊織。

「待てーーー!」と追いかける龍一。←多分追い付けない。

「伊織さーん!」と一人ポツーーンのフキ。←ちょっと同情。

ダッシュダッシュダッシュ伊織。

==

夕顔荘、壊されたみのりの部屋の鍵。
机の上にはデドールのマカロン。黒いコートを着て一人佇む紀保。

ガラガラーー そこへ高広登場。

振り返り睨むように高広を見る紀保。

「これは何の真似だね?紀保。」
「手紙に書いた通りよ。
 私この部屋で、吉川みのりさんを殺したの。」

ピカーーンゴロゴローピッカーーーン (雷の音)

見合う紀保&高広

====つづく====

予告、まるで紀保が死んだみたいな紀保の総集編でしたね。
あの人は今、、みたいで懐かしかったっす。
残るはあと2話、どうなることやら。

で、結局柏木が伊織にみのりの件で言おうとして
杏子登場で途切れたあの話はどうなったんでしょうか?

「でもよく分かったわね。」
「きっかけはガラスペンだ。
 お前はみのりの部屋にあったガラスペンを見て
 あいつが死ぬ間際手紙を書いたことに気が付いた。
 だが最初から遺書の存在をお前は知ってた、が
 柏木さんが持ち去ってしまったせいで乾龍一は逮捕..
 だからお前はアイツに頼まれて..
 お前と乾龍一は共犯関係にある、そう考えた。
 だがさっき彼と会って..。アイツの目に嘘はなかった。
 乾龍一はみのりを殺してはいない。」

龍一の目を見て『嘘はない』って分かったんなら
紀保の目を見て『嘘だ』と気付いてくれ!

「その通りよ。彼は被害者だもの。
 それもこれも私の母があなたのお父様を無理矢理道連れにして
 海に飛び込んだせい..龍一さんには何の罪もない。
 覚えてる?夕顔荘でミシンを直してくれてた時..」
 
『『昔ある人が言ってたわ。女が針を持つことを忘れてしまったら
  世界はきっと今より不幸になるって。』』
『『大げさだな、、だかが針ぐらいで世界が変わるもんか。』』
『『そうかしら?でも、そういう小さなことから世界は崩れていくのよ。』』
 
「世界はほんの小さなことから崩れていく、、本当にその通り。
 ある日突然、私にかかってきた一本の電話が全て壊してしまった。」

『『はじめまして。私、吉川みのりと言います。
  実は私、龍一さんの子供がいるの。
  ちょうど八週目に入ったとこよ。分かるでしょ?乾龍一..ニヤリ』』

「初めは悪い冗談だと思った。
 彼女はお腹の子のためにも本気で龍一さんと結婚する気だった。
 結婚祝いに私にドレスを作ってほしい、、そうも言ったわ。
 誰よりも素敵なドレスにしてほしい..
 彼女のその言葉が私に殺意を起こさせた。
 そしてあの日、電話をかけてその夜会う約束をした。
 メモにあった番号はみのりさんとの連絡用に買い求めた携帯電話。
 もちろん今は使ってない。」
「お前に預けたあのメモはどうした?」
「焼き捨てたわ。当然でしょ?」

で、結局あんだけ『い』だの『S』だの騒いでた文字は
どう解釈したんですか?伊織探偵!

「みのりの遺書はどうした?どうやって?」
「あなたが私になるためにはまずこの世から吉川みのりを消す必要がある。
 そう持ちかけたわ。
 彼女はジョークのつもりでおもしろがって書いてくれた。
 あのブルーのインクとガラスペンを使って。
 それから私はマカロンを..
 これは羽村紀保が今一番気に入ってるお菓子
 そういうと彼女は喜んでためらいもなく口に..
 何もかも上手くいくはずだった。
 唯一の誤算は柏木さんがせっかく用意した遺書を持ち去ったこと..
 龍一さんが逮捕され私は彼を助けるため遺書を探そうと夕顔荘に..
 そしてあなたと出会ってしまったの..」
「憎かったのか..みのりを殺さなきゃならないほど
 お前はあいつが憎かったのか..?」

と涙声て問う伊織。無言の紀保。

「どうなんだ!答えろ!」
「いいえ。
 私はみのりさんを憎まなければならないほど彼女を知っていたわけじゃない。」
「じゃあ何故殺した?」
「自分の人生を見ず知らずの誰かに乗っ取られたくはなかった。
 自分がつかむはずの幸せをこの手で守りたかった。
 別にみのりさんが憎かったわけじゃない。本当よ。」
「(泣きながら)ならなにも、、殺さなくたってよかったんだ...」
「そうね。私が龍一さんとの幸せを諦めれば済むことだった。
 今ならきっと..そうするでしょうね。ごめんなさい。
 あなたにも辛い思いをさせてしまって。許してもらおうとは思わない。
 でも、謝るわ。みのりさんはもちろん、あなたにも。そしてお母さまにも..」

と実にサバサバ告白する紀保なのであった。

グスングスン伊織

「これからどうするんだ?」
「一生かけて罪を償う。でもその前にやらなきゃいけないことがある。」

と言って荷物を持ち出す紀保。

「どこ行くんだ!」
「決して逃げないと約束する。
 だから少しだけ時間をちょうだい。あと少しだけ」

と出て行こうとする紀保の腕を掴む伊織。
そこに龍一登場。



「今の話が本当なら何故話してくれなかった?」
「誰よりも法の正義を信じてるあなたに
 婚約者の私が罪を犯したなんて、どうしても言えなかった。」
「それでも僕は君と一緒に生きると誓ったんだ。一年前のあの日..」
「一年前の私とは違う。
 今の私はあなたの誓いにふさわしい女じゃない。
 あたなは私が心から尊敬する大切な人..
 だからあなたにはあなたの愛に相応しい人と一緒に生きていってほしい..」

「さよなら」と出ていく紀保の腕を掴む龍一。

「紀保!自首するんだ。君が刑に服し、
 晴れてその罪を償う日が来るまで僕は君を待つと約束する。
 僕も君と一緒に行く。君の弁護は僕が必ず引受ける。さあ。」

と紀保を連行しようとする龍一に

「待てよ!自首するって、、何の話だ?彼女は誰も殺してはいない。」

ととぼける伊織。驚いて伊織を見る紀保。

「みのりは自殺だ、自殺なんだ。お前は誰も殺してなんかいない!
 分かったら放せ!」

と龍一から紀保を引き離そうとする伊織。
しかし龍一もそう簡単には放しません!

「早く、放せ!」
「よせ!!」と伊織を払いのける龍一。

「そうやって庇うつもりだろうが
 こんなことをしても彼女を救うことにはならない!
 法の裁きをうけるのが一番だぁ!!」←さすが弁護士。

「いいから早く行け!」と紀保に言う伊織。

「邪魔をするなぁ〜!!」ビリビリビリーーー!(服が破れる音)

と伊織に掴み掛かる龍一。

「あんたの正義なんて糞くらえだ!!」
「なにぃ!!!」

そんな取っ組み合いの二人を見て逃げようとする紀保。

「紀保〜〜!!」

必死で紀保を追いかけようとする龍一 ←阻止する伊織、
龍一を思いっきり柱に投げ飛ばしました!
龍一負傷。←ラグビー経験全く役に立たず。

「龍一さん!」←一応心配するふりをする紀保。
「紀保さん。」そこへ杏子到着。

その隙に紀保の腕を掴み逃げる伊織達。←負傷した龍一も追いかける。

海辺を手を繋ぎ走る伊織&紀保。逃避行ですか?

==

施設にてみずえと折り鶴して談笑中の高広。
帰ろうとしたその時、

「ア"ッ!ア"ッ!ア"ッ!」と苦しそうに悶えるみずえ。
「みずえさん、、誰かー誰かー」

==

別荘にて龍一の肩に湿布を貼ってあげる杏子。
龍一、昔ラグビーでの古傷が痛んだようです。
結局追いかけられなかった龍一、チ〜ン。

「だけど紀保さん、..とても信じられない。」
「だがこんな大事なことで嘘をつくとも思えない。
 みのりさんの事件を担当した刑事に連絡して..」
「でもそんな事をしたら紀保さんは、、」
「今は彼女を無事に保護することが先決だ。」

「待って下さい!もし紀保さんの話が事実なら
 紀保さんのことです、このまま逃げるような卑怯な真似はするはずがない!
 だからもう少し待って下さい!」
「しかし彼女のそばにはあの男が」
「伊織さんも、きっと紀保さんのためにならないことはしないはずです。
 この通り、お願いします!」

と土下座する杏子

「杏子さん、、」
「私は、紀保さんを信じてます!お願いします!」

==

コテージにて伊織&紀保。
伊織の破けたジャケットを縫う紀保。
携帯をチェックする伊織。
‘フキさん’からの着信のオンパレード→電源OFF。

「このボタンもとれそうだからついでに付けておくわ。」
「ああ。」

ボタン付けをしてる紀保をしばし見つめ

「このまま逃げよう。」と伊織。→動きが止まる紀保。

「俺たち二人くらい隠れて暮らせる場所はきっとどこかにある。」←どこに?
「だけど私はあなたの大切なみのりさんを」
「それなら俺も同罪だ。アイツの死の責任は俺にもある。
 だから一緒に逃げよう。俺は本気と書いてマジだ。」

再びボタンつけを始める紀保。

「....だったらどこか海辺の小さな町がいい。
 その小さな町で、あなたは自分の好きなアクセサリーを作るの。
 その脇で、私は近所の人に頼まれたものを縫うわ。
 あっ、あなたのアクセサリーを入れる小さな袋も作らなきゃ。」
「(笑顔で)ああ。ニンマリ」
「それでもしミシンが壊れた時には」
「俺が修理する。(笑顔)」
「(笑顔で伊織を見つめ)ええ。」
「でも上糸と下糸が中々噛み合なくて何度もやり直しさせられて..」

伊織は嬉しそうに話を聞いてましたが
紀保は、そんな未来はないことを分かった上での話の仕方でした。
この二人の会話って視聴者の声を聞いたかのような光景ですね。
公式HPのメッセージとかに書かれてそうな感じ。
でもここでわざわざ口に出して言ったって事は
そうならないってこと?

やっとこさボタン付け終了。←何往復針を通したことやら。
伊織、バルコニーに出て月を眺める。

「舟だ。」

紀保も一緒に空を見上げる。

「あの時と同じ、月の舟。」←ジーーーッと紀保を見つめる伊織。

「逃げよう、逃げるんだ。二人でどこまでも。」

と言って手を添える伊織。
紀保も手を添え紀保を優しく包み込む伊織。


====つづく====

私、今日になってやっと『月の舟』の意味が分かりました。
なるほど、月が舟みたいに見えるからですね?(←気付くの遅すぎ)
月の舟の意味を理解してなかったので
伊織が空見て「舟だ」って言ってるのを見て
空に舟なんか見えるか!って思ってました。
二人してぼけたのかと。

それにしても伊織探偵の推理というのは毎度毎度ご丁寧に解説してくれるんですけど
間違いなく彼の推理は外れてますからね。
紀保が供述して涙してた伊織の演技も
無駄と言うか、、何と言うか、、伊織、マヌケというか、、。

伊織はそういうのを見抜くようなキャラだと思ってただけに
探偵伊織はちょっと期待外れでしたね。
59話ラストでの診療所での加賀と紀保のやりとりが今頃登場です。

「浮舟で初めて紀保さんを見た時に電話の相手じゃないかと思ってね。
 みのりの代わりに俺を脅しに来たのかと警戒したわけさ。」

引きつり顔の紀保。

==

伊織、自室にて眠れずみのりの事件を推理中。

 “ 四年前俺を訪ねて来るまで会ったこともなかった妹
   父親を道連れに死んだ羽村紀佐を恨み娘の紀保を恨みながら
   同じぐらい強く彼女に惹かれ..同じものを着て同じものを持ち..
   遂には乾龍一に近付いて無理矢理彼の子を..
   彼との結婚を夢見て誰にも負けない花嫁衣装を作ろうと
   薬の横流しをしていた加賀先生に口止め料まで要求して..
   その話が全て事実だったとして
   それでもお前が殺されていいってことはない。問題は..  ”

パッと起き上がり「お前が書いたというあの遺書だ。」と呟き
みのりの部屋へ。遺書を見つめながら

 “ あの時、柏木さんが持ち出さなければ自殺として処理..
    だがこの遺書、誰かに無理矢理書かされたとしたら..  ”

ふと横にあったガラスペンを取り出す伊織。

「ブルーのインク...そういえばあの時..」


 “ みのりが死ぬ前に手紙を書いたと最初に気付いたのは紀保だった..  ”

「もしかして、、」

 “  この遺書があることを紀保は初めから知っていたんだろうか?
    ...んなバカな。どうかしてる...  ”

「けど..」

回想〜
『『アイツに頼まれて来たのか?
  乾龍一がやったという確かな証拠を消すために』』
『『いいえ、その逆よ。
  龍一さんは何もやっていないという証拠を探しに来たの。
  無実だという確かな証拠をね。』』

 
 “ 紀保がもし、遺書の存在を知ってて
 どこかに消えてしまったそれを探すために
   ここへ来たのだとしたら..  ”

「あの二人、、もしかして..共犯??」

 “  まさかそんなはずが...そんなバカなこと.. ”

いつの間にか朝になってます。

==

アトリエにて燃やしたメモの灰を処分し
机の引き出しから書類や写真立てを段ボールに詰める紀保。

==

寝室にて目覚めた龍一。キッチンには朝食の準備&メモが。

【急ぎの仕事があるので先に出ます。朝ご飯、ちゃんと召し上がって。】

==

アトリエKにて、出勤した杏子
早くから出勤してる紀保に驚く。

「今朝はまたずいぶん早かったんですね。」
「ええ、気になる仕事があって。
 ちょうどよかった、手伝ってくれる?」

打掛ドレスを試着させられる杏子。

「きれいよ、杏子。よく似合ってる。」
「ウフッ。(←とっても嬉しそうな杏子)でもなぜ私に?」
「ええ、どんな風に模様が変化するのか見てみたいの。
 着心地はどう?どこか気になるところはない?」
「あっ、いえ。特には。」

「急で悪いんだけど私リヨンに行くことに..
 ごめんなさいね、忙しい時に。」
「いえ。でもできるだけ早く帰ってきて下さいね。
 みんな待ってますから。」
「ありがとう、杏子がいてくれるおかげで私何の心配もないわ。
 このアトリエのこと、よろしくお願いね。」
「紀保さん?」
「次は歩いてみて。ここをグル〜っと」
「(笑顔で)はい。」と照れながら歩く杏子。

==

道ばたで和美と遭遇する伊織。

「この前頼まれたアレ、分かったわよ。」

とメモを見せる和美

【家主 里見武夫
 代理人 高坂法律事務所
 東京都品川区大井五丁目三ー四】

「夕顔荘の持ち主はもともとは里見武夫さん..
 戦後間もなく愛人のために建てた..
 今はとっくに亡くなって今は遺族に頼まれてうちで管理..」

とメモを渡される伊織

「ありがとうごじます。」
「ところでさ、うちの雄介だけどお邪魔してない?」
「いいえ。まだ帰ってこないんですか?」
「全くどこで何やってんだか。じゃあね。」

メモに書かれてる法律事務所の名前が引っかかる様子の伊織。
その足で工作所に行き事務所の名刺ファイルを調べる。

「あった!やっぱりそうだ、高坂法律事務所..」

龍一の名刺に高坂法律事務所の名が。

 
  “ 乾龍一と夕顔荘はやはりどこかで繋がってる.. ”


「その名刺、どうかしたの?」とフキ。
「ああ、いや。」と出て行く伊織に

「どうする?伊織さんの引っ越し..」
「再開発問題がハッキリするまで動きたくないんだ。
 ここへ移ってもすぐまた明け渡すことになるかもしれないし。」
「、、、そうね。二度手間になるものね。」
「勝手言ってすまない。ちょっと出てくる。」と退場伊織。

「多分、そう言うだろうと思ってたっ。」

と呟きながら婚約指輪をイジイジ見つめるフキ。
そこへ雄介

「いいのかな?俺、ここにお邪魔してて。」
「いいの。どうせお父さんの部屋空いてるんだし
 お盆休みが終わるまで工場にも誰も来ないから。」

どうやらフキ、雄介を匿ってるようです。

==

アトリエ前にて伊織&杏子。

「すみません、紀保さんに会わせてもらえませんか?」
「紀保さんは留守です。
 仕事の都合で急にリヨンに経つことになって。」
「いつ?」
「その前にご用件を。」と完全阻止状態です。

そこへスタッフ登場

「杏子さん、すみません。確認したいことがいくつか..」

「ちょっと待ってて。どうぞ、ご用件を。」
「なら杏子さんでもいい、ちょっとこっちに」

とスタッフに聞かれないように端の方で話する伊織。

「一年ほど前、乾龍一が逮捕された事件..
 その事件の夜、羽村紀保は何をしてたかそれが知りたい。
 あの夜、あんたは彼女とずっと一緒だったのかどうか。」
「そんなこと急に言われても、、」

「一緒でしたよ。」

話、丸聞こえだったようでスタッフ(まりこ)が口を挟みます。

「あれはほら、パンフレットの撮影があった日ですよ。
 紀保先生にも聞かれたことがあってそれで覚えてるんです。
 昼間、植物園で。その後はアトリエに戻って
 夜はいつもの店で打ち上げパーティーを。」
「ああ、そう言われれば..」

「そのパーティーには彼女も一緒に?」」
「ええ、もちろん。」
「そう。(笑顔で)一緒だった、、」

と紀保のアリバイを確認できホッとする伊織。

「でも、紀保先生は一人先にかえられましたけどね。」
「帰った?」
「ご自分の結婚式の準備があるからって。そうでしたよね?」
「ええ。私、タクシーのところまで送った覚えが..」

「何時頃?」
「みんなで乾杯したのが19時頃..それから1時間位して?」
「じゃあ20時頃、彼女は一人タクシーに乗って帰った、そういうことですね?」
「それがなにか?」←苛ついた様子の杏子

「大事なことなんだ。間違いがないかよく思い出して」
「まるでアリバイ調べだな。
 二人ともそれ以上何もはなす必要はない。
 どうしてもというなら彼女の顧問弁護士として僕が話を聞こう。」と龍一登場。



アトリエKにて二人きりで話する伊織&龍一

「さあ話してもらおうか。君は何を知りたい?」

無言の伊織

「言えよ、紀保の一体何を調べてる?」
「そうムキになるなよ。
 弁護士はどんな時にも沈着冷静にってそれがあんたのウリだろ?」
「それは相手によりけりだ。
 何の権限もないのに人の行動を勝手に探るような輩には
 こっちにそれ相応の対処をする必要がある。」

「俺はただあの事件の夜、彼女が一体どこで何をしていたのか
 それが知りたいだけだ。」
「そんなこと聞いて何になる?」
「それより、教えてくれないか、弁護士さん?
 あの夕顔荘とあんたとの間にはどういう関係がある?」
「関係?」

「里見武夫とは何者だ?」
「知らないな。」
「あんたが知らないはずがない。」
「話をそらすな。」
「そらしてんのはそっちの方だろ?
 あの夕顔荘はもともと里見という男の持ち物で
 その遺産管理を任されてるのが高坂法律事務所だ。」

「なに?」
「あんたの伯父さんの事務所だよな?知らないとは言わせない。」
「だからどうだと言うんだ?夕顔荘も数多い依頼の中の一つ..
 別に僕が知らなかったとしても不思議じゃない。」
「そうだろうか?あんたも彼女も本当は前々から
 夕顔荘のことはよく知ってたんじゃないのか?
 みのりのことも早くから彼女は知っていた。
 あんたとみのりの間に何があったのかも。」

「何を言ってる!そんなはずはない!彼女は何も」
「知らなかったと何故言える?
 あんたはみのりの事を秘密にしたつもりでも
 この世に秘密なんてものただの一つもありゃしないんだ。
 あるとすれば人にバレるのが早いか遅いかだけの違いだ。
 みのりの死のことで何があったのかその秘密も
 今にきっと秘密でなくなる時がくる。
 俺がそう言ってたと、彼女に伝えてくれ。」
「断る。」と強気の龍一なのだ。

10センチくらいまで顔を突き合わせる伊織と龍一。
去る伊織。

「待てよ!おい待て!」トゥルルルル〜

着信で仕方なく電話に出る龍一。「はい、乾です。」



アトリエKを出た伊織、廊下で杏子と遭遇。

「さっきの話、あなたは紀保さんのことをどうするつもりなんですか?」
「もし彼女の心に誰にも言えないような秘密があるなら
 それを解き放って自由になれる手助けをしたい。それだけだ。」
「それは、あなたと紀保さんが同じ心を持つ同志だから?
 紀保さんは明日の便でリヨンに経つ予定です。
 でもまだ今なら別荘かもしれない。
 大事なものを取りに行くってそう言ってましたから。
 これが住所です。」

とメモを渡す杏子。

「私も紀保さんの幸せを心から願う同志ですから。」
「ありがとう」とメモを受け取り去る伊織。



「はい、社長。どうかご心配なく。はい。ではまた後ほど。」ピッ。

電話を切り、ふと紀保の机を見て違和感を覚える龍一。

「写真がない、、」

と慌てて机の引き出しをチェックするがどこもカラッポ。

「紀保」と呟く心配性の龍一なのである。

==

別荘にてガラスペンで龍一と高広宛に手紙を書く紀保。
傍らには黒いコートと大きなバッグ。
人形を抱きしめ景色を眺めてたところに

ガチャッ 伊織登場。←紀保は鍵はかけない主義

「どうしてここへ?」

荷物と黒いコートが目に入る伊織。
単刀直入に紀保に

「みのりを殺したのはお前なのか紀保。そうなのか?」
「そうよ。私が殺したの。」

====つづく====

8月31日から始まるドラマ予告が流れてます。
愛讐のロメラで加賀見彩役をしてたガキが出てましたよ。
最終回、「おかあさぁーーーん!だ〜〜い好き〜〜!」と叫んだあの彩ですよ!
常に微笑んでるようなあの顔は間違いないかと。
だからって観ませんけどね。まっまさか。
診療所の入り口で鉢合わせする伊織&紀保。
動揺しまくりの紀保に「どうかしたか?」と声をかける伊織。
「い、いえ。」と明らかに動揺してる紀保。

