■愛讐のロメラ(第60話)
2008年12月23日 愛讐のロメラ院長室に珠希を呼び出した悟、
「彩の退院が明日に決まった。
退院後は母さんの所へ連れて行く。
俺もしばらくそこで暮らす..」
「銀座のお母さんはいいんですか?」
「彩のためにはそれが一番だと思う。」
「分かりました。」
「意外だな。俺のことはいいとしても
彩を連れて行く事に反対はしないのか?」
「忘れないで下さい。
彩は加賀見家の子..彩が生きていく場所は加賀見家です。
いずれ彩は加賀見家に戻ることになります。」
コンコン 彩の病室に恭介登場。
彩、スケッチブックに何か描いてる様子。
「もうすぐ退院だってな」
「うん。もう平気だよ。
私退院したらお父さんとお母さんと三人で
旅行に行くんだ。」
「そうか よかったね」
「うん。」
そこへ悟&珠希登場。
「それじゃあ またな」と恭介退場。
「彩、明日退院することになったぞ。」
「本当?やった〜!」
「ただし、退院したら彩はおばあちゃんと一緒に暮らす事になる。」
「お母さんがお仕事の時、彩が一人じゃ心配だから、、」
「お母さんがいなくてもお留守番できるよ。」
「でも怪我が治るまでは心配なの。」
「彩、お父さんも一緒に暮らすから心配いらないよ、」
「お母さんは?」
「お母さんはおじいちゃんが心配だから
一緒に行くわけにはいかないけど必ず会いに行くわ。」退場珠希。
==彩を手放したくはない。でもやがて別れるときが訪れるならば
彩には一日も早く自分のいない環境に慣れさせるべきなのだと
珠希は自分に言い聞かせているのでした。==
恭介のホテルの部屋に訪れた映子。
「今まで一度もきちんと謝ってこなかったわ。
だから謝らせてちょうだい。ごめんなさい。」ぺこり
「私は母親としてあなたに酷い事ばかりしてきた。
英夫さんが亡くなった時、恭介と二人で生きていく選択もできたのに..
私が弱くてそしてズルかったの。」
「昔のことはもういいですよ
俺達三兄弟を育てるために母さんが
大変な苦労をしてきた事は分かっています」
「私にだって恭介が謙治さんを恨む気持ちも
病院を許せない気持ちも分かるのよ。
でも、その恨みで自分自身を滅ぼすような愚かな真似はしてほしくはないの。
あなたには恨みではなく幸せを見つめて生きていってほしいの。
私は自分の息子たちや孫がかわいいの、大切なの。
恭介や彩が傷付くのを私はこれ以上見てられない。」
「彩のことは申し訳ないと思っている
俺だって 彩を傷つけたりはしたくなかった」
「珠希さんがあなたの事を心配してたわ。
あなた達の過去に何があったのか私には分からない。
でも珠希さんは過去を忘れようとして彩を誘拐されても
あなたを心配してた。あなたも珠希さんのように過去は忘れて。」
「彼女は過去を忘れたわけではありませんよ
忘れたように振舞ってるだけだ
加賀見謙治の事を 許したわけではない」
思い当たる節がある映子、不安そうな表情。
「母さん?」
「いいえ、珠希さんは謙治さんによく尽くしていたわ。」
「悟でさえ 実の父親に愛想を尽かしたんです
俺が 過去を忘れるわけにはいかない」
彩の病室にて寝てる彩に話しかける珠希。
「彩、忘れないでね。お母さんは彩のことが大好きよ。
彩が今まで生きてこられたの。」
悟が入室。彩にもたれかかって寝てる珠希を見つめ退場。
翌日、彩退院日、病室にて
「お母さんがこんなに長く彩と一緒にいてくれたのはこれが初めてだよ。
だから嬉しかったんだ。」
コンコン 映子&謙治登場。
「彩、退院おめでとう。」
「よかったな、彩。」
「うん。」
「ごちそうを用意してあるわよ。」
「やった〜ありがとう。」
映子&珠希、休憩室へ。
「珠希さん、本当に彩を手放してもいいの?」
「手放すと言ってもお母さんの所ですから。」
「もしも謙治さんが亡くなったら加賀見家はどうなるのかしらね?」
「そんな事、、縁起でもありません。」
「あの家を出て色んなことを考えたのよ。
謙治さんと一緒にいれば加賀見家が守れる
恭介が守れる自分も守れる
色んな打算があったことは確かだけど
愛情があったからこそ今までやってこれたわ。
謙治さんが死ぬ時を想像してみたらやっぱり悲しかった。
悟も彩も謙治さんに対する気持ちは同じなんじゃないかしら?」
「どうしたんですか?そんな事。
お父様には私がついていますのでご心配なさらないで下さい。」
「珠希さんが何をするつもりか私には分からない。
でもあなたが自分や家族を壊すつもりなら私はあなたの邪