「雉牟田たちが来たって聞いたもんだから気になって。」
「先生なら大丈夫。お元気よ。」と慌てて去る紀保。

==

アトリエに戻り頭を抱え込む紀保。
加賀の話を回想中。

『『みのりは電話の途中で一度だけ相手の名前を呼んだ。
  女だったよ。どうやらその相手と会う約束をしてるようでね。
  名前は確か、、』』

顔を上げた紀保の頬に流れる涙。

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浮舟にて再開発計画反対組の決起集会が行われております。
そこへのこのこ龍一登場←呼んだのは和美。

「先生〜、遅かったじゃないですか〜。」
「本当に僕なんかが来ていいのかと。」
「いいんですよ、敵に勝つにはまず敵を知れってね。」

怪訝な顔で龍一を見る伊織←に気付き気まずい龍一
そんな二人に気付く加賀。



工作所にて雄介&フキ。

「みんな集まってるみたいだけど、いいの?行かなくて。」
「いいの。例え近所中の人が反対しても私は雄ちゃんの味方。」

と微笑み合う二人。
手作りおにぎりを雄介に差し入れるフキ。

「フキちゃんは忘れたかもしれないけどさ
 俺、井口不動産の跡取りで一人っ子でとにかく大事にされて育った..
 おもちゃなんかも全て買ってくれるし
 世の中それが当たり前だって子供心にどっかなめてかかってた。
 けど子供同士の世界はそうはいかなくて知らない内に仲間はずれに..
 そんな時、傍でそれとなく励ましてくれたのがフキちゃんだった..」
「そうだった?」←雄介との事は全く記憶にないフキ。

「小学校の集団登校の時も誰にも相手にされない俺に
 『雄ちゃん私と一緒に行こう、一人じゃないよ』って。
 フキちゃんが手を握ってくれて。あん時から俺、
 大きくなったらフキちゃんと必ず結婚するって心に決めてたんだ。
 結局俺、あの頃のまんま。ちっとも成長してなかったんだな。」
「そう、そんな風に思っててくれたの、、。」

雄介、食べてたおにぎりを喉に詰まらせる。
「大丈夫?雄ちゃん。」とお茶を差し出すフキ。
そんな二人を面白くなさそうに見てるセリ。

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浮舟の前にて龍一&加賀。
加賀に酒を勧められるが断る龍一。

「飲めない理由でもあるのか?
 弁護士ってのは大変な仕事だろうからな。
 ストレスが溜まってつい薬に頼りたくなることもある。」
「何のお話でしょう?」
「まぁ、頑張り過ぎないことだ。」

浮舟の片隅で和美に頼み事をしてる様子の伊織。

「分かった、それを調べりゃいいのね?」
「お手数おかけしますがよろしくお願いします。ぺこり」
「お安い御用よ。」

浮舟を出て夕顔荘に戻る伊織。
そこには紀保の姿が。

「来てたのか?」頷く紀保。

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工作所にて荷物を抱えて出てくるセリに驚くフキ。

「どうしたのこんな時間に?」
「帰ろうと思って。自分のマンションに。」
「お盆の間うちにいるんじゃ..?」
「居ても別に面白いことなさそうだし。じゃあね。」と退場セリ。

そこへ雄介も顔を出し

「俺も行くよ。おにぎり、ごちそうさま。」と去ろうとする雄介に

「またいつでもおにぎり食べにきて。雄ちゃん、一人じゃないから。」
「ありがとう。」と笑顔で去る雄介。
一人ポツーーンのフキ。

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伊織の部屋にて紀保

「ごめんなさい。この町の再開発、進めているのは父の会社に間違いないみたい。
 でも私はどうすることも..」
「別に俺はあんたや羽村さんを責めるつもりはない。
 できるならみのりのことがハッキリするまで取り壊しを待って欲しい
 そう思ってるだけで。」
「そのことだけど、いいこと思い付いたの。」

と伊織にメモを見せてもらう紀保。

「知り合いの弁護士に頼んでみるわ、何か理由を付けて。
 そうすればその番号の相手は誰かきっと分かるはず。
 だからそのメモ、しばらく預からせてもらえないかしら?」
「だけどこれは犯人に繋がるかもしれない唯一の証拠なんだ。
 だったら番号メモして。」

「私が信用できないの?私はあなたの同志なのよ。」

しばらく見つめ合い、渋々メモを紀保に渡す伊織。
メモをハンカチではさみ微笑む紀保。←この時の紀保の微笑み、可愛かったっす。

まさかこれが伊織のいう
「(今回の場合は、紀保が伊織の)愛を利用した」ってやつですか?違うか。

「だけどずいぶん静かね。私たちの他には誰もいないみたい。」
「今お盆休みでみんな実家に帰ってる。」
「ああ、それで。あなたは?どうするのお盆は?」
「明日にでもおふくろに会いに行こうと..フキさんと一緒に。あんたは?」
「明日は新居に父を招いて三人で食事をするつもりよ。」
「そっか。」

「じゃあ失礼するわ。」
「そこまで送ろうか?」
「平気よ、一人で帰れるから。」
「紀保!」

一瞬動きが止まる紀保。
↑どうも紀保は伊織に名前で呼ばれるのに弱いみたい。

「そのメモ、乾龍一じゃないこと祈ってる。」
「ありがとう。さよなら」

紀保の後を追いたそうな伊織→我慢我慢。

夕顔荘を出て一度振り向き
「さよなら」と呟き夕顔荘を後にする紀保。

==

みずえの施設にて伊織&フキ。
千羽鶴を見つめるご機嫌なみずえ。

「見て、これ。奇麗でしょ?」
「ああ。きれいだね。自分で繋いだの?」
「うん。」

フキを見て「こちらは?」

「フキさんだよ。」
「フキ..さん..」←フキのことはどうしても覚えれないみずえ。

「お久しぶりです、お母さん。お元気でした?」
誰だか知んないけどきれいなお嬢さんね。伊織。」
「俺たち結婚するんだよ?この前も紹介しただろう?」
「けっこん..」

「見て下さい、お母さん。
 この前、仮縫いの時に撮ってもらったんです。」

とドレスを着たフキの写真を見せるフキ。

誰だか知んないけどきれいな花嫁さんねぇ〜。」

二枚目の写真を見るみずえ、固まる。

目の前の女は誰だか知んないけどこの人は?」

写真には紀保の姿が。

「ああ、彼女はこのドレスを作ってくれた人です。」

暫く見つめた後、写真を凄い勢いでフキに返し

「ごめんなさい。誰だか知んないけど許して、ごめんなさーい。」

と布団に潜り込むみずえ。

「母さん、、誰も怒ってないよ。」

「ごめんなさーい。」を連発のみずえ。
「母さん?」顔を見合わせるフキと伊織。

==

新居にて引き出しにしまってた薬の瓶を探す龍一。

「何してるの?」
「ちょっと探し物。」
「探し物って?」
「あ〜あったあった。」と適当に誤魔化す龍一。

ピンポーーーン そこへ高広登場。

「君達、婚姻届はどうした?」
「それが忙しくてまだ..」
「お互いの戸籍謄本をとるのに手間どってしまって。
 社長もいらっしゃることだしサインだけでも..」
「えっ?(一瞬固まる紀保)えっええ。そうね。
 お父様に立ち会っていただくのはいい考えね。」

署名しようとする龍一にガラスペンを差し出す紀保。

「これは?」
「ガラスペンよ。買ったばかりなの。」

と高広を見る紀保。ガラスペンを持つ龍一

「どうしてまたこんなペンを?」
「新しいペンの方がいいと思って。」

とインクのふたをあけ「どうぞ。」と紀保。

インクにペンをつけ書こうとしたら

「待ちなさい。大事な婚姻届だ。
 できれば割れないペンの方がいいね。」

とポケットから万年筆を取り出す高広。

「ありがとうございます。
 君には悪いけど社長のおっしゃる通りだと思うよ。」

とガラスペンを置く龍一。

「そうね、お父様がおっしゃるなら。」と紀保。

署名捺印する二人。婚姻届を広げ

「おめでとう。二人とも。
 龍一君、これからは私に代わって紀保をよろしく頼む。」と高広。

「はい。」
「私はいつだって二人の幸せを心から願ってるよ。」
「ありがとう、お父様。」

高広にもたれ手を握る紀保。←なんか違和感。つーかキモイ。

==

浮舟にて、蔦子に権利証を返す護。

「心配しなくても何も手を付けてない。
 この店はねえちゃんのものだ。」
「ここはあんたにあげるって決めたんだ。
 好きにすりゃいいじゃない。」
「かわいくねえなぁ。
 あんまし強がってると嫁のもらい手がなくなるぞ。」
「お生憎様、好きな人の前ならかわいくなるのが女ってもんでね。
 人のことより自分のお嫁さんの心配するんだわね。」
「ここ、置いとくぞ。
 また誰かに持っていかれないように大事にしまっておくんだな。」

「護!」
「なあ姉ちゃん、いいから自分の幸せ考えなよ。
 姉ちゃんが幸せになったからって誰も迷惑しねえさ。
 正々堂々幸せになればいい。
 俺は確かに半端もんの出来の悪い弟だけどよ、
 それでもねえちゃんの幸せ願う気持ちだけは半端じゃないから!
 それだけは信じてくれ。」
「護、、」

==

夕顔荘の中庭から月を眺める伊織。

==

寝室で眠る龍一を突っ立って見る紀保。その手には握りしめた瓶が。

==

自室にて布団を敷く伊織、紀保とのやりとりを回想中。

『『そのメモ、暫く預からせてもらえないかしら』』
『『だけどこれは犯人につながるかもしれない唯一の証拠なんだ』』
『『私が信用できない?私はあなたの同志なのよ。』』

「紀保...」

==

アトリエKにて黒い帽子に黒のコート姿の紀保。
伊織から預かったメモを燃やす。

====つづく====

伊織の推理では杏子→龍一→紀保の順で犯人候補になってますけど
結局どれも外れってことになりそうですよね。
伊織って勘がよさそうなので推理は当たると思ってたんですけど
何だ?この外れっぷりは。
黒い帽子に黒いコート着せて回想してるだけ。
むしろ黒いコート着せられた奴は犯人じゃないってこと?

加賀が知ってることさっさと全部喋ってくれたらいいのに
小出し小出しにするからこうなっちゃってんですよね。
加賀が刺されて入院してるくらいの時、私の中での犯人第一候補は加賀でした。
加賀の言ってる事が全部嘘で単純な伊織&紀保探偵ペアが真に受けて、、みたいな。

紀保って加賀から聞いた名前だけで全て分かったってことですよね?
そんな単純なことだったの?
でもガラスペンで龍一か高広の反応を見てたようだし
確実に何かを掴んでるわけではないのか?
これから高広とみずえは何かしら関わってきますよね。
みずえの反応が明らかにおかしいし。
夕顔荘中庭にて伊織&龍一。

「この一帯を再開発したがってるのは羽村エンタープライズだと聞いた..」
「根も葉もない噂だ。」とごまかす龍一。

「俺はあんたが羽村社長に頼み込んだのかと..
 みのりの死は自殺じゃない。あんたが殺した。
 だから一日も早くすべてを消してしまおうと、、それがあんたの目的だ。」
「ハッハッハッハー
 全く、この暑さでどうかしたんじゃないのか?
 少し頭を冷やした方がいい。
 再開発する話だって蔦子さん達に聞くまで知らなかった..」

「嘘だ!あんたは社長の娘婿だ、知らなかったはずがない。
 知っててさも味方のような顔して調停役を引き受けた、違うか?」
「確かに僕の妻は羽村社長の一人娘だ。
 だがそれがどうした?ひょっとして個人的な嫉妬か?」
「なにぃ?」
「分かってるんだ。君が今でも紀保を好きだと言うことは。
 だから何が何でも僕を犯人に仕立て上げて彼女を奪いたい、そうだろ!」

龍一の胸ぐらを掴む伊織。

「だが、どうあがこうと紀保が君のものになることはない。
 潔く諦めるんだな。」
「今は彼女の話をしてるんじゃない。みのりの話だ!」
「だったら余計諦めろ、彼女は自殺だ。」

龍一に殴り掛かりそうな勢いの伊織。

「伊織さん!何してるの!バカな真似はやめて!」

恒例のいつの間にか出現のフキ、登場。

「いいから邪魔すんな!」
「ダメ!」

と言って龍一と伊織の中に割って入るフキ。
龍一を背に両手を広げ

「どうしても手をあげたいなら私を殴るのね!さあ!」←ぶん殴っちまえ!

と龍一を庇うフキ。

「いつかきっと証拠をつかんでやるからな。」と去る伊織。

==

アトリエKにて杏子&紀保。
羽村社長に会わせてもらいたいと伊織登場。

「例の再開発、裏で羽村エンタープライズが動いてるそうだ。」
「えっ?」
「その件でどうしても会って話たいことが..」

父の仕事に口を挟みたくないから力になれないと断る紀保。
帰ろうとする伊織、そこへ高広登場。

伊織と高広、二人きりにして部屋を出る紀保&杏子。

「いいんですか?二人きりにして。」
「いいのよ。二人とももう大人なんだから。」
「でも男なんて所詮子供の成れの果てですから我侭で乱暴でそのくせ臆病で」

↑こんなことを言う杏子って一体過去に何があったんだ?
そっちの方が興味ある。



伊織&高広

「それで私に話とは?」
「御社が計画中の再開発について..
 中止は無理だと仰るのならせめてみのりの事件が解決するまで
 あの町を取り壊すのを待っていただけないでしょうか?お願いします、ペコ」
「何のことだか私にはよく理解できないが
 みのりさんの事件なら既に解決済みのはずじゃ..?」
「ですが、自殺ではないと言う新たな証言が..
 それが事実かどうか今一度事件の真相を確かめたいんです。」

「その証言とは?」
「それは申し上げられません。
 ですが社長は以前、僕に何かあれば必ず力になると..
 今はその言葉にすがるしか..ぺこり」
「もちろん、私にできることがあれば喜んで力になろう。」

なぜかここで伊織を羽村グループにスカウトする高広。

「私はね、君には幸せになってもらいたい。
 父親の伊久馬の早すぎる死、お母さんの病気の看護、
 妹のみのりさんの自殺、君にはこれまで不運なことが多すぎた。
 だが人間だれしも不運な目に遭うことが不幸なのではない。
 不運にいつまでもこだわって乗り越える努力をしないことが不幸なのだ。
 君には是非不運を乗り越える強い意志と力を持ってほしい。」

高広って、みのりが伊織の妹って知ってたっけ?
龍一が喋ってるか。

「それはつまり不運を乗り越える力のないものは不幸になっても仕方がない、
 そういうことですか?」

普通なら頷きそうな話でも伊織は噛み付きますね〜。
そう簡単になびかない伊織、さすがひねくれ者。

「ああ、そうだね。」
「生意気なようですが世の中には強くなろうとしても
 どうしてもなれない人間が大勢います。
 社長が仰るようにそういう強い人間の論理を与する気はありません。
 失礼します。」退場伊織。
「気が変わったらいつでも来なさい。待ってるよ。」←多分伊織には聞こえてない。

伊織が去った後、高広&紀保

「あの町を再開発する計画があるって本当なんですか?」
「あの町にかかわらず再開発の計画は世界中のあちこちで進行中だ。」
「でしたらその中の一つくらい少し進行を遅らせても
 さほど問題はないんじゃ..?」
「紀保、私はこのアトリエの出資者だからといってここの仕事に関して
 君の足を引っ張るような真似はしてこなかったつもりだ。
 勿論これからだってそんなまねはするつもりはない。」

==

浮舟にて和美たち。

「要するに、何が大事かなんてみんなよく分かっちゃいないのよ。
 なくなってしまった後でようやく気が付くの。人生に大事なものは何なのか。」
「紀保さんに頼んでみるってどうかしら?
 お父さん、羽村エンタープライズの社長でしょ?」

そこへタイミング良く紀保登場。
高広に再開発をやめるよう頼んでほしい言われ困惑顔の紀保。

蔦子から診療所を閉めるという話を聞き早速診療所へ行く紀保。
荷物を整理してる加賀&護。
紀保も一緒に荷物整理してるところに雉牟田軍団登場。

「俺を狙ったやつがいて、かわりにこいつが刺されちまった。」

加賀を刺した犬山が刺されたようです。
急いで白衣を着て治療する加賀。

「護、今すぐ救急車!」

電話しようとする護をナイフで脅す雉牟田。

「刺すなら刺せよ。けどその前にとっととずらかるんだな。
 警察に通報されちゃ困るんだろ?
 雉牟田さんよ、俺本気だぜ。」
「治療代だ。」と財布を置いて去る雉牟田。←実はへタレ。

救急車で運ばれた模様。
ひと段落したところで雄介登場。

「この前の話だけど契約書持ってきた。」
「ああ、それだが悪いが先に延ばすことにした。」
「先に延ばすってどれぐらい?」
「まぁそうだな、20年かそれとも30年か。
 またその頃になったら来てくれ、悪いな。」
「それじゃ売る気はないって言ってるようなもんじゃん。
 今さらそんなこと言われたって俺だって引き下がれねえよ!」

そこに護登場、雄介を外へ連行。
雄介に土下座する護。

「すまない。この前お前に渡した浮舟の権利証、
 あれ返してくれ。頼む。お前には悪いがこの通りだ。(土下座中)」

雄介、護の胸ぐらを掴み

「何だよ今さら..
 二人ででかい仕事しようってあれほど約束したじゃんか。
 テメェ裏切るのか?」
「面目ない。けどお前だってこの町の将来のためとか言いながら
 本当は誰かを見返したいだけなんだろ?
 この町にデカいビルを建ててそれで自分の力を示したい、
 たかがそれだけの事なんだろ?」
「たかがって言うな!たかがって!」

「そんなもの、俺に言わしたら博打で稼いだ金と同じだ。
 上手くやったつもりでもそれ以上に裏で稼いで笑ってるやつがいる。
 所詮、お前は駒にすぎないんだよ。俺は、ようやくそれが分かった。
 だからここからもういっぺんやり直したい。
 そのためにはどうしてもあの権利証が必要なんだ。だから頼む。(土下座)」

「なんだよ..でかいのは図体ばっかり..
 肝っ玉ときたら全く象の尻尾の先の毛ほどもねえんだな。
 見損なったよ..」と去る雄介。←追いかける護。

診療所にて加賀&紀保。

「先生にお尋ねしたいことが。」

と龍一が服用してる薬の瓶を見せる紀保。

「分かってるだろうがこれは精神安定剤だ。
 疲れてイライラした時や眠れなかった時に飲むと効果が..
 しかしどんな薬でも素人判断で勝手に飲んだり
 むやみに服用したりするのはよくない。」

「よくないって、例えば?」
「強い依存症が起きたりあるいは脳にダメージを与えたり
 まあ一種の麻薬みたいなもんだなぁ。
 とにかく、早いとこ医者に見せた方がいいかもしれないな。」
「はい。」

トゥルルルル〜(紀保の携帯の着信音)

着信音に反応する加賀。

「ちょっと失礼します。はい、紀保です。ああ、そう
 ええ、後は帰ってから。それじゃあ。プチッ」

紀保が通話中、何か思い出してる風の加賀。

「すいません。私そろそろ。」と帰ろうとする紀保。

「ああ、そう言えば、あの子とココで話してた時も電話がかかってきた。
 ちょうど今みたいに..」
「電話ってみのりさんに?」
「うん。まぁその時は別に気にもとめなかったんだが
 どうやらその相手と会う約束をしてるようでね。」
「誰でした?その電話の相手って、、」
「そういえば電話の途中で一度だけその相手の名前を呼んだな、、
 女だったよ!」
「女?」
「名前は、、確か、、」



診療所に入ろうとする伊織。



「その名前、、先生がお聞きになったのはその名前で間違いないんですか、、」

加賀から名前を聞き驚く紀保。

「間違いない。確かにみのりはその女と会う約束をしていた。
 あの子が亡くなる少し前だ。」

====つづく====

浮舟にて再開発に反対派(和美たち)vs賛成派(雄介たち)でバトル。
反対すると思ってたフキまで賛成派に。
雄介vs和美、

「いい加減俺ら若い世代に任せてくれないかな?時代は川の流れと同じ。
 いつまでも一つのところに留まってちゃ濁って腐っちまう。」
「うるさいッ!!!
 だからっていつも流れてるばかりじゃ魚だって住めやしないんだよ!」
「そうだ!」←ジジイも応戦

「大体、一人で大きくなったような顔して誰がオムツ替えたと思ってんの?」
「その内あなたの、替えてげますから」
「ありがとう、ペコリ..じゃないんだよ!この罰当たり!」

とひとりボケツッコミを披露する和美なのである。
そこへ龍一登場。
再開発計画の賛成派と反対派の調停役を任されたようです。

==

夕顔荘にて伊織&龍一。

「不景気の時期に再開発なんて誰が..」
「再開発をきっかけに土地が整備されればそれはそれで結構なことだと..」
「あんたは賛成派か。」
「アハ〜ッ、そうじゃないが..
 まっ、要は開発企業との交渉次第だという気も..」

龍一にビールを勧める伊織。

「まだ日は高いよ。」と断る龍一。
「世の中盆休みだ。それともまだあの薬を?」
「フッ。いただくよ。」と仕方なく飲んでる風の龍一。

龍一、高広との会話を回想。

『『再開発計画?』』
『『今はグループの関連会社に命じて土地の買収を進めている.
  一日も早く交渉が進展するよう君にも水面下で動いてもらいたい。』』

『『分かりました。ですがまさか社長が
  あの夕顔荘一体の再開発をお考えだとは少々驚きました。』』
『『驚いたのは私だ。聞けばあそこはあの被害者が住んでいた所だそうだね。
  君を窮地に追い込んだ因縁の場所でもある夕顔荘を
  この地上から永遠に消してしまう役目を与えようと言うんだ。
  君以上に相応しい人選はないと思うが、どうかね?』』


「ところでちょっと聞きたいんだが
 大家が立ち退いてくれって言ったら従うしかないんだろうか?」
「それが正当な理由なら弁護士としてもちろん力になるが
 だが友人としてはあまり賛成できないな。」

龍一、伊織を『友人』と言う割には裏では『あの男』呼ばわり。

「新しい工場だってもうじき完成するんだろ?
 これを機にフキさんと一緒に新しい土地で新しい人生を始めた方がいい。」
「ところで、あんた生まれはどこだっけ?東京?それとも」

とサラッと聞く伊織。警戒してるふうの龍一。

==

アトリエKにてセリから夕顔荘取り壊しを聞く紀保。

「私、あの町が鬱陶しくて早くうちを飛び出したくって
 いつかみんなを見返してやるって思ってたのに
 いざ、なにもかもあの町ごと消えてしまうと思ったら何か妙な気分。
 私、やっぱりあの町のこと好きだったのかな〜?」

そんなセリの言葉なんて全く耳に入っておらず
一人空想の世界に入ってる紀保、ポカ〜ン。

==

新居にて龍一&紀保。

「そんなこと、誰に聞いたの?」
「セリちゃんよ。あの町が無くなるなんて何だか寂しいわ。
 あそこに住んでる人たち、みんな気持ちのいい人ばかりで
 七夕にはみんなで山車をつくってね近所の神社に奉納して」

紀保の話に全く興味ねえ龍一、パソコンに夢中。

あまりに無反応なので紀保、「ココアよ。少し休めば?」と龍一に差し出す。

「ありがとう。」

ピコーン(メール受信の音)

「またNYから?」
「うん。電話だと言った言わないの水掛け論になるがメールなら証拠が残る。
 おかげで便利になったようなやたら窮屈になったような。」
「ところで龍一さん、あなたが生まれたのは東京だったわよね?」
「そうだよ。だが厳密に言えば横浜だ。」
「横浜?」←一応すっとぼける紀保たん。

「僕が生まれた時、父は単身赴任中で母は実家のある横浜で僕を生んだ。
 それから一年あまりして父が戻って東京で暮らすように..
 それがどうかした?」
「ううん。でも初めて聞いたわ。横浜で生まれたなんて。」
「僕が話すのは今日これで二回目だ。
 実は同じことをある人にも聞かれてね。
 それが誰か言わなくても心当たりがあるはずだ。」

と紀保を見つめる龍一。

「そう、偶然ね。」と笑顔でごまかし「ごめんなさい、お仕事の邪魔して。」

とシラーーッと去ろうとする紀保を呼び止め

「君もあの男も僕がどこで生まれたかどうしてそんなに気になる?
 二人でまた何をやってるんだぁ?
 言うんだ紀保ぉ!」と紀保の腕を掴む龍一。

「君はまさか今でもあの男を、、そうなのか?」
「そうって何が?第一あの男って」←すっとぼける紀保たん。
「好きなんだろ?瀬田伊織が。ハッキリ言ったらどうだ!」

紀保の肩を掴み

「今でもあの男と二人っきりで会ってるんだろー!
 会って何をしてる?言うんだぁー!」
「放して!」

パッチャーーーン(紀保の持ってたコップが落ちた音)

「ええ、会ってるわ。会って話をしてるの。それだけよ。」
「それだけって。君は僕の妻だ。
 僕以外の男と何を話す必要がある?言えよ!何もかも話すんだぁぁ!」
「よして!龍一さんこそ、私に何か隠してることはない?あるなら話して!」

「聞いてるのはこっちだぁぁぁ!!!」

再び紀保の肩を掴み

「言うんだぁー!あの男と何をしてるー!今日も二人で会ったんだろぉー!」
「やめてぇ!!」と龍一を払いのける紀保にビンタしようとする龍一。

手は「私、やりました」的な手の開き具合です。
ショックで寝室へ駆け込む紀保。

それにしてもベランダの窓全開で丸聞こえですよ。

龍一は引き出しから例の薬を取り出しバリボリと噛み砕いております。
しかもそれをココアで飲んじゃいましたよ!←どうなの?

==

伊織、みのりの部屋にて遺書を眺めながら

 “ みのり、お前は誰が何と言おうと自殺じゃない。
   そうだろ?あいつだ。あの男がお前を! ”

遺書を引き出しにしまって考え事をしようとしたら

「伊織さん、、」

また今日もいつの間にやらフキ登場。

驚く伊織。←そりゃそうだ。

「私のこと、怒ってる?
 勝手に工場を手渡すなんて決めちゃって。」

今は怒りより驚きの方が大きい伊織、無視。

「でもそうした方がいいと思ったの。この場所を離れない限り、
 伊織さんはいつまでも一年前のあの夏から自由になれないもの。
 幸せになりましょう」

と手を添えるフキ。

「亡くなったみのりさんの分まで..」

フキの手を握る伊織←もたれかかるフキ←押し倒す伊織

スキス〜まであと数ミリってところでみのりのことを思い出し飛び起きる。

「悪いフキさん。あの夏に決着をつけるまでもう少しもう少しだけ
 俺の好きにさせてほしい。」とダッシュで退場伊織。

残されたフキ、婚約指輪をサスサス。
フキってこういう惨めな役似合うな〜。

==

寝室にて電気もつけずお通夜モードの紀保。
そこへ龍一が謝りに。

「このところ、気の抜けない事案が多くてね。
 だからって仕事のストレスを君にぶつけるなんて最低だ。
 申し訳ない。」
「私の方こそ、ごめんなさい。
 でも無理しないで。私心配なの。」
「ありがとう、紀保。」

スキス〜後、またまたいい感じのところで龍一、
みのりとの事を思い出し慌てて部屋を出る。
頭を抱え座り込む龍一。

==

診療所にて護&加賀。
護、ピンクのフリフリエプロンつけて朝食の準備をしてたようです。
そこへ雄介登場で加賀、

「お前の言う通り、廃業してここを手放すことにした。
 ついてはできるだけ高く買ってくれよ。」
「もちろんだよ、俺に任せてくれれば絶対悪いようにはしないから。」
「けど、いいのかよ?廃業するって、、」と焦る護。

「ここらがいい潮時だ。」と朝食にいく加賀。

「どうよ、ここ最後まで手こずるんじゃないかと覚悟してたけど
 案外呆気無かったな。」と笑顔の雄介。

しかしフライ返しにピンクのエプロンつけた護は困惑顔。

==

浮舟にて蔦子に、加賀が診療所を廃業することを伝える護。

「あの土地、できるだけ高く手放して、
 どっかの温泉地にでも行ってのんびり余生を過ごすってよ。
 この店の権利証、黙って持ち出したのは悪かったが
 できるだけ高く売るつもりだ。
 その金持って、なんなら先生の後でも追いかけるんだな。」
「何言ってんのよ、心配しなくてもここの権利証はお前にくれてやるよ。
 遅かれ早かれそうするつもりだった..だから私のことは気にせずに..」
「いいから、たまには俺の言うこと聞けよぉ〜!
 今までさんざん俺や紅夏のために苦労してきたんだ。
 これからは少し位自分の幸せ考えろよ。
 これでも俺はあんたの」

しばし見つめ合い

「いいよ。勝手にしろよ!」

と出て行こうとしたら大慌てで和美が登場。

「それが分かったのよ!ハァハァ〜。とにかくお水!ハァハァ」

と相変わらずオーバーな和美なのである。

==

龍一のパソコンをチェックする紀保。

 “ 疑いたくはない。でも何かが起きてる。
    龍一さんの身になにかが。 ”

引き出しから瓶を発見し

「精神安定剤..龍一さんいつからこんなもの..」と不安な表情の紀保。

==

浮舟にて水をがぶ飲みする和美。
落ち着いたところで本題。

「分かったって一体何が?」
「それが例の再開発。ありとあらゆるツテを頼って調べてきたの。
 長年培った不動産屋のネットワークを駆使してさぁ。ハァ〜ハァ〜
 なんでもこの辺りの土地を買収してるのはミツボシケンセツっていう
 小さな会社でね、でもその後ろには、、」

と周りを見渡す和美。護がいたので店先に移動し

「ミツボシケンセツの裏で操ってるのは、、
 なんと、、、」

そこへ伊織登場。

「あっ!伊織さん!ちょっとちょっと。
 例の再開発、裏で動いてるの、誰か分かったのよ。
 ほら!あんたもよく知ってる、紀保さんのお父さんの会社!」
「羽村エンタープライズ..」
「そうなのよ!」

と一同驚いてるところにひょっこり龍一登場。←みんな龍一に注目

「おはようございます。みなさん、どうかしましたか?」

龍一を見つめる伊織。

====つづく====
「どこか具合が悪いんじゃないの?」と声をかける紀保。
「いやちょっと疲れただけさ、夏バテかな?」と誤魔化す龍一。

「それより婚姻届、お互い本籍地が別のところにあるから
 戸籍謄本が必要でね。僕の方で手配するから
 届けるのは少し待ってもらっていいかな?」
「ええ。もちろん構わないけど。」
「さっ、あともう少し。
 返事を書いたらもう休む。悪かったね、心配させて。おやすみ。」

渋々寝室へ戻る紀保、伊織の言葉を回想中。
『『みのりの本気が乾龍一に殺意を起こさせたんだとしたら..』』
『『一事不再理こそが乾龍一の狙いだったとしたら..』』

「嘘よ..龍一さんが犯人なんて..」

==

浮舟にてご近所さんも集まり雄介から再開発の話を聞く。

「それじゃあ再開発の話は本当だってのかい!
 昨日や今日不動産屋の仕事始めたばかりの素人に任せるなんて
 どうせろくなもんじゃない。騙されてんだよ〜。」と大激怒の和美。

「再開発のどこが悪いのさ。
 ここらでドンと大きな花火打ち上げないことにはこの町に未来はないね。」
「お黙り!あげた花火はいつかは消えてなくなるんだ。
 町づくりはお祭りとは違うの!」

「雄介さんの言うことも最もだと思うけど
 再開発って誰が言い出したの?この町に住んでる人?」

と蔦子が発言したことで
今まで黙りん子だったジジイ達も乗っかってきました。

「そうだ、言い出しっぺは一体誰なんだ?」
「そいつといっぺん話そうじゃないか。」

「まっ、そのうちね。
 再開発しても年寄りが集まれる場所はちゃんと用意しておくからさ。」

と去る雄介、伊織と遭遇。
工作所にて

「伊織さんはさ、もちろん賛成だよね?」
「俺はこの工場を動くつもりはないから。
 ここにはおやじさんの魂がある。」
「よしなよ。今はそんな風に個人の依怗を押し通してる時じゃない。
 この町の将来のためにもみんなでどうすべきか考えなきゃ。
 、、と言っても伊織さんには分かってもらえないだろうな。
 俺なんかと違ってこの町で生まれ育ったわけでもないし、どうせ」
「よそ者だって言いたいのか?」

暫し睨合う二人。

「よして、二人とも。」

毎度恒例になりました、いつの間にか出現のフキ登場。セリも。

「セリから話は聞いたわ。
 雄介さん、ここの土地が欲しいんですって?
 いいわ。」

驚く一同。

「ここは柴山工作所の原点とも言える大切な場所だけど
 でもいいものを作るっていうお父さんの魂さえ持ってれば
 作る場所はどこであろうと同じだと思うの。
 少しでも高くここを買ってくれる気があるなら譲ってもいいわよ。
 そうすれば新しい工場のローンの足しにはなるだろうし。
 セリにも幾らかは渡せるしね。」

「本気なのか?フキさん?」驚く伊織。

「ええ。それでこの町のためになるならお父さんもきっと分かってくれる。」
「さっすがフキちゃん。その通りだよ。
 さっそく具体的な交渉に移りたいからちょっと待ってて。」

と出ていく雄介。

「伊織さんももちろん賛成してくれるわよね?」

となぜか反対してた伊織に賛同をもとめるフキ。

「ここの社長はフキさんだから。」と怒りモードで出ていく伊織。

「いいの?お姉ちゃん?」
「うん、今はもう昔とは違うの。」

==

アトリエKにて、休暇中の杏子の噂話をしてるスタッフ達。
引き抜きやら独立するやら噂し放題です。

そこへ紀保&龍一登場。

「今になって困るわ〜」
「でもこれは事故なんだ。仕方ないよ。」

どうやら空港に向かう途中事故に巻き込まれ
積んでいたレース生地がどれも使い物にならなくなり
杉田様のドレスの仕上がり日までに間に合いそうにないようで
ジタバタしております。

「こうなった以上、代わりの生地を探すしか..
 どこかの輸入会社にストックがあるかも..
 急いで手分けしてあたってちょうだい。」

「はい。」

そこへ「失礼します。」と久しぶりに杏子登場。



机の上に反物を広げる杏子。

「これは?」
「仕事を休んでる間、古い織物の産地をまわってきたんです。
 どれも落ち着いた光沢と品があって。
 これならヨーロッパの生地にも負けない
 格調高いドレスが出来ると思うんですが?」
「やりましょう、杏子。私この生地にあわせてデザインをやり直すわ。」
「(笑顔で)はい!杉田様には私からも事情を話してお願いしてみます。
 必ずいいものに仕上げましょう。」

廊下に出る杏子に声をかける龍一、

「杏子さん、ありがとう。君とは色々あったけど
 これからも紀保のいいパートナーで、よろしくお願いします。ぺこり」
「私の方こそ、すみませんでした。
 紀保さんのこと、お願いします。ぺこり
 でも、デザイナー羽村紀保の一番のファンであり理解者は私ですから。」
「ああ。分かってる。」

ぺこりして退場杏子。

==

浮舟の店の権利証を持ち出した護vs蔦子、けんか勃発。

「いいから返して!
 あのお店は私のお座敷なの!誰にも指一本触れさせるもんか!」
「うっせーなー。俺に任せろっていうのが分かんねえのか!
 先々ねえちゃんの面倒見るのはこの俺しかいねえんだ。
 それが嫌なら自分のガキでもこさえておくんだったな。
 今からでも遅くない。一人ぐらい生んでみたらどうだ?
 えっ?蔦子姉さんよ。」
「お黙り!このバカ!」

浮舟に戻る蔦子、そこへ紀保登場。

「着物のことでちょっとお聞きしたことが、、」

奥で泣き崩れる蔦子。
暫くして落ち着いたのか話し始める蔦子。

「私にも昔、本気で好きな人がいたって話したわよね?
 どこか龍一さんに似たところがある人で
 初めて龍一さんが来た時、あの人が現れたのかと思った。
 やさしくて誠実で頭が良くて龍一さんと話していると
 いつもあの頃に戻ったような気がして心が華やいだ。」

龍一との会話を回想中。

『『龍一さんは東京のお生まれ?』』
『『いえ、僕は横浜の生まれです。』』

「横浜?」
「それにひきかえうちの護ときたら..
 龍一さんと年も違わないはずなのに
 どうしてこうもできが違うのか。情けなくなって。
 でもそれもこれもきっと私のせいなのね。
 好きな相手と別れた後でお腹に赤ちゃんがいるのに気付いてね。
 悩んだ末に親にも内緒で生んだわ。
 でも結局親にばれて言われるままに自分の弟として籍を入れて。」

「それじゃ護さん、蔦子さんの?」
「この話、あんまり情けなくてつい話しちゃったけど
 これっきりお願いだから忘れてちょうだい。
 これは私がお墓の中まで持っていくからって約束したことだから。」

しかーし、浮舟の中で伊織がその話を聞いていた模様。
その後ろで護も立ち聞きしており、ボー然。
去る護を追いかける伊織。

「さっきの話、誰にも言うな。俺はこれまで通り、出来の悪い弟だ。」
「けど本当にそれでいいんですか?」
「いいも悪いも仕方ねえだろ!
 向こうが墓の中まで持っていくって言ってんだ。
 だったらこっちもそうするのが男だろ?
 ええ?そうだろ?そうだって言えよ!」と泣きべそ護。
「そうですね。」←あ、言っちゃった。



浮舟を出た紀保、伊織と遭遇。
夕顔荘の中庭にて

「そう、聞いてたの。蔦子さんの話。」
「けど、護さんが知ってるってことは、蔦子さんには内緒だ。」
「ええ、誰にもいわない。」
「で?その後そっちは?何か変わったことは?」
「龍一さんのことなら別に何も。
 あなたが心配するようなことは何もない。」
「ならいいけど。」
「まだ疑ってるの?」
「そういえば蔦子さん、妙なこと言ってなかったか?
 乾龍一に関すること..横浜生まれとか。
 だが俺が知る限りでは東京生まれのはずだ。」
「ええ。私も龍一さんは東京生まれの東京育ちって聞いてるわ。
 だからさっきも気になって。」
「なのになぜ?蔦子さんには横浜生まれだなんて。
 東京生まれだと知られたくない理由があったとか?」
「理由って?」
「土地勘だ。ここの土地勘があるとこの辺の住人に知られたくなかった。
 中でも蔦子さんは逃げていく人物を見た唯一の目撃者だ。
 だから例え僅かであろうとここに繋がりを持つことを口にしたくなかった。」
「よして。あなたは初めから龍一さんを疑ってるから
 だから何が何でもそうやって彼を犯人に結び付けたがるの。
 でも危険よ、そういう考えは。」
「じゃああんたの考えが聞きたいな。
 乾龍一が犯人ではないと言い切れるだけの合理的な根拠が知りたい。
 ただ信じたくないといってるだけではそれこそ危険だ。」

紀保の両腕を掴み

「あんた自身の身が危ない!」

==

別荘にて高広&龍一。

ラグビーボール、久しぶりに登場です。
高広、キュッキュキュッキュ磨いております。

「この計画は我が羽村エンタープライズにとって
 そしていずれは時期トップの座につくであろう乾龍一にとっても
 今後を左右する大事な一戦だ。キュッキュ
 不用意にボールを落としたりすることのないようしっかり頼むよ。」
「はい。必ず。」

====つづく====

つーか紀保ってさ、つい最近までみのり殺しの犯人探す気満々でしたけど
なんで急にこんなになってんの?
杏子に疑いがかかった時は調べまくってましたけど
龍一になるとどうしてこうなっちゃうわけ?
しかも龍一なんて今まで全く興味もない風な扱いだったのにさ。
ちゃんと毎日これを観てるのに、まるで何日か分を観忘れてたかのような紀保のかわりよう。
ついていけない。(ついていかなくていいけど)


「少しシャンパンを飲み過ぎたようだ。」

と水を飲みにキッチンへ行こうとするがフラフラな龍一。
廊下にある額までズレちまいましたよ。

==

夕顔荘自室にて伊織、推理中。じっちゃんの名にかけて!

  “ 初めから一事不再理が狙いだったとすれば犯人はやはり..乾龍一.. ”

「だとすれば..紀保、、。」

と慌てて携帯を手に取る伊織。

==

寝室にて横になる龍一に水を渡す紀保。

「悪いね、せっかくの引っ越し祝いだったのに。」
「気にしないで。お仕事で疲れてるでしょうに
 私がこき使ったせいよ。ごめんなさい。ゆっくり休んで」

紀保、今更全然気にしなくていいのに。
こき使ってるのはいつものことじゃん。

去ろうとする紀保の腕を掴み

「これからはいつも一緒だね。」と龍一。



朝、出勤する龍一、

「一晩寝たらすっきりしたよ。ごめんね。
 せっかくの休みなのに呼び出されるなんて。
できるだけ早く帰る。行ってきます。チュッ」

去った後の紀保、不安げな表情。そこに伊織から電話。

==

夕顔荘にて職人たちは盆休みで帰省する前に引っ越しの準備をしてます。
そんなルンルン職人たちに伊織

「お前たち、そんなにここが嫌か?
 部屋は狭いし古いけどみんなでワイワイ同じ釜の飯を食って
 同じ風呂に浸かって俺は結構気に入ってるんだけどな。。」

「しょうがないわよ。今はそんな時代じゃないもの。」

毎度のことですが、いつの間にかフキ登場。

「みんなだって彼女ぐらい部屋に呼びたいものね?」
「いや〜あははは」

どう見てもこの職人たち、彼女がいそうにないけど?アハハハ(←乾いた笑い)

「伊織さんもお父さんの部屋の片付け終わったから
 今日にでも引っ越せるわよ?部屋の整理、手伝おうか?
 でなっきゃ勝手に侵入しちゃぞ!テヘッ。
「いいよ、俺はまだ。悪いけどちょっと出てくる。」
「どこへ行くの伊織さん?」

フキの言葉なんて無視して出て行く伊織。

==

浮舟にて、この辺一帯の再開発話の噂でもちきり。
住人たちも和美に知ってることがあるなら教えて、と興味津々。

「そんな話があったら私が知らないはずがないでしょ。
 憚りながら井口不動産といえばこの辺りじゃ一番の老舗不動産ですからね。」

和美が自信満々に答えても蔦子はんは心配なようで

「でもね、夕顔荘を取り壊すって話もあるくらいだし。
 その再開発と何か関係が、、。」

和美の顔から自信、、消える。

==

アトリエKにて伊織&紀保。

「悪いな。今日はアトリエも休みだったんだろ?」
「気にしないで。それでお話って?」

とさっそく本題に入る紀保。
杏子だったらお茶の一つでも出しそうだけどね。

「例のメモの件、本当は『S』ではなく『い』だったとしたら..」
「『い』?乾龍一だっていうの?まさか、あり得ないわ。」

「彼が初めてみのりと会ったと言う大阪でのホテルの話..
 あれは彼がそう言ってるだけで誰も現場を見たわけじゃない。
 みのりを出張先のホテルに呼んだ..それで妊娠して結婚を迫られ..
 みのりの本気が乾龍一に殺意を起こさせたんだとしたら」

「証拠は?そんなメモ一枚で龍一さんを疑うなんてどうかしてる。
 じゃあ、あの遺書は?」
「あれは彼が書かせたんだ。
 けど柏木さんが持ち去ったせいで結局殺人容疑で逮捕されることに..
 だがそれこそが乾龍一の狙いだったとしたら..一事不再理だ。
 一度無罪の判決が出た行為に付いては二度と有罪には問われない。
 だからわざと逮捕された。」

「柏木さんが遺書を持ち出すのは偶然よ?
 あの人が持ち去ったりしなければ、、」
「、、そうだ。持ち去ったりしなければ初めから自殺で処理されていた..
 だが万が一ってことも考え自分に疑いがかけられるよう細工を..
 あんたからもらった時計をわざわざ現場において..」

「いずれにせよ、乾龍一には確信があった。
 自分が逮捕されるようなことになれば婚約者のあんたが
 何が何でも自分を無罪にしようとするに違いない。
 それほどまでにあんたの愛を信じきっていた。
 そしてあんたも彼の信頼に見事応えてくれてた。」

「(笑って)でもおかしいわ。だってあなたいつか言ったじゃない。
 世の中を動かすのは愛より憎しみだって。
 愛なんて信じてないんでしょ?
 そのあなたが何故信じてもない愛を利用したなんて考えるの?
 おかしいわよ。矛盾してる。」
「あんただって事件の真相を知りたいんだろ?
 そのためにもう一度同志になった。」
「だからって言っていいことと悪いことがあるわ。
 これじゃ同志と言うよりまるで仇同士よ!」
「もしあいつが犯人だったら」
「嘘よ!そんなこと信じない!」

「信じたくない気持ちは分かる。
 でも乾龍一には気をつけろ、あいつは」
「帰って!今すぐ帰って!」と伊織を追い出そうとする紀保。

「心配なんだ、紀保。俺はただ心配で、、」

紀保の腕を強く握りしめる伊織←紀保、振り払い

「帰って!私は彼と一緒に生きるって誓ったの。
 もう一緒に暮らしてるの。なのにこんな話、二度と聞きたくない。帰って。」

あっそうですか。さよなら〜

「それでも俺はあんたの同志だ。それだけは忘れないでくれ。」去る伊織。

==

蔦子に事件当時目撃した人物について聞き込みをする伊織。

「確かコートを着てたとか?」
「ええ。コートの襟を立ててこの道を急いで。
 見たところ黒いコートのようだったわね。」
「その男の背丈は?」
「私より大きかったのは確かだけど..
 でもどうしたの?みのりさん自殺じゃなかったの?」
「ええ。まあ」
「どっちにしてもかわいそうな話よね。
 いずれ夕顔荘が取り壊されて噂通りここら一帯が再開発なんてことになれば
 あの事件を知る人もほとんどいなくなっちゃうだろうけど。」
「え?再開発って?なんですかそれ?」
「聞いてなかった?」

驚く伊織。

==

診療所にて雄介&加賀&護
診療所を手放すよう進める雄介&護。

「再開発の話があるようだな?
 それでここの土地を狙ってる、そんなことだろ?」

そう言われ誤魔化すがバレバレの雄介。護にバトンタッチ。

「俺もここは手放した方がいいと思うけどな。
 雉牟田興業と別れるいい機会じゃないか。」
「先生が裏で何をやっていたか、警察にでも知られて
 困ったことにでもならない内にさっさとここを離れた方が利口だと思う。」

「二人して俺を脅そうってか?」
「そうじゃない。おれたちは先生のためを思って。」
「話は分かった。そういう事だったら考えてみよう。
 少し時間をくれ。」 

==

新居マンションにて紀保、伊織との会話を回想中。

「紀保?」龍一帰宅。
「龍一さん、いつ帰ったの?ごめんなさい、気が付かなくて。」

おいおい、どんだけ自分の世界に入り込んでたんだよ!

「お食事は?」

と聞いてはみるものの作ってた気配もない紀保なのだ。

「すませてきた。」
「そう。」←安心したに違いない。

「悪いが今夜中にまとめておきたい書類があってね。
 君はもう休んだ方がいい。明日はアトリエもあるんだろ?」
「ええ。でも何かトラブルなの?」
「まあね。いつものことさ。お休み。」

と半強制的に紀保を寝さそうとする龍一なのである。

==

夜、工作所に入ろうとした伊織、
雄介&セリの話し声が聞こえ隠れる。

「じゃあ、最終的にはここも買収する気?」
「うん。」
「でもお姉ちゃん、そんなに簡単に手放すかな?
 ここは、死んだお父さんとお母さんが苦労して始めた工場だから。」
「だからセリちゃんにも協力して欲しいんだよ。
 フキちゃんがここを手放すよう説得してくれたら
 セリちゃんにも決して悪いようにはしないからさ。」
「悪いようにはしないって?つまりはお金ってこと?」
「それが望みなんだろ?」」

「何してるの?こんな時間に二人で?」またまたいつの間にかフキ登場。

「雄介さんにごちそうになってさ。遅くなったから送ってもらったの。
 また誘ってね。」
「うん。、じゃあおやすみ。」さる雄介。

「セリ?あなた、雄介さんとはどういうお付き合い?」
「どういうって?
 婚約者のいるお姉ちゃんに関係ないと思うけど。おやすみ」

なんだなんだ?フキ、セリと仲良くしてる雄介が気になるのか?

==

紀保、寝室のベッドにて一人空想に浸る。
そこへ龍一登場。寝たふり紀保。
クローゼットから薬を取り出しキッチンにて薬を飲む龍一。

「龍一さん?」

と呼ぶ紀保に驚いて振り向く龍一。

====つづく====

私はてっきり紀保って、杏子のことにしても龍一のことにしても
全て疑った上で観察するという意味で一緒にいるのかと思ってたのに
全然そんなことなかったわけですね?ガッカリ。

「見ての通りこの鍵を外してるの。」と開き直るフキ。
しかし伊織に「何故?」と聞かれ「何故って..」と口ごもるフキ。

「いいじゃんか、どうせここ取り壊すんだから。」

とフキをフォローする雄介。

「それでも今はまだ俺が借りてる。俺の部屋だ。
 勝手な真似しないでくれ。フキさんにも言っておく。」
「違うよ。フキちゃんは早く荷物の整理をした方がいいと思ってそれで..」

またまたフォローする雄介。

「言っとくが俺はここの明け渡しにまだ同意したわけじゃない。
 第一、立ち退く場合は半年の猶予があるのが普通じゃないのか?
 こんなこと、プロのお前に言うまでもないだろうけど。」

とフキ&雄介を睨み部屋に戻る伊織。

==

アトリエKにて杏子&紀保。

「あなたはいつだって私の傍に居ていつも私を助けてくれた。
 それがあなたの愛だと言うことは私にも分かっていたわ。
 そこには友情以上の熱い思いがあるということも。」

なんだ、紀保知ってたのか。

「でもね杏子、愛は策略ではないわ。
 自分の愛を守るために誰かを陥れるような真似をするの杏子らしくない。
 例え自分を捨ててでも誰かを守ろうとする、
 それが愛だと教えてくれたのは他でもない、杏子自身なのよ?
 覚えてるでしょ?またイタリアに居た頃..
 あの時私は初めて見返りを求めない無償の愛というものを知ったわ。
 あの時の杏子を知っているから今だってあなたを嫌いになるなんてできない。
 あなたは私の掛け替えのないパートナーだから。」
「紀保さん...グスングスン」
「愛の形は一つじゃないわ。
 私だって杏子のことを心から愛してる。本当よ。
 この先どうするかはあなたに任せるわ。
 しばらく一人になってよく考えて。」

アトリエを出る紀保、そこには龍一の姿が。

「いてくれたの?」
「どうした?彼女は?」
「ごめんなさい。杏子のしたことは私が謝ります。
 どうか許して下さい。ぺこり」
「僕は君の誤解さえ解ければそれでいい。」
「今夜はこのまま杏子の傍に居たいの。
 彼女の気持ちが落ち着くまで。」

アトリエにて一人泣き崩れる杏子。←泣き声を廊下で耳にする紀保。
 
==

伊織の部屋にて、一人で考え事をしてる伊織。

「S...諏訪杏子...」

『『諏訪杏子のSだというならフキさんだってSよ。柴山フキだもの』』

「フキさんが?」←そうだ、一応疑ってみるものだ。

トントン(来客)

==

工作所にて雄介&フキ。

「伊織さん、きっと私のこと、心の狭い女だと思ったに違いないわ。」

心が狭いというかそういう以前の問題ですね、チミは。

「ハハハ、そんなことないって。
 ってか伊織さんの方こそ心が狭いっていうか
 何かちょっと冷たいっていうかケツの穴がちっちゃいっていうか
 何か豆粒サイズみたいな何か..」
「フフッ。雄介さんって子供の時からいつもそうね。
 人が落ち込んでると決まっておかしなこと言って
 笑わせようとして..
 実際はあまりっていうかほとんど笑えないんだけど。」

フキは常に一言余計(↑最後の一行ね)なのである。

「ハァ〜」←フキの余計な一言のせいで落ち込む雄介。
「でもそんな雄ちゃん嫌いじゃない。」←じゃあ愛してやれ!頼む!

==

伊織の部屋に龍一登場。

「すまない、突然。
 今日は誰かと飲んで話したい気分でね。
 そうでもしなきゃ眠れそうになくて。大丈夫、薬は飲んでない。
 アルコールと一緒に飲んじゃまずいってそれを心配してるんだろ?」

みのりに襲われた時もブランデーに薬を入れられたんですよね?

「ああ、まあ。」
「だが悪かったかな。?そっちこそ仕事で疲れてるだろうに..」
「いや俺もその後、杏子さんのことはどうなったか気になってたし。」
「彼女ならおかげでどうにか紀保の誤解も解けた。
 彼女は紀保のことが好きだったんだ。
 だから僕を紀保から遠ざけようと色々画策して..」
「じゃあそれが目的でみのりを殺しあんたに罪を着せようと?」
「いや、彼女はあの事件とは直接関係はなさそうだ。
 そうならわざわざみのりさんに遺書を書かせたりしないだろう。」
「ああ。」
「どうやら彼女は僕が犯人だと思いたがってたようで
 それで彼女なりに僕の正体を暴こうと..」
「そうか..」
「何だ?随分ガッカリしたようだな。」
「いや別にそういうわけでは..」
「しかし君は未だに事件があった部屋をそのまま残してるそうだね。
 フキさんが心配してた。」←龍一もお喋り。守秘義務は仕事だけ、がモットー。
「フキさん?」
「これから幸せな結婚をしようって時に
 相手の男はいつまでも過去にこだわって
 自分の方を見ようともしない。不安になるのは当然だ。」
「いや、見ようともしないなんてそんなつもりは。
 俺だって将来があるからこそ今ここで過去に決着を付けたい。
 そう思ってるだけで..」
「決着なら既についてる。みのりさんは自ら命を絶った。それが現実だ。」
「しかし...」
「いい加減で忘れろ。忘れるのが無理ならせめて
 考えないようにすることだ。
 考えることさえしなければ何もないのと同じだ。」

==

ソファで眠る杏子にブランケットをかける紀保←の手を握る杏子

「あ、、ごめんなさい。起こした?」
「お願いです。しばらく休暇を取らせて下さい。」
「ええ、ゆっくり休むといいわ。
 その代わり必ず戻ってきてね。あなたの帰る場所はここ。
 ここは私たちの夢の場所だから。約束よ。」

と杏子の手を握り返す紀保。安心したように眠る杏子。スヤスヤ

==

診療所にて加賀&紀保。少し遅れて伊織登場。
伊織と顔を見合わせる紀保。

「さては二人で示し合わせて来たな〜?みのりのことだろ?」
「先生が意識を失う前に言ったことが気になって。」
「さて何から話せばいいか。」

数年前、雉牟田興業の若い男が抗争で腹に銃弾を受け担ぎ込まれた。
雉牟田は警察に通報されたら困るからと処置を依頼。
助かっても一生寝たきりになるくらいの重傷←安楽死させる。
それ以後雉牟田が薬を要求←断ると脅してくる。

「要するに俺は善人ではないがかといって悪人でもない。
 ただ..ただこの上もなく弱い人間だったってことだ。」
「それをみのりに気付かれて金を?」
「最初は2万か3万、やがて20万30万、ついには300万に..
 だから俺はここでもう最後だと念を押して金策に走った。
 だがその金を渡す前にみのりは死んだ。
 これで分かったろ?自殺するはずがないと言ったわけが、、。
 その一方で遺書が見つかったのも事実だ。自殺かそれとも他殺か。
 いずれにしても俺の話は以上だ。何か質問は?」

伊織&紀保が同時に

「先生は...」

「どうした?やけに気が合うんだな、二人とも。」
「先生はみのりを殺したのは誰だと?雉牟田の連中が?」
「いやそれはないだろう。接点はなかったはずだし
 みのりが俺に口止め料を要求していたことも知らないはずだ。」
「じゃあ他に誰か心当たりは?」
「ああ、そうだな、、いやしかしめったなことは言えないよ。
 いやところで紀保さん?この前初めてあんたの婚約者だっていう
 弁護士さんに会ったが、その時ふと気になってな。
 紀保さんも伊織も『一事不再理』って言葉は知ってるよな?」
「一事不再理?」
「それがなにか?」
「いや、、、フッいいんだ。
 あの人は法律のプロだからちょっと気になってな。
 いやあ忘れてくれ。」
「先生、最後にもう一つ。
 みのりは先生からもらった金を何に使うか言ってましたか?」
「言ってた。花嫁衣装だ。」
「えっ?」驚く紀保。

「誰にも負けない花嫁衣装を作る、そう言ってた。」
「花嫁衣装、、大丈夫か?」
「みのりさん、龍一さんと結婚するつもりだったのね..きっと。」

==

伊織、柏木に一事不再理について聞いたみたいです。

『『一事不再理っていうのは憲法で保障されてる国民の権利の一つ..
  人は一つの事件に対して二度処罰されることはない..
  無罪の判決が出た行為について二度と刑事上の責任を問われることはない』』

 
 “ しかし加賀先生、何だって一事不再理なんて、、”

再びメモを見直す。

  “ せめてこれが誰か分かれば、、”

メモを眺める伊織、何かに気付いた様子。

「Sではなく『い』、、。乾龍一?」

==

新居に紀保が引っ越してきたようで
シャンパーン飲みながらいい雰囲気の紀保&龍一。

「そうだ、これ、羽村社長から結婚祝いだと渡された。」

と紙を受け取る紀保。

「見ての通り、羽村社長とうちの伯父のサインもある。
 せっかくだから明日でも出してこよう。」
「そうね。」

えっ?紀保って龍一と結婚する気あったんだ?

スキス〜してこれからって時に龍一、
みのりに襲われた時のことを思い出しフラフラながら猛ダッシュで寝室へ。
例の薬を飲む龍一。

「どうしたの?龍一さん。気分でも悪い?」と寝室に入る紀保。

「いや、大丈夫。」と不敵な笑みを浮かべる龍一に驚く紀保。
目がギンギラギンです、龍一。

「龍一さん?」

====つづく====
フキにみのりが妹であることを告白する伊織。

「それで分かった。
 なぜ伊織さんがここを明け渡す話に乗り気じゃなかったのか。
 みのりさんの思い出をずっと残しておきたかったのね。」
「それだけじゃない。もしみのりが自殺じゃなかったとしたら
 犯人を見つけだすためにも、この部屋は重要な意味を持つ。
 だから今取り壊してしまうわけにはいかないんだ。」
「だったらそのこと、雄介さんに..」
「それはまずい。」
「どうして?」

「もしかすると犯人はまだこの近くにいるかもしれないの。」と紀保。

「雄介さんを疑ってるの?」←フキってアホ?
「このことはあまり人に知られたくない。
 事実がハッキリするまでこのことは誰にも言わないでほしい。」

暫く間を置いて

「分かった誰にも言わない。でも約束して。
 これから私に隠し事しないって。私達結婚するのよ?
 二人の間に何の秘密ももちたくないの。」

ってさフキは伊織の部屋に侵入してスクラップブック持ち出したり
コソコソ秘密ばかりの女です。

==

朝、雄介&フキ。

「どうだった?あの部屋?
 伊織さん、今でもみのりさんのこと忘れられないんだよ。
 うちのばあちゃんも言ってたな。
 生き別れには勝てても死んだ相手には永久に勝てっこないって。
 だからこの際あの部屋は早いとこ取り壊した方が..」
「雄介さん、悪いけど伊織さんとみのりさんはそんな仲じゃないの。
 つまりあの二人..」
「何?どう言うこと?」
「とにかく私からも説得してみる。だからもう暫く待ってあげて。」
「そういうわけには..大家さんにだって都合が..」
「雄介さん!お願い!」

と雄介の腕をギュッっと掴むフキ。

「しょうがないな〜。
 まあフキちゃんにそこまで言われちゃあ..」

「新しい工場の電気図面、どこにある?」と伊織登場。
「今持ってくる。」と去るフキ。

「雄介、お前だろ?みのりの部屋のこと、彼女に喋ったの。
 余計なこと言わないでくれないか?心配かけたくないんだ。」
「フッ。俺にはただ誤魔化してるだけに見えるんだけど?
 別にフキちゃんじゃなくたっていいんだろ?
 死んだ相手の代わりになる女なら誰でも..
 けどフキちゃんを誰かの身代わりにするような真似したら
 俺許さないからね。」と去る雄介。

==

アトリエKにて杏子復帰。スタッフには夏風邪ってことにしてたようです。

「大丈夫?まだ休んでてよかったのよ。」
「大丈夫です。
 それよりあの男、何か言ってました?
 自分は何もやってないとかあれこれ弁解じみたこと言って
 紀保さんに泣きついたんじゃ..?」
「いいえ。何も。
 でも龍一さんのことは私からも謝るわ。本当にごめんなさい。」
「(テンション低めに)そうですか。何も言わないなんて..
 さすがに少しは恥を知ってるようですね。」と憎々しく発言する杏子。

「ですがこうなった以上、結婚は白紙に戻した方がよくはありません?
 何なら私から社長にもお話しして」
「いいの。これは私と龍一さんの問題よ。二人で話し合ってその上で決めるわ。」
「分かりました。(テンション低め)
 でも私は紀保さんの決断を信じてますから。」と笑顔の杏子。

==

工作所にて龍一にみのりの事件のことを相談するフキ。

「れは自殺ではないと考えてる人がいて..」
「伊織君ですね?」
「伊織さんだけじゃありません。紀保さんも..
 あの二人、今もみのりさんの事件に付いて調べてるんです。本当です。
 伊織さんは未だに納得できないらしくて
 みのりさんの部屋も未だに当時のまま残して..」
「それで?フキさんはそれを僕に話してどうしたいんです?」
「それは..
 どうしたらいいか分からないからこうして相談してるんです。」
「では、ハッキリ言いましょう。
 あの二人はあの事件を口実に二人で過ごしたあの夏を今でも探してるんです。
 そうは思いませんか?」
「思います。龍一さんのおっしゃる通り。
 おかげで自分が何をすべきかハッキリ分かりました。」
「勇気を出して。僕はフキさんの見方です。」

とフキの手を握る龍一。

フキ、あっさり喋っちまいました。ウゼッ!もうどうにでもなれコイツ!

いい感じのところに柏木登場。
伊織に、加賀が退院したことを伝える。

==

診療所にて加賀&雄介&蔦子、そこへ護と紅夏登場。

「おう!紅ちゃん。」
「先生、またお医者さんごっこする?」←はい!ぜひして下さい!
「いいねえ、紅夏先生。イヒヒヒ。」←でも変態っぽい。

「ねえ、先生?お邪魔でしょうけど当分の間
 護をここに置いときますからこき使ってやって下さいな。」
「ああ。飯炊き、風呂たき、用心棒もな。何でも言ってくれ。」
「頼もしいな。」

「けどこの際、ここを手放して空気のいい所で
 のんびり体を癒すってのも悪くないと思うけど、どうよ先生?」

さっそく本題に入る雄介。

「ここを手放す?」顔色がかわる加賀。

「あっ、何なら浮舟も手放して二人お揃いでってのは?」

そこへ伊織&龍一登場。

「初めまして。弁護士の乾です。」
「あ〜それじゃアンタが紀保さんの?」
「はい。」

場所を変え護&雄介。

「いくら何でもありゃまずいだろ?
 いきなり手放せ、なんて言ったら警戒されるに決まってる。
 しかも俺の姉さんとお揃いでって..やり過ぎだよ。」
「けどここと浮舟とまとめて手に入ったら一石二鳥じゃん。
 それとなくここを手放す方向に持っていくよう頼んだよ。」
「ああ、任しとけ。」←と言いつつも自信なさげな護。

加賀&龍一&伊織。

「先生を刺した男は事故だと言い張ってます。
 もし先生に刑事事件として争うお気持ちがないようでしたら
 せめて民事で損害賠償を請求しては?」
「そりゃ無理だな。あいつらから金を取ろうとした日にゃ
 こんなケガぐらいで済むもんか。相手が悪すぎるよ。なあ?伊織。」
「いやぁ..でもこのまま泣き寝入りっていうのも何かしゃくな気がして。」
「いいよ、俺は。
 こうして命が助かっただけでもめっけもんだ。
 それにな、世の中全て法律や裁判で割り切れるほど単純じゃなくてね。」
「それはそうですが、、しかし、」
「第一、あいつらは元々法の網をかいくぐるのが商売だ。
 それを法律でどうこうしようなんてのは骨が折れるよ。」

「どうぞ、みなさん冷たいの。」と蔦子登場。一人、テンション低い龍一。

「ところで紅ちゃんどこ行った?さっきまでいたぞ。」

「うわ〜っ!」と出てきてみんなを驚かす紅夏。

紅夏が隠れてたところが気になるようで見つめる龍一。

「何か?」と伊織。
「いや、ちょっと失礼。」と席を立つ龍一。

==

アトリエKにて、紀保からのメモを読む杏子。

【龍一さんのマンションに引っ越す準備があるので先に帰ります】

「引っ越すって..どうしてあんな男と..」

と紙をグチャグチャに握りしめる杏子。
そこへ龍一登場。

「ちょうどよかった。君に話があるんだ。」
「出て行って下さい!私にはお話しすることなんてありません。
 早く出てって!ここは紀保さんと私のアトリエです!」
「忘れたのかい?僕はここの顧問弁護士だ。
 もし社内に巣食う害虫がいれば大事にならないうちに
 退治するのも僕の役目だと思ってる。」
「害虫?それをいうならあなたでしょ?
 お嬢様育ちで人を疑うことを知らない紀保さんの心にちゃっかり住み着いて
 汚らわしいったら。あぁ!虫酸が走る!」
「だからあんな真似をしたのか?君の狙いは何だ?」
「あなたがどう言う男か化けの皮を剥いでやりたかったのよ!
 だけどあなたは弁護士、言葉を操るプロだもの。
 言葉じゃとても勝てっこない。」

いや、十分勝ててたよ?杏子の圧勝でしたよ。

「だから行動であなたの本性を暴いてやりたかった。
 思った通り..あなたは獣よ!私に暴力を振るったわ!
 みのりさんも暴力で犯して妊娠させたに違いない。
 そんな男信用できるもんですか!
 分かったら早く紀保さんの前から消えるのね。
 でなきゃもっと立ち直れなくしてやる。」
「しかし君はなぜそんなに僕を憎む?
 僕が一体君に何をした?」
「何もしないわ..だから憎いのよ!
 あなたはこれまで紀保さんのために一体何をしたっていうの?
 何もしないでただ男というだけで
 当然のように紀保さんの愛を勝ち取るなんて許せない!
 愛してると言うなら私だって..あなたの何倍も紀保さんを愛してる!」

ビリッーー!自分のシャツを引きちぎり

「今ここで悲鳴を上げればどういうことになるか、、分かるでしょ?
 あなたはもうおしまいよ。さよなら弁護士さん。」

と悲鳴を上げようと息を吸ったところで

「やめて!」と部屋に隠れてた紀保登場。

龍一を睨む杏子。

「君の言う通り、言葉より行動だ。
 彼女にはありのままの君を見てほしかった。
 卑怯かもしれないが僕は君を真似ただけだ。」
「龍一さん、お願いだから席を外して。二人だけで話したいの。」

用が済んだらさっさと退場させられる龍一。

跪く杏子。

==

夕顔荘のみのりの部屋の鍵を壊そうとしてる雄介&フキ。

「がっちり付けてんな。
 けどいいの?外しちゃっても?」
「ええ、いいの。」

「そこで何してる?」伊織登場。固まるフキ&雄介。

==

アトリエKにて紀保&杏子

「グスングスン..私紀保さんのことが好きでした..
 イタリアのメゾンで初めて会った時からずっと..
 なのに紀保さんはアトリエを開くと同時に龍一さんと婚約..
 あの頃、二人が目を合わせて微笑む度、
 私がどんな気持ちになったかお分かりですか...
 それでも紀保さんが幸せになれるならと自分を押し殺し
 二人の結婚を心から祝福するつもりでした..
 でも龍一さんが逮捕されて...
 あの瞬間から私の中で抑えていたものが音をたててはじけたんです。
 あんな男に二度と紀保さんを渡したくない..そう心に誓って..
 なのに紀保さんはそれでも別れようとはしなかった..
 みのりさんを殺した犯人まで捜そうとして..
 でも誤解しないで下さい..
 私も紀保さんとは別の意味でみのりさんを殺した犯人を憎んでました。
 なぜって、みのりさんが生きてれば今頃はきっと私ではなく
 彼女があの男から紀保さんを引き離していたはずだから..
 なのに気の毒に死んでしまうなんて..
 あの男です!あの乾龍一が殺したに決まってます!」
「杏子..」

と手と手を取り合う二人。

「あの男がニューヨークに行っていたこの一年間、私は幸せだった..
 思うようにデザインができずに苦しむ紀保さんと
 心を一つにして二人で美しいものを作り上げていく喜び。
 羽村紀保の一番の理解者であり一番のファンは私です!
 愛してるんです..心から..分かって下さい..紀保さん..」

====つづく====
杏子に上衣を着せ「大丈夫よ、何も心配することはないわ」
とマンションを出る紀保&杏子。
一人残された龍一、台所に置いてた薬を再び飲む。

ピンポーン なぜか伊織登場。

==

翌朝、別荘にて杏子&紀保。

「すみません、ご迷惑かけて。」
「あなたさえ良ければ暫くここで体を休めるといい。
 仕事のことは気にしないで。
 何か温かいものでも持ってくるわね。」と退出。

退出した直後、厳しい表情の紀保。
紀保のこの表情からして
龍一と杏子の件も真には受けてないようです。

==

新居マンション寝室にて龍一、うなされております。
台所へ向かうとみそ汁を作ってる伊織の姿が。

「あ〜悪い、勝手に使わせてもらってる。」
「夕べからここに?」
「なんだか具合悪そうだったから。」
「フ〜全く、夕べは迂闊だった。
 自分で自分が腹立たしいよ。さぞ滑稽だっただろうな。」
「冷蔵庫、殆ど空だったから近くのコンビ二に行ってきた。
 (納豆を見せて)食うか?」
「ああ、いい匂いだ。みそ汁なんて何年ぶりかな、、」
「もう時期飯も炊きあがる。」
「今のうちにシャワー浴びてくる。」

なんだか新しいカップル誕生〜!みたいな感じです。

食事中の伊織&龍一。

「しかし、この部屋で初めて一緒に朝食を取る相手が
 まさか君とはね。しかもこんなうまいみそ汁、全くの想定外だ。」

と微笑みあう二人。←お幸せに〜。

「うまかった〜ごちそうさま。」
「おかわりは?」←献身的な妻か!
「そうしたいが、時間がない。
 君はゆっくりしてくれて構わないよ。」
「大丈夫なのか?」
「ん?」
「今朝、キッチンの隅でこんなもの見つけた」

と薬の瓶を出し出す伊織。固まる龍一。

「外国の薬のようだけど..精神安定剤だろ?」
「アハ〜ッ、疲れてリラックスしたい時に飲むんだ。
 むこうじゃ誰で普通に飲んでる。ストレス社会だからね。」
「でも使用するには医者の処方箋が必要なはずだ。」
「自分の体は自分が一番良く分かってる。
 このことは紀保には黙っててほしい。余計な心配かけたくない。」

紀保は龍一のこと何の心配もしてないから安心しな!無関心。

「まぁ、いずれにせよ、あんだが自分自身で解決すべき問題だな。」

「恩に着る。」そんな龍一が気になる様子の伊織。

寝室に戻った龍一、薬の瓶を見て、伊織のいるキッチン方面を見て舌打ち。
薬をクローゼットのスーツの内ポケットにしまう。

==

カフェオレ飲む杏子&紀保。

「夕べのこと、どうして何も聞かないんです?」
「杏子が話してくれる気になるまで待とうと..」
「紀保さんは騙されてるんです、龍一さんに。
 一年前のみのりさんの事件だって本当は何があったのか。
 大阪のホテルで深夜、いきなり彼女が飛び込んできたんですよね?」
「ええ、みのりさんが彼の部屋にいきなり裸足で飛び込んで
 龍一さんに助けを求めたの。」
「でも本当でしょうか?
 龍一さんがそう言ってるだけで事実かどうかは誰にも分からない。
 実際は彼がみのりさんを無理矢理連れ込んで乱暴したのかもしれないし
 それでみのりさんは望まない妊娠をして自ら死を選んだのかもしれない
 あるいは彼女の死も、龍一さんが直接手を下して」
「(立ち上がって)違うわ!それは違う!
 龍一さんはそんな人じゃない!」
「夕べ紀保さんも見たはずです。龍一さんが私に何をしたか。
 彼は嫌がる私に無理矢理お酒を飲ませて、、。
 あれこそがあの男の正体。切羽詰まれば平気で暴力を振るう、
 男なんてそういう生き物です!
 紀保さんは騙されてるんです、あの男に。」
「杏子..」
「人は誰でも事実だから信じるわけじゃない。
 事実であってほしいと思う気持ちがあれば
 どんな嘘だろうと簡単に信じてしまう。
 そういうものなんです!
 逆に嘘であってほしいと思うことは例え事実を目にしても信じたくはないもの。
 紀保さんにだって龍一さんのことは真実かどうかなんて関係ない。 
 自分が信じたいかどうか、、それだけなんです!
 だから私の言うことなんて何を言っても紀保さんには信じてもらえない。ショボン」
「いいわ、杏子。あなたがそこまで言うなら私、自分の手で真実を見つけるわ。」

紀保の顔を見る杏子。

「一年前のあの夏の日に、本当は何があったのか
 どんな事実が姿を現そうと私は決して逃げたりしないと約束する。
 誓うわ。」

==

朝、工作所に戻る伊織。
待ち構えていたのは雄介&フキ。

「おかえり、朝帰りだって?夕べフキちゃん、ずっと寝ないで待ってたんだから。」

もう一生寝ないで待ってろ!

「ああ、ごめん。結局朝まで龍一さんと話し込んじゃって。」
「龍一さん?」
「ああ。工作所の将来とか色々。」
「将来ってことなら、こっちの方もよろしくね。」

と新しいアパートの契約書を渡す雄介。

「その件だけどできればもう少し待ってもらえないか?
 せめて今年いっぱい。」
「どうして?
 伊織さんだって結婚したら夕顔荘にも用ないはずじゃん。
 それとも結婚を先延ばしにする予定でもあるの?」

「いいえ、それはないわ。先延ばしだなんてそんな事、絶対にない。」

と焦った様子のフキ。本当必死。

「一度大家さんに会わせてもらえないか?
 取り壊しを待ってもらえるよう頼んでみる。」
「けどな、、」
「頼む。この話はまた後で。」と退場伊織。

「あ〜んなに取り壊しを嫌がるところを見ると
 伊織さんやっぱり忘れられないのかな?
 フキちゃんはさ、あの部屋入ったことある?」
「あの部屋??」
「その様子じゃないみたいだね。」

==

みのりの部屋にて、引き出しを開けみのりにあげた指輪を弄る伊織。
ふと目にしたお守りに指輪を入れようとしたら中に紙切れが。
取り出してみると

090-1764-××××

「携帯電話?」

裏には『S』の文字が。

「S...諏訪杏子」

「伊織さん!」とフキの呼び声に気付き急いでみのりの部屋を出る伊織。

「何か用?」
「急で悪いんだけどこれから二時間ばかり付き合ってもらえない?お願い!」
「いいよ。」
「ありがとう〜!」と伊織に抱きつくフキ。伊織、無表情。

==

アトリエにて紀保&スタッフ。杏子は休養中。

「仮縫いのお客さまがお見えになりましたがどうなさいます?
 杏子さんのお約束なんです。」
「杏子の?いいわ、私が。すぐにご案内して。」

客がフキ&伊織だとは知らなかったが冷静に対応する紀保。

「今日は彼にも見てもらいたくて無理矢理引っ張ってきたの。
 迷惑だった?」
「いえ、とんでもない。気に入っていただけるといいけれど。」

試着するフキ。そこへこっそりセリ登場。
ドレス姿のフキを見て一瞬固まるセリ。

「セリ!どうしたの?そんな顔して。」
「今一瞬、死んだお母さんがそこに立ってるような気がしたから、、」
「どう?」
頷くセリ。

「伊織さんは?似合ってる?」
「ああ。」
「そう?」

紀保、ハサミを取り出し、腰についてた大げさなリボンをちょん切る。

「(笑顔で)やっぱり思ってた通り。
 フキさんにはこの方がよく似合う。」

みんな納得。←そもそもリボンが似合わないフキって一体、、。

手作りの髪飾りをフキに渡すセリ。

「これ、セリちゃんがフキさんのためにって。」
「指先ついっちゃったりして大変だったんだからね。」

紀保、伊織からこっそり紙切れを渡される。

【話がある。今夜あの部屋で】

==

アトリエにてセリ&紀保。
フキ用の髪飾りをチクチク中のセリ。

「あっ!どうかしたの?杏子さん?
 あの杏子さんが仕事休むなんて信じらんない。」
「少し体調崩したの。彼女急がし過ぎたから。」

といいながら帰る準備万端の紀保、そこへ龍一登場。

「あっ!センセーいらっしゃい。」←セリは誰に対してもノリが軽いのだ。
「悪いが、彼女と二人だけで話したい。席を外してくれるかな?」
「いいのよ。ごめんなさい、私約束があるの。お話ならまた今度」

と出ていく紀保の腕を掴み

「ちょっと待って。夕べのことを弁解する気はない。
 だがどうしても言っておきたいことがある。
 彼女に何を聞いた知らないが僕は潔白だ。信じてほしい。」
「信じたいわ、もちろん。
 でも信じたいという気持ちが事実を歪めてしまうってこともあるって気付いたの。
 だから今は何も聞きたくない。ごめんなさい。」紀保退場。

==

別荘にて、人形を抱きしめ

「紀保さん、、」と囁く杏子。

==

みのりの部屋にて紀保&伊織

「悪かったな、こんな所まで呼び出して。」
「私もあなたに話したいことがあったから。」

ポケットから紙切れを取り出し紀保に差し出す伊織。

「みのりのお守り袋の中に入ってた。」
「電話番号?」
「念のためかけてみたがもうとっくに使われていない。」

裏面を見る紀保。「S」の文字が。

「多分その電話番号の相手だろう。
 S...諏訪杏子。
 みのりを殺したのはやっぱり彼女かもしれない。」
「そうだとしても証拠がないわ。
 諏訪杏子のSだというならフキさんだってSよ、柴山フキだもの。
 だから私、決めたの。今度こそ真実を突き止める。
 誰のためでもない、私自身のために。
 止めても無駄よ。もう決めたの。そのことをあなたに伝えておきたくて。」
「あんたこの前言ったよな?
 真実を突き止めない限り、俺たちは過去から自由になれないって。」
「ええ。例えそれがどんなに残酷な姿をしていようと
 気付かないフリして生きるよりは全て受け止めてそこから前へ進んだほうがいい。」
「だったらやろうじゃないか。
 俺たち、もう一度同志になるんだ。」
「同志?」
「あの夏に別れを告げてお互い自由な心で自分の人生を生きるために。」
「賛成よ。」

と手を差し出し手を握り合う二人。

コンコン

「居るんでしょ?伊織さん、、
 居るのは分かってるの。伊織さんとそれから紀保さんも。」

紀保が伊織を見て頷き伊織が扉を開ける。
フキと紀保が見つめあう。


====つづく====

『S』か『い』か『5』が当てはまりますよね。
どれであろうとも、よくある感じで単純すぎですよね。

もし番号の相手の名前だとしたら『S』のつく名前の人は多すぎるし
『い』がつく名前も乾龍一だけじゃなく井口雄介もはいってきますよね。
惑わすようにいろいろ考えてるんですね。
杏子、紀保が見てる写真に気付き

「その写真、一年前のものですよね?どうかしたました?」
「ええ。ちょっと参考に。」
「それよりどうするんです?マンションへの引っ越しは。
 まだ迷ってるんでしょ?本当に龍一さんでいいのかどうか、、」
「あなたこそ、本当は龍一さん。。。ううん、なんでもない。」

==

新居のマンションにて高広&紀保。
紀保の結婚が近いからと毎日のように高広のオフィスに知り合いから
届けられるという花やら何やらがいっぱいです。

「新居もできたことだし一日も早く一緒に暮らした方がいいね〜。
 それともそうしたくはない理由でもあるのかな?」

あると思います!

「(笑顔で)いえ、理由なんてなにも。
 でもお父様、私がここに越せば世田谷の家に一人で寂しくなるでしょ?
 シャツのボタンがとれたら時はどうなさるの?」←知るか!
「ボタンならお手伝いの山野さんに頼むさ。」
「でもあの人、お裁縫はあんまり好きじゃないんですって。」←クビにしろ!
「じゃあ、その時はここへお邪魔しよう。
 とれたボタンやシャツを山のように抱えてね、フッフッフ。
 私のことはいいからこれからは彼のボタンに気をつけてあげるんだね。」
「(笑顔で)」はい。」←龍一になんて興味なし。

==

浮舟にて和美、夕顔荘を取り壊しを蔦子から聞くまで知らなかったと大激怒。

「大家さんから頼まれたんだよ、直々に。
 俺は井口不動産の四代目だ。
 跡取りの俺が引き受けた、傍からごちゃごちゃ言わないでほしいな。」
「けど何もかも譲って隠居したってわけじゃないんだからね!」
「俺は鵜飼の鵜じゃないからね。
 俺が引き受けた仕事に一々指図しないで下さい。」退場雄介。

「ちょっと!雄介!
 この仕事はね、人の話鵜呑みにしてると痛い目に遭うんだよ!
 よく覚えときな!」

という事はこの話は危険って事か?

挙動不審な護が気になる蔦子。

退場した雄介に柏木が「ちょっと頼みがあって」と話中。柏木退場。
それを目撃した伊織の元へ雄介登場

「どうかしたのか?柏木さん」
「マンション探してくれって。ファミリータイプの。
 あの人、結婚でもするの?人は見かけによらないね。
 あっ!これ、新しいアパートの間取り。職人さんたちに..」

==

アトリエKにて、紀保&杏子&スタッフ(のりこ&ゆかり)ドレスを眺める。

「後ろの飾りが少し大げさ過ぎない?」
「ええ。ですがご本人の希望で後ろは出来るだけ華やかにしたいと仰って。」

そこへセリ登場。

「何なの?見れば分かるでしょ?今打ち合わせ中なの。」と不機嫌な杏子。

ドレスを見てセリ、

「でもそれ、お姉ちゃんのでしょ?
 出来ればこれ、どっかに使ってもらえない?」とコサージュを差し出す。

「これ、あなたの手作り?」
「なかなかやるじゃない。」

ほんわかムードの中、ご機嫌斜めな杏子、コサージュをを手に取り

「そうね。初めてにしてはね。
 できればリング状にして。」と笑顔でセリに返す。

「いい考えね。髪飾りにしてベールにのせるの。そうでしょ?」
「はい。」
「ティアラよりフキさんらしくていいと思うわ。」
「ヤッター!」
「あまりやり過ぎないで。主役はあくまで花嫁なんだから。」
「はい。分かってまーーーす。」

そこへ龍一登場。

「悪かったかな?打ち合わせ中。」
「ううん。何か御用?」
「あっ、契約書がまとまったんでね。後で目を通しといて。」

杏子チェックする紀保

「それからこの週末、マンションに君の荷物を運ぶことにしたからそのつもりで。」

だからそういう話をここでするなって。
チラ見する杏子。

「式はともかく、一日も早く一緒に暮らした方が落ち着いていいだろうと
 羽村社長も仰ってくれたんで。君ももちろん異存はないね?」

一緒に暮らすのも高広の許可がいるのかよ!

「ええ。」と言いつつ紀保→杏子チェック。

龍一たちがドレスを見てる間、蔦子から電話。
そんな紀保をチェックする杏子。

どうも伊織に頼まれ蔦子が仲介役になって紀保に電話したようです。

==

夜、紀保を診療所に案内する蔦子。

「悪かったわね、急に呼び出したりして。
 みのりさんの事件のことで紀保さんと話したいことがあるって
 頼まれたものだから。」

ガラガラガラーー診療所の中から伊織登場

「お互い今は大事な人がいるんだから
 そこんとこは忘れないでちょうだいよ。お願いよ。」
「分かってます、蔦子さん。」
「どうもお世話かけました。ぺこり」

蔦子退場。←雄介目撃。

「それでみのりさんの事で話しって?」
「実は柏木さんは彼女に気があるらしい。かなり本気だ。
 だが手遅れにならないうちに彼女に対する疑惑が少しでもあるなら
 早く払拭しておきたい。」
「柏木さんが、、杏子を?」
「もし、彼女が龍一さんのことを好きだったとしたら
 こういう推理は成り立たないだろうか?
 彼女、あんたと龍一さんとの仲を裂きたがってた。
 そんな時みのりと知り合って、彼を誘惑させた。
 だが妊娠してしまうとまでは思わず仕方なく自殺に見せかけて殺そうとした。」
「では、みのりさんのあの遺書は杏子が書かせたと?」
「多分なにか最もらしい理由でもつけたんだろう。
 なのにせっかく書かせた遺書を柏木さんが持ち去ったために
 結果的に龍一さんが殺人容疑で逮捕されて..
 そこで焦った彼女は龍一さんの無実を証明しようとあんたを利用して、、」
「私がこの町へ来るように仕向けたのも杏子だって言うつもり?
 そんなバカな、、。」
「だが、彼女は羽村紀保の性格をよく知ってたんだろ?
 どうすれば自分の思い通りに動かせるか分かってたのかも..
 それに、いつだったかあんた自分で言ったことがある。」

『『犯人に土地勘があるのは確かよ。
  ここは袋小路だし似たような道はあちこちにあるし
  少なくともここに何度か来た事がある人じゃなきゃ
  道に迷わずに逃げるのはかなり難しいわ。』』

「フキさんが話してた。
 彼女は以前この近所に住んでたことがあるらしい。」
「杏子が?」
「もしかすると懐かしさにこの辺りを散歩していて
 それでみのりと知り合ったって事も。。
 いずれにせよ、諏訪杏子には土地勘がある。」
「杏子が?みのりさんを利用して龍一さんを誘惑させた?
 最後は自殺に見せかけようとわざわざ私の好きなマカロンを?」

椅子に座り込み

「嘘よ、信じたくない。」
「もちろんこれはただの憶測だ。何の証拠もあるわけじゃない。
 だが、彼女ではないと言う確証もない。」

「一年前のあの夏と同じね。
 あの時も、何の確証もないのに事件の真相を探ろうと二人で躍起に..
 それから一年しか経ってないのにもう遥か昔に感じるわ。」
「ただ時間が経っただけじゃない。
 それ以上に俺たちの距離は遠くなったんだ。」

伊織を見上げる紀保。暫し見つめ合い。
そこへ紀保の携帯に杏子から着信。
杏子、口紅をヌリヌリしながら

「実は龍一さんから話があると呼び出されたんです。
 何かいつもと違う感じで、少し気になって」
「龍一さんが?それで杏子はどうするの?
 今から?待って!私も30分あればそちらに行ける。
 だからそれまで待って!杏子?杏子!」プチッ

「どうした?」
「分からない。なんだか様子がおかしいの。
 とにかく龍一さんのマンションに行ってみる。
 話はまた今度。」と出ていく紀保。

「紀保〜!」と紀保を追いかける伊織。
急いではいるけどちゃ〜んと診療所の鍵かけて、、、
、、る間にフキ登場。

「ここで伊織さんを見かけたって教えてくれた人がいたものだから、、。」
「悪い、ちょっと急いでるんだ!」と行こうとしたら

「いやよ!行かせない!」と抱きつくフキ。

==

新居マンションにて龍一、一人でPCに向かい仕事中。
疲れたのか机の引き出しから薬を取り出し台所にて飲む。

ピンポーーーン 来客で薬を台所の引き出しにしまう龍一。

玄関を開けると杏子が。

ブランデーをグラスに注ぐ龍一。

「紀保さんがここで会いたいって?」
「ええ。何でも私たちに大事な話があるそうで。」
「なんだろう?こんな時間に。」
「お仕事中だったんですかぁ〜?」
「ああ。最近は厄介な事案が多くてね..」

ブランデーを杏子に渡す龍一。

「ありがとうございます。あら?龍一さんは?」
「僕はまだ仕事が残ってる。」
「フッ。真面目なのね〜龍一さんって。
 なのにどうして女の人を妊娠させるようなことをしたのかしら?
 吉川みのりさんって言いましたっけ?あの彼女?
 可哀想に亡くなった時は確か妊娠二か月でしたよね?
 もし無事に生まれてれば男の子だったのかしら?女の子だったのかしら?
 龍一さんの赤ちゃん。」
「何が言いたいんだ?君は!」
「ウフフ。別に。」

ブランデー片手に上着を脱ぎながら

「私はただ事実を話してるだけ。」

と言って寝室へ入る杏子。

「一体どういうつもりだ!勝手に入らないでくれ!」

と寝室に入る龍一。
服を投げ付けられキャッチ龍一。←さすが!ラグビーボールもキャッチしたもんね!
目の前にはキャミ姿の杏子が。

「何の真似だ!」

ベッドに足をのせガーターベルトを見せつける杏子。

「あの大阪のホテルで本当は何があったんです?
 裸足の女が勝手に飛び込んできたなんて嘘でしょう?」

ベルトを外そうとする杏子の手を取り

「何をする!よせっ!!」
「だったらあなたが外して下さる?龍一さん?」

と挑発する杏子。

「嫌いじゃないんでしょ!
 あの夜と同じようにすればいい。」

と龍一に抱きつきスキス〜しようとしたら龍一

「いいから出て行くんだ!」杏子の腕を掴む龍一。

「痛い!離して!!」
「だったら早く!」
「いやよ、あなたの指図は受けないわ!」
「ここは僕の家だ!言うこと聞かないなら警察に」

と電話しにいこうとする龍一にブランデーをぶっかける杏子、
そしていきなり

「キャーーーーーー!!!」

驚く龍一。
急いでベッドに上がりシーツをグジャグジャして

「何をするの!やめてぇ〜!」
「何をするのは俺だよ。」
枕を投げ付けたり暴れる杏子
「来ないで!誰か!誰か!助けて!」

そんな杏子を静めようとする龍一。

「龍一さーーーん!!!」すごい剣幕の紀保登場。

「紀保さん、、助けて」と紀保にすがりつき泣く杏子。
唖然の龍一。

「紀保、、違うんだ、、これは、、」
「言い訳なら聞きたくない!行きましょう、杏子。」
「紀保!」

====つづく====

加賀が入院してる間、診療所は使い放題ですね。
「どうぞ〜。毒なんて入ってませんから。」

と紀保にマカロンを勧める杏子。
顔を引きつらせながら「手を洗ってくる。」と廊下に出る紀保、

  〝 まさか、杏子が?、、、でも確かあの時も 〟

ーーー回想中ーーー

アトリエKにて杏子、紀保にマカロンを差し出す。

『『あら〜!デドールのマカロンね!』』
『『紀保さん、お好きだから。』』
『『さすが杏子ね〜。嬉しい。パクッ』』

ーーー回想終了ーーー
  
  〝 そんなハズない。
    だって杏子にはみのりさんを手にかける動機はないもの。  〟


「気分でも悪いの?」と龍一登場。
「アハッ〜。(←いつものにっこり笑顔)
 さては引っ越しの準備ができなくて困ってるとか?」

もの凄い見当違いの龍一なのだ。
引っ越しの『ひ』の字も脳裏にないから。

「アハッ〜、そうなんだね?(←その自信はどこから?NY?)
 荷物よりもまずは紀保が一日も早くマンションに越して来ること!いいね?」
「(浮かない顔で)ええ。」

その話を盗み聞きしてる不機嫌な杏子。

==

工作所にて伊織、夕顔荘取り壊しで今月中には退去、
職人たちの新住居は雄介が手配済みだとフキに報告。

「伊織さんも早くこっちに移ってくれば?
 週末からお盆休みだし引っ越すにはいいんじゃないの?」
「うん。(微妙な表情)」


伊織の携帯に紀保から着信、一応フキチェックしてから受信。
話があるから時間をつくってほし〜の、とのこと。

アトリエにて杏子登場で慌てて電話を切る紀保。
車椅子の打掛ドレスの依頼者:弥生登場。
つい立てをして試着中。
その隙に机の上にある紀保の携帯の着信履歴をチェックする杏子。

ーーーーーーー
8/10 10:05
☎COMPAGNO
ーーーーーーー

「COMPAGNO?...同志..」

紀保に呼ばれその番号を慌ててメモする杏子。

試着した依頼者&紀保&スタッフ、うるうるお涙中。
一人冷めた表情の杏子。
紀保の履歴番号が気になって仕方ないようです。

==

工作所に杏子訪問←嬉しそうな柏木。
フキを呼びに行こうとしたらセリ登場。

「あれっ?どうしちゃったの〜?
 杏子さんがわざわざここまで来るなんて。」
「お姉さんのドレスの打ち合わせに決まってるでしょ。」
「とか何とか言っちゃって〜。
 あっ!ひょっとして柏木さんが目当て〜〜??」

照れる柏木。

「柏木さんって?」

自分の名前を知らなかった杏子にショックで固まる柏木、慌てて自己紹介、

「(何故か正座)柏木誠と言います。柏餅の柏木です。」

そこへフキ登場。
この時の柏木、「チッ!フキが来やがった!いい所だったのに〜」って感じで
自分の太ももバチコーンって叩いてました。ナイス!

「本日はドレスのデザインを決めるにあたって
 ぜひご新郎様のご意見も伺いたいと思いまして..」

伊織登場で打ち合わせ開始。

暫くして杏子、「はい、諏訪です。ええ、そうですが...」と席を外す。

電話に出るふりして紀保の履歴からメモした番号に発信→伊織携帯に着信。
伊織出るが相手は非通知で無言だったので切る。

チラッと伊織を確認して

「はい、分かりました。失礼しました。」と白々しく戻る杏子。

フキ、柏木の恋心に気付いたようで帰り際杏子に

「杏子さんはどなたかいらっしゃるの?
 結婚を約束してるお相手だとか、、」と確認。
「いえ、そんな予定は全く。今は仕事が楽しくて。」と笑顔で返す杏子。

帰る杏子を工作所からコッソリ覗き見してる柏木を見て笑うフキ。


「同志ってやはりあの男だったのね。」と呟き軽く微笑む杏子。

==

工作所から急いで出かける伊織。
雄介が声をかけるが急いでるからとスルー。

「ありゃ〜女だなぁ〜。間違いない!」と護。

さすが護アニキだぜ!(←こういう時だけ)

==

オープンカフェにて伊織&紀保。

「杏子さんが?」
「私も、杏子を疑いたくはない。でも彼女なら
 私がデドールのマカロンが好きだということも早くから知っていたし
 みのりさんと龍一さんの関係に気が付いていたとしても不思議じゃない。」
「でもどうして彼女がみのりを殺す必要がある?」
「それなの問題は。他に誰も相談できる人いなくって..」
「別に俺じゃなくたってあんたの傍には龍一さんが」

「!」と気付く伊織

「ひょっとして彼女は龍一さんのことを?」
「ええ。好きだったのかも..勿論今も。」
「それでみのりを?」
「実は彼女、手紙をすりかえたことがあるの。
 拘置所の龍一さんに渡してほしいって頼んだ私の手紙を
 文章を勝手に書き換えて彼と私の仲を裂こうとしたの。
 本人は私の父に頼まれてやったことだと言ってるけれど本当は..」
「で、その手紙は?今どこにある?」
「ないわ。私が焼き捨てた。」
「焼いた?大事な証拠になったかもしれないのに..」

と苛つく伊織。
つーかチミもスクラップブック焼こうとしてたじゃないか!

「あの時はまさか杏子を疑うようになるなんて..
 もう一度みのりさんの部屋を調べさせてもらえないかしら?
 これはもうあなただけじゃない、私にとっても重大な問題なの。」
「だがあの部屋はもう時期なくなる。秋に取り壊すそうだ。」
「だったら急がなきゃ。あの部屋がなくなれば証拠も何もかも消えてしまう。
 そうでしょ?伊織さん?」

伊織、龍一から言われた台詞を回想。
『『君は事件の真相を探ることで
  紀保と過ごしたあの夏を探してるんじゃないんだろうね?
  だとすれば、ハッキリ言っておく。
  過ぎた季節はもう戻ってはこない。紀保も同様だ。』』

「よそう。あの夏はもう終わったんだ。
 俺たちはもう既に次の季節に向かって歩きはじめてる。
 俺はフキさんと、あんたは龍一さんと。
 みのりの部屋がなくなるのは案外いい機会なのかもしれない。」
「本気なの?本気でそう思ってる?」
「俺はみのりの死から一年かかってようやく自分を取り戻したんだ。
 今さら過去に戻ろうなんて思わない。」

見つめ合う二人。

「(切なそうに)...そう。分かったわ。
 でも私は真実を突き止めない限り過去から自由になれそうもない。
 でもそれは私だけのようね。
 ごめんなさい。お忙しいのに呼び出したりして。」

と伝票を取り去ろうとする紀保の手を伊織が掴み暫し見つめ合い

「ごちそうさま。」

とスルッと手を抜き去る紀保。伝票を掴む伊織。

==

診療所にて雄介&護

「へぇ〜それじゃやっぱり女か。」
「ああ。この目でしかと確かめた。」
「しっかしフキちゃんが居るってのに伊織さんはなにやってんだか、、」
「いいじゃね〜か。これであの二人がくっ付く事になりゃぁ
 フキちゃんがお前に転がり込む可能性も..」
「フッまぁ。」
「ところで、伊織はまだ再開発の話は知らないんだろうな?」
「下手に噂になったりしたら面倒だから
 夕顔荘も古くなったから建て直すとかしか言ってない。」
「しかしこの診療所、あの先生すんなり手放す気になんのかねぇ?」
「それは話の持っていきようだよ。
 加賀先生だって叩けばそれなりに埃は出るんだろ?」
「..まあな。」
「これだけの土地だもん。手に入れないってほうはないよ。」

==

夕顔荘台所にて柏木&伊織。
ビール飲みながら明け渡しの件を話し中。

「実はこの際、マンションでも買おうかと..
 身を固める気があるんだったら頭金くらいだしてやるって
 田舎の両親も言ってまして。
 僕みたいな男はプロポーズするにしても家の一つくらいもってないと。」
「家なんかなくたって柏木さんには理工学博士って言う立派な肩書きが..」
「博士号で嫁さん来るほど世の中甘くないですよ。
 肩書きよりもやっぱり不動産かな?」
「けど、プロポーズって誰かお目当ての人でもいるわけ?」
「へへへ。どうもごちそうさま」と柏木退場。
「ちょっと〜!俺も知ってる人?...誰だろ一体..」と一人グビグビ伊織。

「どうやら本気みたいね。柏木さん。」といつの間にかフキ登場。

「柏木さん、好きな人ができたのよ。諏訪杏子さん。」
「いや、だけど、柏木さんと彼女とじゃ想像つかないっていうか。。」
「そんなことないわ。
 たとえ無理だと思っても強く願えばいつかは夢は叶うものよ。
 私だって伊織さんとこうして。。」

と婚約指輪を見つめるフキ。

「それに彼女、以前はこの近所に住んでたらしいの。
 案外あの二人、とっくにどこかですれ違ってたかもね。」
「彼女が、、この近所に、、?」

と驚く伊織。

==

アトリエKにて写真をパラパラ眺める紀保。
そこにスタッフ(名前はのりこ)

「その写真、去年パンフレット用に撮影したものですよね?
 懐かしい〜あれからもう一年以上も経つんですね〜。」
「この日の事覚えてる?この撮影の後、みんなどうしてたか。」
「この日は確か、一度ここに戻って来て後始末をしてそれから..」

紀保、心の声
  
 〝 あの日は龍一さんも一緒だった。勿論、杏子も 〟


ーーー回想中ーーー

アトリエKにて龍一&紀保&杏子

『『では私ちょっと縫製室を見てきます。
  明日、仮縫いのお客さまがお見えになる予定ですから。』』

と杏子退場。

『『二人の邪魔をしないようそろそろ失礼するかな。モグモグ』』
『『ええ、もう?いいじゃない、まだ。』』
『『あいにく仕事でね。今夜中にどうしても見ておきたい資料があって。』』

うわ〜この頃の龍一&紀保ってラブラブですね。
全く覚えてないけど。

ーーー回想終了ーーー


 〝 みのりさんが亡くなったのはその日の夜 〟

「夜は?9時〜10時頃はどうしてた?」
「その時間ならいつもの店で打ち上げです。」
「杏子もその場にいた?」
「一緒だったと思いますよ。
 それで12時過ぎまでその店で飲んで..
 ん?杏子さん居たかな?居たような気もするんですけど..
 酔っぱらってあまり記憶ないんですよね。」スタッフ退場。

 〝 事件当日の杏子のアリバイはあるとも言えるし、ないとも言える。 〟

ふと顔を上げると笑顔の杏子が。

====つづく====
ベランダから場所を移し玄関で話し込む紀保&伊織。
みのりが最後に口にしたのはマカロンで
その中の一つに毒物が付着していたと伊織から聞く紀保。
視聴者には分かりきってた事ですが主人公の紀保は初耳だったようです。

「でも自殺なら、みのりさんが買ったか誰かに貰ったか..」
「そういえばあの時刑事に聞かれた。
 何とかって名前の店だ、行ったことはあるかって。」
「....デドール?」
「デドール..あぁそうだったかもしれない。」

ガチャ(玄関のドアが開く音)高広登場。←鍵もかけてなくて出入り自由のようです。

「どうした?こんな所で何をしてる?」

気まずそうな伊織&紀保。

==

パーティー終了、帰り際にフキ

「秋には工場の落成式も兼ねて結婚披露宴をやる予定..
 その時は是非お二人揃っていらして下さい。ねえ、伊織さん。」
「でもお二人ともお忙しいだろうし、、」とあたふたする伊織。

「いや、伺いますよ。紀保と二人で必ず。」と紀保の肩を抱き笑顔の龍一。
浮かない顔の紀保も仕方なく「ええ。」と返事。

「ドレスも楽しみにしてます」とフキ、帰る。

さっきまで笑顔だった龍一、フキ達が去った直後

「一体どういうつもり?
 彼等を呼ぶなら呼ぶで事前に一言相談してほしかったな。」

と紀保に文句垂れてます。なぜか謝る紀保。←らしくないぞ。

「私が二人に声をかけたんです。いけませんでした?」と白々しく杏子登場

「いけなくはないが..事前に相談して欲しかった..
 そう言ってるだけだ。」

と不貞腐れ去る龍一。
そんな機嫌の悪い龍一に気付き高広(←まだ居たのか)

「何かトラブルかね?」
「いえ、あの男が来るとは思ってもみませんでしたので。
 社長に不愉快な思いをさせたのではないかと..」
「私のことなら心配ない。それより君はどうなんだ?
 紀保があの男と付き合うの..」
「あまり愉快ではありません。
 ですが狼も姿が見えてるうちは恐くないと言います。
 なので私は私なりのやり方で彼等と付き合っていくつもりです。」
「なるほど。下手に付き合いを禁じて薮に追いつめてしまうよりは
 自分の目の届くところにおいておこうという事か。
 どうやら君はNYでよほど鍛えられたとみえる。←そうか?
 いずれ羽村エンタープライズの後継者になることを思えば結構なことだ。」

なんか龍一&高広って、伊織本人の前だとそうでもないのに
陰では“あの男”って呼んだり見下した言い方をする。
な〜んか嫌な人たち。

玄関前にて杏子&紀保

「いかがです?龍一さんと伊織さん、
 どちらが自分にとってより大事な人か感じるものはありました?」
「私は龍一さんと婚約してるのよ?伊織さんはフキさんと。」
「どちらも選ばないと言う選択もあるんじゃないんでしょうか。
 結婚は一つの生き方ではあるけれど人生の全てではありませんもの。」

と微笑む杏子。

でも今の紀保の状態を見てると杏子の言ってることが正しい。
紀保がなんでそこまで結婚にこだわるのか理解不能。

==

工作所に龍一訪問、フキ対応。

「この前いい企業弁護士がいたら紹介してほしいって言ってたから。
 僕でどうかと思って。僕じゃ気に入らない?」

と自ら立候補するやる気マンマン日曜日の龍一。

「とんでもない!龍一さんが引き受けてくれるなんて夢みたい。」

微笑みあう二人。

==

アトリエKにて、打掛ドレスをスタッフに色々注文つける紀保。

「でも久しぶりだな〜紀保先生のデザイン画。」と嬉しそうなスタッフ。

あれっ?スタッフは知ってたんだ?

「紀保先生、この前ご馳走になったマカロンってどこのですか?」
「あれは私のお気に入りの店なの。
 住宅街の中にある小さなお店で、わかりづらいんだけどデドールって」

「デドール....金の指ぬき、、紀保先生らしいわ〜」と去るスタッフ。

一人になった紀保、仕事そっちのけで一人芝居中。

「みのりさんが最後に口にしたというデドールのマカロン。
 彼女はどうしてあのお店を知っていたのかしら?
 あの時はまだお店もオープンして間もなかったはず。
 そういえばあの日は龍一さんが..」

ーーーー回想入りま〜すーーーーー

アトリエにて龍一&マカロンを頬張る紀保、
『『だけどよく知ってたわね、モグモグ
  私がデドールのマカロンが一番好きだってこと。モグモグ』』
『『知ってるさ。紀保のことなら何だって..』』
お茶を運んでくる杏子。←お〜っと、杏子も居たのか!

ーーーー回想終了ーーーーーーーーーーーー

「みのりさんの遺体が見つかったのはその日の夜遅く。
 傍にはデドールのマカロンが...これはただの偶然?
 それとも..」

カチャ 杏子登場。

「ちょっと出てくるわ。お願いします。」スタスタスタと仕事放棄で紀保退場。

===

工作所にて、12時きっかりに昼食する伊織以外の職人たち。
残った伊織&龍一

「いいんですか?うちみたいな町工場の顧問弁護士なんて..」
「調べさせてもらったが柴山工作所の技術力は海外でも評価が高い。
 今後もますます成長する有望企業だと思ってる。」

調べたってことはこの辺り一帯の再開発の件も知ったのだろうか?

「龍一さんは俺達を距離を置きたがってるとばかり..
 ここに来れば嫌でもあの事件のことを思い出すだろうし。」
「それはそれ、これはこれ。
 ビジネスに個人的な感情は挟まない主義でね。←えっ?そうだったっけ?
 僕のことより君こそどうなんだ?
 みのりさんの事で僕や紀保を今でも恨んでるんだろうか?それとも憎んでる?」

みのりの事で紀保と龍一が伊織から恨まれる理由がわからない。

「恨みとか憎しみとかは捨てました。
 今は目の前にある自分の道をただ歩いて行くだけ。
 だからフキさんと結婚することにした。」←ハイハイ、お幸せに〜。
「では、恨みや憎しみはもちろん、紀保への愛も今はない..
 そう思っていいんだね?」
「.....今はないんじゃなくて、そんなもん最初から無かった。
 俺達は仇同士だったんだから。」

トゥルルルル〜(電話の音)電話をとる伊織←龍一ソローリ近付き盗み聞き。

雉牟田から電話で加賀診療所に呼び出される伊織。

「この前の話、考えてくれたか?」
「その前に教えてくれないか?
 吉川みのりについて知ってること、洗いざらい喋ってくれ。
 でなきゃアンタの仕事は断る。」
「知らねえな。」
「アンタ加賀先生に薬をまわしてもらってたんだろ?
 吉川みのりも加担したのか?」
「だから知らねえよ。」
「なら仕方ない。」と去ろうとすると
「言っとくが俺はなあ、自分のビジネスに女は入れない主義でね。
 嘘だと思うんなら加賀本人に聞いてみな。」
「じゃあ話は終わりだ。仕事は断る。」

と帰る伊織の胸ぐらを掴み

「待て!それで引き下がるほど男には甘くね〜んだよ。」
「以前、俺に部品を作らせようとしただろ?
 あれがヤバいものだっていうのは俺にだって想像は付く。
 もし俺に何かあったらあの図面の写しと一緒に
 アンタの名前が警察に渡ることになってる。」

毎回、伊織相手に簡単に引き下がる雉牟田軍団なのである。
診療所から退散する雉牟田軍団を目撃する龍一、診療所へ。

==

オープンカフェに刑事を呼び出す紀保。
なんやかんや言ってマカロンの店名を聞き出す紀保。

「住宅街にある小さなお店です。見過ごしてしまうくらいのね。
 だから我々も犯人は乾龍一に違いないと確信した..
 彼があの日その店でマカロンを購入したことは裏がとれましたから。
 しかも大量に。なんでも撮影スタッフへの差し入れだとか。
 しかし結局は自殺だった..」
「みのりさんがそのお店でマカロンを買ったのは間違いないんですか?」
「それがああいう店は大抵女性客の方が多いですからね。
 男の客は珍しいこともあって記憶に残りやすいが
 若い女性となると中々..」
「そのお店の名前は?」
「念のため、メモしてきました。」とメモを見せる刑事。

メモには『デドール』の文字が。

「デ・ドール...」と呟く紀保。

==

診療所にて龍一&伊織。

「それでは君は、みのりさんは薬の横流しに関係して
 それでさっきの連中に殺されたと?」
「けどその線もなくなった。
 さっきの口振りからして、みのりは恐らく加賀先生の横流しに気付いて
 それで口止め料を要求してたんだと思う。」
「しかし..自殺じゃないとすれば彼女は一体誰に..」
「どっちにしても、もうアンタ達には関係のないことだ。忘れてほしい。」
「だが君も、もう忘れた方がいいんじゃないのか?
 君にはフキさんがいる。お母さんだって。
 それから工作所の従業員の生活だって..君には彼等を守る責任がある。」

黙り伊織。

「それとも、、君は事件の真相を探ることで
 紀保と過ごしたあの夏を探してるんじゃないんだろうね?」

龍一を見る伊織。

「だとすればハッキリ言っておく。
 過ぎた季節はもう戻ってはこない。紀保も同様だ。
 君たちの夏は、もう終わったんだ。失礼する。」退場龍一。

==

部屋にてスクラップブックを眺めながら回想中の伊織

ーーーーー

『『あなたは自分に嘘をついてる。
  過去を忘れるなんて、あなたの心はそんなに器用じゃない!by紀保』』
『『君は事件の真相を探ることで
  紀保と過ごしたあの夏を探してるんじゃないんだろうね?by龍一』』
『『ありがとう、この夏を忘れない..』』ガッツリ抱き合いシーン。
     花火パーンパーン

ーーーーー

バケツにスクラップブックを突っ込み点火しようとしたその時

トントントン!「伊織さーーん!居るんでしょ?伊織さーん!」紀保登場。

「あのスクラップブックを見せて。確かめたいことがあるの。」

ズカズカズカ!紀保、裸足で庭へGOGO!

「確かめたいって何を?」
「デドールよ!」と言ってスクラップブックをパラパラめくり

「みのりさんは本当にあのお店を知っていたのかどうか。」パラパラ
「えっ?」
「あのお店は私がたまたま見つけたの。パラパラ
 オープンして間もなくて一般的にはまだ知られてなかったわ。
 ここには私の好きなお店や好きなものが色々調べられてるけど
 それでもデドールの事はどこにもない。
 ねっ?ないでしょ?」
「...それで?」
「みのりさんはデドールのこともお店がどこにあるのかも
 まだ知らなかったんじゃ..
 なのにそこのマカロンを食べて自殺するなんて事、あると思う?
 自分で買ったんじゃないとすれば、おそらく誰かに渡されたのよ。
 もしかすると、私が好きなものだ、とでも言われて。」
「じゃあみのりは...
 羽村紀保が好きな物だと聞いてそれで喜んで口に運んだ..
 そう言いたいのか?」
「だってみのりさんは、私になりたかったんでしょ?」
 ..だとしたら同じものを食べたとしてもちっとも不思議じゃない。
 まさか毒物が入ってるとも知らずに..
 少なくとも誰か彼女にマカロンを勧めた人間が居る。」
「誰だ?それは?」
「私がデドールのマカロンが好きだと..知ってる人..」

見当が付かないって顔の伊織、フト気が付く

「イヌイ..リュウイチ?」

トントントン!「伊織さん、ちょっといいかな?」と雄介登場。
慌てて台所へ誘導する伊織。その隙に紀保退場。

台所にて

「ここを明け渡せ?」
「ああ。」

==

アトリエKに戻る紀保、笑顔で迎える龍一&杏子。

「どうしたの?顔色が良くないね..」
「いえ、別に..」
「お疲れなんでしょう。何か甘いものでもお持ちしましょうか?」

「紀保さんの好きなデドールのマカロンです。」と差し出す杏子。

笑顔の杏子
困惑顔の紀保
キョトン顔の龍一

====つづく====
♪♪♪♪軽やかなBGM♪♪♪♪
紀保たちの新居に家具やら荷物やら搬入中。

「失礼しま〜す♪」杏子登場で喜ぶ紀保。

本を棚に並べてた龍一、顔をしかめる。←案外顔にすぐ出るタイプ。

「アハ〜ッ来なくてもよかったのに..
 何も無理して来なくても全然良かったのに本当全然..」

嫌みたっぷり引きつり笑顔で対応の龍一。

「あら〜無理だなんて..
 紀保さんと龍一さんのスウィートホームどんなものか
 こん??のために拝見しておきたくて♪」

杏子、得意げに龍一の顔を見ております。
龍一、あきれ顔。
龍一って杏子と居る時の方が喜怒哀楽がハッキリしてていいと思うんですよね。

「と言っても当分ここに住むのは龍一さんだけなのよ。
 私はまだ荷物の整理がついてなくて..」
「何も急ぐことありませんわ。ゆっくりでいいじゃないですか。」

と、龍一にだけ分かるような嫌み口撃舌好調の杏子、
龍一の前を横切りながらルンルンで

「だけどここ、いい所ですねぇ〜。私も引っ越してこようかしらぁ〜♪」

困惑顔の龍一。

「それがいいわ。」

という紀保にまたまた困惑顔の龍一。

「杏子が近くにいてくれると私も心強い。
 龍一さん?どこかにお部屋空いてないかしら?」

龍一は不動産屋か!

「ああ、生憎この辺りは人気が高いらしくてね
 中々出物は少ないって話だよ。
 諦めた方がいいんじゃないかな。」

とやんわり拒否る龍一。
でもそんな龍一の内心なんて分かるはずもない紀保は

「でも本気で探せばきっと見つかるわ。
 杏子、そうしましょうよ!私も探すから」

と紀保&杏子、手と手を繋ぎルンルン♪
迷惑顔の龍一をチラ見する杏子。
龍一、撃沈。

==

みずえの好物あんみつ持参で伊織&フキ施設へ行く準備中。

「裏の戸締まりちゃんとした?」

ってフキが伊織に言ってましたよ。
鍵しててもキミみたいに入ってくる奴もいるしな。

==

浮舟にて、珍しく護が流しを掃除しております。

「...けど加賀先生、よかったな、意識が戻って。」
「でも当分絶対安静だって。」
「俺もその内、見舞いに行くよ。何しろ命の恩人だ。
 俺も心入れ替えたんだ。
 紅夏や姉さんのためにも俺本気でがんばるよ。
 この店だって俺に任せてくれたら今の三倍は大きくしてやるよ。」
「あんたに任せるだなんて猫に鰹節の番させるようなもんじゃないか。
 お断り!人の心配する暇があったら早いこと仕事でも見つけてくるんだね。」

と言いつつも内心嬉しそうな蔦子。
そこへ雄介と和美鉢合わせ〜。去ろうとする雄介に

「ちょっとお待ち!この前、若い女とイチャイチャデレデレ
 くっ付いてたそうじゃないか!ネタはあがってんだぁ〜!」

和美、取調官みたいです。
つーか喋ったのは唯一の目撃者柏木?

「その女って誰だと思う?あのセリちゃんよ!
 ったく、よりにもよってあんな娘と〜!
 子供でも出来たらどうすんだよ〜!」

そこまで言わなくても、、っつうくらい
雄介の花嫁候補として柴山姉妹を拒否る和美。
しかももの凄い大声で喋ってんの、丸聞こえだし。

「あたしは認めないからね。
 アンタは、井口不動産の大事な跡取りなんだ。
 不動産屋にはね、読んで字の如く、
 テコでも動かないデ〜〜ンと構えた信用が必要なのよ!
 あんなフラフラと何やってんだか分かんないような娘、
 大黒柱どころか屁の突っ張りにもなりゃしない!
 うちの嫁には...絶対!絶対お断りだからぁ!!」

「上等よ!」とセリ登場。

「こっちだってねえ、あんなチンケな不動産屋、
 嫁だの何だの気安く言われたら迷惑だっつうの!
 どうせなら青山辺りに自社ビルの一つでも建ててから
 そういうこと言ってほしいわよね!」
「お黙り!!あんたのその舌!引っこ抜くよ!」

「べーーーーーー!」と舌を出すセリ。
大興奮の和美、仲裁に入る蔦子。

「まあ落ち着いて。この前テレビでやってた。
 舌出し体操。顔のシワ取りにいいんですってよ。
 ほら和美さんも一緒にべーー」
「もう手遅れだけどね!べーーーー」←上手いこというな、セリ
「この〜!減らず口!
 瓦はね、幾ら磨いても玉にはならないんだよ!」

べーーーーーbyセリ

「おとといおいで!おととい!」とヒステリック和美。

その間に護と雄介抜け出す。

==

ちゃ〜んと龍一に許可を得てから
龍一の洋服をクローゼットにしまいに寝室へ行く紀保。

「じゃあ私も〜♪ルンルン」

とハンディモップ持って寝室へ入ろうとする杏子の前に立ちはだかる龍一、

「悪いが君には遠慮してもらいたい。」
「あら〜?寝室には入るなって事ですか?」
「(声を小さくして)ここはアトリエじゃない。
 僕と紀保のプライベートスペースだ。
 ズカズカ踏み込むような真似はよしてもらいたいな。」

ニヤニヤしてハンディモップをクルクル回し龍一の顔に近付けながら

「私が盗聴器を仕掛けるとでも」

パッ!!!(←杏子のモップを取り上げる龍一)

「ご心配なく、そんな趣味ありませんから。」

龍一からハンディモップを取り返し

「そろそろランチの用意でもしましょっか?えへっ」

とルンルンで用意しに行く杏子←を不満顔で見つめる龍一。

寝室にて、龍一に宛てて書いた手紙を発見し読む紀保。
ワープロで打ってすりかえられてる手紙を見て驚く。
手紙を杏子に頼んで龍一に渡してもらったことを思い出し
「まさか、杏子が..」と動揺する紀保。

===

「お母さんの好きなあんみつです。」

とみずえに差し出すフキ。みずえ無反応。

「はいっ。」

とスプーンを持たそうとしてもみずえ無反応。
みずえの手を触ろうとしたら拒否られ

「アナタ、誰?何しに来たの?ワタシに何をする気?」

困惑フキ、そこへ伊織登場。

「伊織、この人、だあれ?どうしてここに居るの?」
「母さん、言ったろ?フキさんだよ。もうじき俺のお嫁さんになる人。」
「お嫁さん?」

上着のポケットから何やら取り出す伊織、

「フキさん、これ約束の指輪。
 今朝、ようやく出来上がって。
 出来れば母さんの前で渡そうと思って。」
「伊織さん」とフキ感動中〜。

「母さん!俺はこの人と結婚するよ。」

みずえ無反応。あんみつのアンコをイジイジ。

「俺にとっては大事な人だから、よく覚えてて。」

ふと顔をあげて見つめるみずえ。←といってもフキは眼中にない。
伊織がフキに指輪をはめデレデレな二人。
さっそくみずえに見せつけるフキ

「お母さん、見て下さい。伊織さんが作ってくれたの。
 世界でたった一つの私だけの指輪..」

みずえ、全くその指輪を見ず、ボーーーーーッ。

なんかツボだ、みずえの反応。

===

夕顔荘の縁側にて護&雄介、再開発にむけ立ち退きも密かに進んでるようで。

「この前から二人でコソコソ何企んでんの?」とセリ登場。
「子供はあっち行って遊んでろ!」とセリを追い返そうとする護。

「自分こそいつまでもお姉さんに養ってもらってるガキのくせして!」

とカバンで護の股間バチコーーン!!護、チ〜〜ン。

「セリちゃん、この前、自分のふるさとが消えてくって言ってたよね?
 だったら新しいふるさとを作ってみないか?俺達若い力でさ。」

とセリを誘う雄介。

===

新居にて、引っ越しパーティーを提案する杏子、

「親しい友人をお招きして..
 龍一さんの帰国祝いも婚約披露だってまだ..
 この際まとめてやりましょうよ。
 私がセッティングしますから。」
「確かに僕らの婚約披露を兼ねてと言うのは悪くないアイデアだと思う。」

と珍しく杏子の意見に賛成の龍一。乗り気じゃない紀保。
「ならやりましょう!」と終始ルンルンの杏子なのである。

==

アトリエにて、手紙を見せ杏子に龍一宛の手紙捏造を問いつめる紀保。

「ええ、私です。」
「どうしてそんな事を?」
「紀保さんだってご存じでしょう?
 龍一さんが逮捕された時、羽村社長が仲を裂こうとしてらっしゃったこと。」
「...父に頼まれて..それでこんなことを?」
「(泣きながら)私だって苦しかったんです。
 龍一さんを救おうとする紀保さんと
 紀保さんのために龍一さんを引き離そうとする羽村社長と
 お二人の間に挟まれて..私はどうしたらいいのか...シクシク」
「ごめんなさい、杏子。
 私のせいであなたには辛い思いばかりさせて..
 いいわ、この手紙は初めからなかったことにする。」

ライターで火をつけ燃やす紀保。

「あなたは私のかけがえのないパートナーよ。
 これからもずっと私の傍にいてね。」
「(泣いて震えながら)はい。」
「イタリアに行った頃、二人で朝まで泣いて
 瞼を腫らしたことがあったわね。
 あの頃は、辛いことや悔しいことも多かったけど
 でも今ではいい思い出ね。」
「ええ。」

ティッシュを数枚、杏子に渡し縫製室へ行く紀保。
一人アトリエに残る杏子、表情をガラッとかえ

「ええ、いい思い出でした。
 おかげで今では瞼を腫らさずに泣けるようになりましたけど。」

と冷ややかな笑み。携帯でどこかに電話する杏子。

==

婚約披露パーティーが開かれております。
コックもいますよ!
みんなでワイワイガヤガヤ。

ピーーンポーーン!

誰かも確認せず「いらっしゃい」と戸を開ける不用心な紀保。
そこにはフキ&伊織が。驚く紀保。

「お待ちしておりました。どうぞ」と杏子登場。

明らかに不機嫌な紀保。
みんなとワイワイして超笑顔の龍一、
フキ&伊織の姿を見て笑顔が消えちまいました。

「いらっしゃい。よく来てくれましたね。」

とフキたちに挨拶、途端に笑顔に戻る龍一なのだ。

フキからもらった花をいける紀保、杏子に

「あなたがお呼びしたの?」
「ええ。紀保さんの心の声に従ったんです。
 伊織さんと龍一さん、どちらが自分にとって大事な人か
 もう一度よく考えてみてはいかがです?
 それによっては婚約を解消する勇気も必要じゃないでしょうか?」

動揺する紀保。
つーか真後ろのコックに話丸聞こえじゃね?

暫くして紀保の指輪に目がいくフキ

「まあ素敵!それは婚約指輪?」
「ええ。」
「実は、、」

手につけた指輪を見せながら

「私もいただいたの。
 紀保さんのものとは比較にならないけど
 世界でたった一つなのよ。」

とただ単に紀保に指輪を見せたいだけのフキであった。

「手作りのようね、素敵だわ、とても。」
「でしょ?私もとっても気に入ってるの。」

アトリエのスタッフを紹介すると杏子に連行されるフキ。
ベランダで佇む伊織に話しかける紀保。

「ごめんなさい。杏子が無理矢理お誘いしたみたいで。」
「いや、フキさんも楽しみにしてたから。」
「指輪、見せてもらったの。素敵ね。」
「女物の指輪はもう二度と作らない。」
「そう。」

伊織、何かを見つけ

「あれは?」
「ああ〜意外とシャンパーンに合うのよ、コレ。」

とマカロンを持ってくる紀保。

「あの時の...」
「えっ?」

死んだみのりの部屋にマカロンが散らばってたシーンの回想。

====つづく====

「これはどういうこと..?いったい誰がこんなもの..」
「伊織さんの部屋にあったの。
 人目に触れないよう大事に引き出しの奥にしまって。」

それを伊織に何の断りもなく堂々と持ってくるフキなのである。

「紀保さんに関することは何から何まで調べてあるわ。
 紀保さんと伊織さんて本当はどういう関係?」

ジィーーーーッ(←フキの視線)

仕方なく心中話をする紀保。

「私がその事実を知ったのは去年の夏。
 でも伊織さんは子供の頃からそれを知ってて
 それでこうして私のことを調べてたのね。
 ..つまり伊織さんにとって私は父親を奪った憎い女の娘。
 フキさんが心配するようなことは何もないわ。」

スキス〜も合体もして伊織手作りの指輪も貰っちったけどね。

「伊織さんってどこか人を寄せつけない
 かたい殻のようなものを感じることがあったけど
 そういうことだったのね..」

今も十分かたい殻で覆われてる気がしますけど?

「おかげで彼の心を今まで以上に理解できた気がする。」

なにっ??今現在、伊織の一体何を理解できてるっていうんだ?フキ!
残念ながら何も....だよ?チ〜ン。

「でもお願いだから私が来たこと、伊織さんには言わないで。
 彼がいつか自分から話してくれるまで
 私は何も知らないことにしておきたいの。
 夫の秘密を知ってて知らないふりをするのも妻の愛情だと思うから。」
「(思いっきりテンション低めに)ええ。何も言わないって約束する。」

===

施設にて高広&伊織&みずえ。
高広が時々見舞いに来てたことを知り驚く伊織。

「これ、どうするの?」

と折りかけの鶴を高広に差し出すみずえ。

「貸してごらん。」と折り始める高広。

「君はまだ生まれる前だ。
 ラグビー部のOBチームでベルリンまで親善試合に行くことになってね
 伊久馬の発案でベルリンの壁に千羽鶴を飾ろうということになった。
 そこでみずえさんや私の妻も一緒になってせっせと鶴を折ったもんだ。」

フーーーーーーッッ!(鶴に空気を入れてる音)

出来た鶴を嬉しそうに眺めるみずえ。
ちなみにみずえの脚は歩けるが本人に歩く意志がないようです。

「それだけご主人を失ったショックが大きかったと言うことだね。
 二人を引き裂く原因になったのは私の妻.. 
 さぞ恨んでるだろうね。」
「恨んだことも憎んだこともありました。
 でも、いつまでも過去に捕われていては自分自身が前には進めない。
 そう気付いて忘れることにしました。過去の恨みも憎しみも、
 今は全て自分の生きる力にかえていこうと思っています。」
「それを聞いて伊久馬もきっと安心してるだろう。
 娘の話では君も結婚が決まったらしいね。
 どうか幸せになってほしい。」

伊織の手を握りしめ

「私にできる事があれば必ず力になると約束する。必ず..」
「ありがとうございます。」
「こうしてるとなんだか伊久馬と話してるようだ。
 今日は君に会えてよかった。」


===

春日クリーニング店前にて雄介&護。

「じゃあ春日さんとは明後日会えるんだ?」
「話は全部ついてる。あとは計画次第だが
 向こうはずいぶん金を欲しがってる。」
「こっちもそうグズグズしてられないからね。」
「俺の方もいつ雉牟田が絡んでくるか分かったもんじゃない。
 それまでに早いとこ稼がなくっちゃ。」

そこにフキ登場。

「よ〜フキちゃん。聞いたよ、結婚おめでとう。
 前祝いでもやろうって伊織にもそう伝えといてくれ。」
「ええ。」退場フキ。

雄介シラーーーーッ。

「なんてツラしてるんだ?
 惚れた女が幸せになろうってんだ。男なら喜んでやれ。」
「喜んでるよ。
 けど、どんな試合だって終わってみないと分からないからね。
 まだ諦めたわけじゃない。」

まだ諦めてなかったのか、雄介。

==

フキ、周囲を気にしながら夕顔荘の伊織の部屋に侵入。
急いで紙袋からスクラップブックを引き出しへ戻す。

「どうしたの?ここで何してる?」伊織登場。

「あっ!今日デパート行ったら秋のセーター売ってたから
 伊織さんにどうかなって思って..」

と紙袋からセーターを取り出してます。

「それより..ここの鍵、かけていったはずなんだけど?」

その内、フキに盗聴器でも仕掛けられそう。

「雄介さんに頼んで合鍵を作ってもらったの。
 だってお掃除とかお洗濯とか鍵があった方が何かと便利でしょ?」

プライバシーも何もないようです。恐いっス。最強っス。
しかもいつも空気のような存在の雄介をここで利用しております。

フキが去って、部屋をあちこちチェックする伊織。
赤いスクラップブックのある引き出しをチェック。
以前は表向きに入れてたのに裏返しになってることに気付き
フキが持ち出したことを確信する伊織。

伊織、すごい記憶力。フキはすごい行動力。

==

翌日、工作所にてなにげに昨日のフキの行動をチェックする伊織。

「昨日セーターありがとう。
 他にどこにも行かなかったの?デパートだけ?」
「ええ。久しぶりのデパート、とっても楽しかったわ。
 屋上から地下まで目一杯楽しんじゃった。」

とそそくさと銀行へ向かったフキなのである。
そこへ柏木登場。みのりの件で思い出したことがあったようで

「みのりさんの遺書を見つけた時に..」

そこへフキを訪ねて杏子登場←柏木大興奮。
残念ながら柏木の話は持ち越し。

「昨日は私の留守にアトリエまでお見えになったようで..
 それで今日はレースのサンプルをお持ちしたんです。」

フキが昨日アトリエに行った事を知る伊織。

「こちらの方でお待ち下さい、さっ」

と嬉しそうに杏子を誘導する柏木。

===

アトリエにて紀保、伊織から電話で話があるから会いたいとのこと。
数日後、紀保の新居(荷物等はまだ搬入されておらずガラーーン)に伊織登場。

「いいところだな。都心にしては静かだし。」

どうもこの新居は『都心にしては静か』というのがウリらしい。

「それで話って?」

鞄からスクラップブックを取り出し紀保に見せる伊織。
紀保、パラパラと何の反応もせず見ております。

「あまり驚かないところを見るとやっぱ知ってるんだな。」

やっぱバレたじゃん。

「多分そうじゃないかと..
 だったら何もかも喋った方がいい、そう思ったんだ。
 龍一さんと結婚するなら尚のこと。」
「...そうね。(スクラップを見ながら)
 これじゃあまるで自分のプライバシーを覗かれてるようで
 あまりいい気持ちはしないわね。」

「...それは、死んだみのりのだ。」

驚く紀保。←つーか字を見て、女が書いたって気付よ!

「みのりは自分の生い立ちを知ってそれであんたに興味を持った。
 お互い同じ悲しみを抱え..。だがその人生は天と地ほど違う。
 かたや母親は亡くしたけれども立派な父親に愛され
 なに不自由なく育ったお嬢様。
 かたや親父が死んでおふくろは精神のバランスを崩し
 生まれてすぐに養子に出された孤児同然の自分。
 みのりはどうしても我慢できなかった。
 だからあんたのことを調べあげた。
 あんたと同じものを着て、同じものを持ち、同じ髪型にして
 同じレストランに行き、そして遂には顔のホクロまでとって
 見た目までも羽村紀保に似せようとした。」

『『こうしてると何だか似てるな〜』』と
加賀が紀保にホクロを書いたシーンを回想する紀保。

「そこまでしてみのりは、あんたになりたかったんだ。
 あんたを憎みながらもそれと同じぐらい強く惹かれて。
 本当なら自分も持てたかもしれない幸せな人生をあんたに重ねてた。」
「じゃあ龍一さんに近付いたのもそのため?
 あなたは知ってたの?そのこと?」
「あいつが診療所を辞めた頃から少しおかしいとは感じてた。
 だが龍一さんのことは妊娠したと気付くまで全く知らなかった。
 気付いた時にはもう遅かった。」

『『何すんの?出てって!大キッライ!』』
『『ああ、分かったよ!だけどな考え直すなら今のうちだぞ!
  お前きっと後悔するからな!』』
柏木が目撃したみのりvs伊織の喧嘩シーンの回想。

「みのりが死んだのはその翌日だ。
 これで分かったろ?あいつが死んだのは
 あいつの行動を止めきれなかった俺の責任だ。
 俺は結局、自分の妹を守ってやることができなかった。
 だからあんたと龍一さんには何の責任もない。」

紀保が持ってたスクラップブックを取り返し

「どうかこのことは、アイツの死に免じて許してやってほしい。
 この通りだ。90度ぺこり
 忙しいのに悪かったな。それじゃ。」
「待って!あなたはどうなの?
 みのりさんのように私のこと恨んでないの?憎んでないの?」
「今となっては恨んでもいないし憎んでもいない。
 お互いもう忘れよう。
 この部屋のように一度全て空っぽにして
 そこからまた新しく始めよう。お互い、それぞれの人生。」

伊織退場。←を目撃、杏子。

ポツーーーン紀保。

「お手伝いにきたんです♪」とルンルンパンツルックで杏子登場。

「伊織さんが来てたようですけど..何かありました?」
「(テンション低めで)知ってたの?」
「そこで姿を見かけて..紀保さんが呼んだんですか?」
「(引き続きテンション低めで)ええ。」
「でもどうしてわざわざこの部屋へ?」
「その方がいいと思って。
 私ももうじき龍一さんと結婚する。
 そのことをハッキリさせておいた方がいいと思って。
 彼だけでなく私自身にも。」
「そんな言い方をするなんて..やっぱり紀保さんは迷ってるんですね。
 龍一さんと結婚すべきかどうか..」
「違うわ!」
「本当は伊織さんのことが忘れられない..そうなんですね?
 わけを話して下さい、何もかも。」
「...彼...言ったわ。『この部屋のように全てを空っぽにしよう』って。
 今私を『恨んでもいない憎んでもいない、お互い忘れよう』って。
 でも忘れるぐらいならまだ恨まれてた方がいい、憎まれてた方がいい。
 そんな風に考えてる自分に気付いて..なんだか許せなくて。
 だって私、結婚するのよ?
 龍一さんと一緒に幸せになるって誓ったの!
 ...でもあの人の心から永遠に消えてしまう自分を想像するとたまらなく悲しくて..」

紀保に駆け寄る杏子。

「紀保さん...」
「こんなこと、もう言わない。これっきりにする。
 だから今だけ..少し泣かせて...」

と杏子にもたれ泣く紀保。
紀保の背中をサスサスする杏子。

「いいですとも!
 そういえば画家のマリーローランサンの詩の中にこんな一節があります。
 “死んだ女よりもっと哀れなのは忘れられた女だ”って。」

ストレートな詩に撃沈して泣く紀保

「でも紀保さんには私がいます!
 紀保さんの哀しみは私の痛み。
 私たちはどこまでも一心同体なんですから。」

と抱き合う二人なのであった。チャンチャン

こうみていくと杏子って本当に紀保にとって大切な存在だなって思う。
伊織と決別した日から一年間は杏子の支えのおかげでやってこれたわけだし
今回も杏子が紀保の哀しみを受け止めてくれてるし。
龍一って一体の役に立ってんの?弁護士としてだけ?

==

部屋にて完成したフキの婚約指輪を磨く伊織。
赤いスクラップブックのア〜〜〜ップ!

====つづく====

犯人が誰か予想してみました。
また別記事で書こうと思います。
「その罪を償うために、彼女は自ら命を絶った。
 これが事件の真実だ。
 それを知って僕は全てを忘れて許すことにした。」

紀保の肩をつかみ

「たからこれ以上もう思い出させないでくれ!!」

ギュギュギュー(←紀保を抱きしめる音)

「僕は君と結婚して幸せになるんだ。あの日に戻って。
 もう誰にも邪魔はさせない!」
「龍一さん..」

音が出る位ギューギュー抱きしめる龍一に吹きました。
ちなみに『邪魔をさせない!』と言ってはいますが
邪魔をしてるのは紀保自身です。

==

加賀診療所にて蔦子&伊織。
蔦子は加賀の荷物をとりに、伊織はクーラー直しや掃除に来てる模様。

「フキちゃんのこと、おめでとう。
 決めた以上はフキちゃんのこと、泣かせたりしないでね。お願いよ。」
「分かってます。」

蔦子退場。

いや〜本当にここまできたらフキとお幸せに〜って思っちゃいます。
あと、今のフキはシクシク泣くだけの女じゃありませんから。

==

工作所にてセリ、お土産にマンゴープリン持参で登場。
職人の数も増え昔に戻ったみたいだと喜ぶセリですが

「私の居場所もなくなっちゃったけど..」

とションボリ。
セリって自分からこの場所を去ったくせに何を未練がましく言ってんだろ?

「何言ってるの。
 お父さんの遺言書にもあった通り
 あなたがお嫁に行くまでは私が親代わりなんだから
 いつだって親の家だと思って帰ってきていいのよ。」

そーだそーだ!
面倒なことは全部フキにおまかせ!してきたんだから
セリ、今さらウダウダ言うんじゃないの。

==

診療所にて掃除中の伊織の元へ紀保登場。
みのりのことを確認する紀保。

「だがそれも全て終わったことだ。
 龍一さんのためにも早く忘れた方がいい。
 彼は誰よりもアンタを愛してる。
 その愛に応えるためにも忘れて幸せになってほしい。」
「それであなたはいいの?
 自殺じゃないとすればどこかに犯人がいるってことよ?
 あなた、犯人が憎くないの?」
「もう一年前とは違う。
 俺は一年かかってようやく自分の人生をとり戻したんだ。
 アンタだってそうだろ?」

ガラガラガラーーー!!
ガシャガシャーーーン!!「誰だーこんな所にバケツ置いたのはーー!!」

雉牟田興業軍団登場。雉牟田&伊織、

「何してんだ?こんなところで」
「たまには部屋に風を入れてくれって頼まれて。
 そっちこそ何の用ですか?雉牟田さん」
「たまには見回ってくれてって頼まれたもんでよう。」←誰にだよ!

といいながらウロウロあちこちチェックする雉牟田。

「ここが留守だと知って盗みに入る不届きなやつがいるかもしれないからな。」←お前がな!

ウロウロジロジロチェック雉牟田

「....なあ。ここで会えたのも何かの縁だ。
 一緒に仕事する気ないか?ウダウダ〜へっへっへっ」
「雉牟田さん、悪いが今は時間がない。
 先生が刺された件でお巡りがやってくることになってる。」

お巡りという言葉にビビリ雉牟田軍団退散。
診療所の内側から鍵をかける伊織。
慌てて紀保を探す伊織。スタスタキョロキョロ
(公式のあらすじによると伊織は思わず「紀保」と呼んだそうです)

シャーーーーッ!!(カーテン開ける音)

紀保、伊織に抱きつく。

「よかった...
 あなたに何かあったらどうしようって気が気じゃなかった..」

ハッ!と我に返り離れる紀保。
探偵紀保、推理開始。

「先生が言ってた口止め料って薬の横流しと関係があるんじゃ..
 先生があの男に薬を横流し←そのことに気付いたみのりさんは
 先生にお金を要求..それであの男がみのりさんを」
「例えそうだろうと、みのりのことはもう忘れろ。
 それとも本当は俺のことが忘れられないのか?」

紀保に近付きながら

「みのりの事にこだわるのも本当は俺のことが..」

と腰に手を回しスキス〜をしようとする伊織。

「何するの!ヤメテェ!!!」パチーーン!!と強烈なビンタ!


お嬢様を怒らせると恐いのである。
怒りモードのままプンプン紀保退場。

===

夕顔荘の縁側にて雄介に愚痴るセリ。
相続分として工作所の建物と土地の半分にあたる金(毎年200万ずつ15年払い)
を貰えるのにまだ不服のようです。

「結局あの土地は全部お姉ちゃんのものになって
 それを担保に新しい工場まで建てて..
 な〜んかこっちが貧乏くじ引いたみたい..」

だからセリはどうしたいんだよ。
貧乏くじひいたのはフキだと思うけど。

「ああ。それでうちまで無くしちゃってさ。
 こうなったら雄ちゃんのお嫁さんにでもしてもらおうかな〜?
 雄ちゃんだって振られたんでしょ?お姉ちゃんに。
 だからお互い仕方ないもん同士でさ〜」
「仕方ないもん同士って..
 いいの?本当に?」
「ええ!?」

ガバッとセリにスキス〜する雄介。
セリも俄然ヤルキッスで倒れ込みいい感じのところで
柏木に気付く雄介。

「柏木さん!!」
「へへ〜。あの〜きょう(杏)、、アハッ暑いです!ルンルン」退場。

この柏木の登場の仕方が意味不明。

==

夕食前、夕顔荘に手作りのコロッケを差し入れのフキ。
職人たち大喜び。

伊織は部屋でフキの婚約指輪を製作中。
な〜んだ、ちゃっかり作ってんだ。
作る時間なくてまだ製作もデザインもしてないかと思った。
さっさと作ってフキを喜ばして下さい。

しかし!ふと思い出したように
引き出しにしまってる赤のスクラップを取り出し見る伊織。
そこへコロッケを差し入れにフキ登場。
部屋をノックせずに興味本位で覗き見するフキ。
そこには赤いスクラップの紀保の記事をながめる伊織の姿が。
そ〜〜〜〜っと戸を閉め、

「開けるわよ!伊織さん!」と白々しく入室しようとするフキ。

慌てて赤スクラップ&指輪製作の道具たちを隠す伊織。

「どうしたの?そんなに慌てて?」
「今指輪作っててできるまで見せたくなかったから。」
「指輪って私の?」
「うんうん、もちろん。」

差し入れられたコロッケを「うま〜っ!」と美味しそうに食べる伊織。
しかしフキは引き出しにしまった赤のスクラップが気になるようで
引き出しに睨みをきかすのであった。

==

新居のマンションにて一人ポツンの紀保。
未だにガラガラ持ってます。

『『俺のことが忘れられないのか?』』のスキス〜ビンタ事件を回想中。

そこへ新居を見学に高広登場。
ションボリ顔の紀保を見て

「どうしたの?浮かない顔だね。
 やはり少し狭すぎるかな?」

そっちの悩みじゃないと思いますけど?
金持ちは言うことが違いますね。

「お父様はあの人のこと覚えてらっしゃる?」
「私の妻であり君の母だった人..フッフッ、忘れるわけがない。
 気がついたんだ。紀佐を忘れるということは
 彼女を愛した幸せな日々までも消し去ってしまうことだとね。
 ならば自分の身に起きた全てをありのままに受け止め乗り越える。
 何よりも私には君と言う娘がいた。
 その幸せを守ることが私の幸せでもあった。」
「では、相手の男の人、恨んだりしなかった?」
「恨みも憎みもしたがあとに残るのは自分に対する惨めな嫌悪と後悔だけだ。
 もし紀佐を恨む気持ちがあるのならまずは自分を幸せにすることだ。
 幸せになるかどうかは運ではなく自分が決めること。」
「ありがとうお父様。私、幸せになります。
 お父様の仰る通り幸せの記憶を一つでも多く
 重ねていけるよう努力します。」
「うむ。」
「お父様、この秋にあの人..
 瀬田伊織さんも結婚するんです。」
「そうか。伊久馬の息子が..そう、それはよかった。」

===

施設にて折り紙してるみずえに話しかける伊織。

「母さんはどう思う?
 みのりは自殺じゃないのかもしれない、そう言うんた。
 俺も一年かかってようやく自殺だと自分に納得させることができた。
 だから結婚する気にもなったんだ。
 母さんにも紹介したろ?柴山フキさん。
 優しくていい人だ。
 俺もあの人となら人生を一緒に歩いていける、そう思って。」

一生一緒にいてくれや〜♪by三木道山ですね。

「けど、もしみのりが誰かに殺されたんだとしたら俺はこのまま..
 何も聞かなかったふりをして自分の人生歩いてっていいんだろうか..
 それとも..」

みずえ無視。←そりゃそーだ。

トントン

「伊織さん、お客さま」と花束持ったシスターに連れられ紀保父登場。

「やあ。」
「ぺこり」

みずえと対面。

==

アトリエKにフキ登場。

「今日、諏訪さんは?」

邪魔が入らないよう事前にチェックする用心深いフキなのである。

「紀保さんと二人っきりで話したかったものだから。」

赤いスクラップを紀保に見せるフキ。
紀保が載ってる記事の切り抜きやら
手書きの詳しい紀保情報が書かれております。

ーーーーーーーーーーーーーーー
羽村紀保…memo
出生:1981年9月20日…
 父:羽村高広(羽村…
 母:  紀佐(事故…
自宅:東京都世田谷区成…
ーーーーーーーーーーーーーーー
  5/2の探索の際、その奥さんに声をかけてみたが無視された。…
別荘:神奈川県大磯町向海東3-12-8…
   ☆元灯台職員の夫婦が留守を預かり掃除、炊事を任され…
    この奥さんは気さくな人。結構喋ってくれた。…
学歴:成智大文学部中退後イタリア留学…
   Accademia di Italiano (Milano)語学学校…
   Istituto Marangoni(Milano他)服飾専門学校…
   を経て、maison di felrini(Rome)で修業のかたわら作品…
   (アトリエKの実務パートナー諏訪杏子とはこのメゾンで知り合う)…
                雑誌『女性時代』’09年4月号「この人に…
ーーーーーーーーーーーーーーー

紀保行きつけの店名からブランド店の住所電話番号など手書き。
紀保のバッグ、靴などの写真入り。

「これは...」と驚く紀保をシラーーーーッと見つめるフキ。

==

施設にてみずえ&高広、軽く微笑む二人。
ジーーーーッと見つめる伊織。

===つづく===

スクラップブックに杏子の名前まで載ってることから
みのりが杏子に接触してた可能性は大ですよね。
しかも紀保の鞄や靴が写真に撮られてるってことは
紀保本人の物or同じ物を手に入れて写真に撮ったか、、
本人の物だとしたら杏子が怪しくなってくるわけですよね。

で、以前、紀保&伊織にひっついてほし〜の、なんて言ってましたが
ここ数日で変わりました。伊織が忘れろ忘れろと言うもんだから忘れました。
はい、紀保&龍一、伊織&フキで結構です。
その方が幸せじゃないのかとも思えてきました。
つーかここまでお互いの結婚話が進んだ以上、今さらって感じなので。

自分が予想してた展開(合体して別れてからもお互い一人でガンバルンバだと思ってた)と違ったので。

公式のメッセージ、フキがやたら嫌われております。
私も好きにはなれません....が
あまりにもみんなアンチフキで伊織&紀保応援団なもので
これから私はフキ&伊織を応援いたします。

加賀の搬送先の病院へ行こうとする紀保を引き止める伊織。

「みのりは自殺だと裁判所も認めた..
 忘れるんだ..龍一さんだってあの事件のことは早く忘れたいに決まってる..
 もうじき結婚すんだろ?アンタ達..」
「...そう..そういうこと?
 あなたも秋にはフキさんと結婚する。
 だから今更みのりさんのことには触れたくない..そういうことね。」
「俺は忘れるって決めたんだ。
 フキさんにプロポーズした時、なにもかも..」

暫し見つめ合い

「もういいじゃないか。過去を忘れるっていうのも一つの愛情だ..」
「いえ..あなたは自分に嘘をついてる..
 一年以上経った今も残してるこの部屋こそがあなたが忘れてないって証拠よ。
 部屋にはあなたのみのりさんへの思いが詰まってる..」

と言い残し夕顔荘を去る紀保

「やっぱりココだったんだね..」と目の前に龍一。

「どうしたの?迎えに来てくれたの?」と動揺を隠しながら笑顔で近付く紀保。

「君こそどうしたの?ここで何してる?」今日の龍一は強気なのだ。

ガラガラガラーーーッ!!(戸を開ける音)

紀保を追いかけて伊織登場。ここで龍一とご対面〜。
伊織と龍一に挟まれた状態の紀保、ピーーンチ!

「やはり君たち..こう言うことか..」
「違うの龍一さん..これは」


うざキャラNO.1は私です!」byフキ


いつのまにやら伊織の横にフキ登場!
台所に場所を移し今までの経緯を龍一に説明するフキ。

「護さんを庇おうとして加賀先生が身代わりに..
 困ったことがあれば龍一さんに力をお借りできないか
 紀保さんにお願いしてたの。それですっかり遅くなって..」
「話はおおよそ分かりました。できれば僕も力になりたいがしかし..」

ビエーーンと紅夏、起きてきて泣いております。
あやす紀保&龍一たちを

ジトーーーーーッ

と見つめる伊織&フキ(伊織の腕を片手で掴み中)

「余計なことしたなんて思わないでね。
 こうでもしないと龍一さん、あなたと紀保さんの仲を疑ってるみたいだったから..
 私は妻として..夫の名誉を守りたかったの..」

逃がすもんかと両手でガッシリ伊織の腕を掴んで離さないフキなのであった。
※ちなみにまだ妻ではない。(←ここ重要!)

=====

浮舟にて蔦子&和美。

◆加賀情報〜意識戻らず。傷が内臓まで達してる。ここ二三日がヤマ。
 離婚して20年。再婚もせず一人。
 杉並に妹夫婦がいて病院で看病中。

蔦子が加賀にホの字だと思い込んだ和美、

「何も遠慮することはないわ!
 向こうも一人ならこっちも一人なんだから..
 これはひょっとするとひょっとして..むふふ。おめでたが続くわね。」

キョトン顔の蔦子はん。(←まだ伊織&フキの婚約を知らない)
みんなには内緒にしてほしいけどお喋り和美さんならきっと
みんなに喋りまくってくれるわ
ってフキに言われたのに
フキと伊織が結婚することをベラベラ喋る和美。

そこへ加賀と護を心配して伊織登場。
和美、嬉しそうに

「おめでとう!フキちゃんから聞いたわよ〜。」
「ああ、どうも。ペコリ。」

つれない顔の蔦子はん。
そこへ紀保も登場。キョドる伊織。
久しぶりの紀保との対面に喜ぶ和美。

「雄介の話じゃまだ一人だって聞いたけど?
 紀保さんみたいな人なら雄介にもピッタリなんだけど、オホホ」

どこがどう紀保とピッタリなのかは分かりませんが
和美的、雄介の花嫁候補=フキNG、紀保OK。

雄介&象のお面つけた護登場。

「パオ〜〜〜ン!紅夏〜会いたかった象!」と父娘ご対面。
加賀が大変だというのに護はどうしてこんなに呑気なんだ?和美も。

そこへ龍一登場。
まず伊織をチラッ、次に紀保をチラッ。
居心地が悪そうな紀保。

==

工作所に杏子がフキを訪ねてくる。
対応した柏木、杏子にYES!フォーリンラブ。

「あーーあ"あ"あ"ーーー!!」

口を大きく開けたままの興奮気味の柏木。まるで変質者。
そこへフキ登場。

======

浮舟にて、龍一が事情を説明。
刺した犬山ではなく下っ端が身代わりに出頭。
手が滑っただけで事故だと主張してる模様。
護は事故の現場にいたというだけなので罪を問われるようなことはない。
サメの養殖の投資話の件も自首した人間も黙り。
雉牟田側も自分の首を絞めるようなことは言わないだろうと。

====

工作所にて杏子が持参したドレスのサンプル本を見るフキ。

「フキさんがどんなイメージを持ってらっしゃるのか
 具体的なサンプルがあった方がよろしいかと思いまして。」
「ごめんなさい。こんな所までわざわざ」
「今日はアトリエもお休みなので、たまにはお散歩がてら
 川の近くを歩いてみるのもいいかと思って..」
「杏子さんはこの辺り詳しいんですか?」
「詳しいってほどではないんですが昔、父の仕事の都合で
 この近くに住んでたいた事があって..まだ..うんと小さかった頃..」
「その頃とじゃ随分変わったでしょ?この辺り..」
「ええ。すっかり。」

そこへ雄介登場!
ドレスのサンプル本に目がいく雄介。

「これ..もしかしてフキちゃんの?」
「雄介さん、私ね..伊織さんと結婚することになったの。
 この秋、新しい工場が出来るのを待ってそれで..」

動揺しまくりの雄介に気付く目敏い杏子。(つーか誰でも分かるか。)

「よかったね..。よかった...よかった..」と後ずさりし
動揺しまくりのまま退場する雄介。

「どうやら彼、失恋したようですね。
 まっでも男の一人や二人泣かせてこその花嫁です。
 気にすることありませんわ!」

と微笑む杏子。

===

浮舟の前にて龍一&伊織、喋くり中。
そこへ工作所から出てきた杏子に遭遇。

「杏子さん、どうしてここに?」
「ドレスのことでフキさんと相談したいことがあって。
 龍一さんこそどうしてここへ?」

そこへ紀保も登場。

「あら、紀保さんもいらしてたんですか?」

と杏子。さすがにオフの日は紀保の行動までは把握してない模様。
主要メンバー大集合です。

「杏子さんに写真を見せてもらってたの。
 とっても素敵なドレスばかりなのよ、、」

と伊織に歩み寄るフキ。ニヤケ顔の伊織。

「う〜んと期待しててね。伊織さん!」ピトッ。(←ヒルのように張り付くフキ)

そんな伊織&フキを見つめた後、紀保チェックする龍一。

紀保→→ジトーーーーーーーーッ!→→→伊織&フキ

紀保、嫉妬メラメラの顔で二人を見ておりました。
あからさま過ぎ。

場の空気を読み切ってしてやったり顔の杏子、

「(嫌みたっぷりに)ほ〜んとにお似合いの二人で..
 私たちも作る張り合いがあります。ねえ〜?紀保先生。」
「そうね。(←棒読み)」

龍一に得意そうな顔をみせる杏子。

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アトリエK前にて杏子&龍一。

「どういうつもりか知らないけど
 あの町にあんまり深入りするのはよしてくれないか?」
「あら〜?申し上げたはずですわ。
 アトリエの仕事には口を出さないで下さいって!」

杏子の腕を掴み何か言おうとしたら紀保登場。

「どうしたの?何かあった?」
「いえ。何も」とアトリエKに入っていく杏子なのであった。

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工作所にてネジをイジイジしてる伊織。
紀保の台詞を回想中。

『『過去を忘れるなんて、、あなたの心はそんなに器用じゃない
  みのりさんの自殺に納得していないのは
  誰よりもあなた自身だもの』』

そこへモジモジ柏木登場。
どうやら伊織に杏子の事を聞きたいようですが聞けず。
そんな柏木にみのり自殺時の様子を聞き出す伊織。

「なにしろ、母親以外の女の人の部屋に入るなんて..
 アハッ..生まれて初めてで..モジモジモジ」

知りたくもなかった柏木の過去である。

「そういえば..部屋を開けた途端に甘い匂いがフワ〜っとして
 鼻がムズムズした記憶が..」

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新居の見学に来た紀保&龍一。
日当たり良好、都心だが静か、アトリエの近所、龍一の事務所にも通勤便利だそうです。
紀保、前住人の忘れ物:赤ちゃんのガラガラを嬉しそうにイジイジ。

「君さえ良ければここに決めるけど、いいね?」
「待って。やはりその前に話しておきたいの。」

何故かガラガラ握りしめたままみのり他殺説を語る紀保。

「よしてくれ!もう終わったことだ。」
「私もそう思おうとした..でも一年前のあの日..あの瞬間から
 私たちすべてが変わったわ..
 なぜあんな事になったのか私は真実を知りたいの。」
「僕はそのせいで殺人犯にまでされかけたんだ..
 だがあれは仕組まれたものだ!最初から何もかも!
 吉川みのりは瀬田伊織の実の妹で
 彼女は君を苦しめるのが目的で僕に近付いた。
 あの瞬間、一人の強い悪意が僕らを引き裂いたんだ。」

カッシャーーーーーーンッ!!(←ガラガラ落とした音)

====つづく====

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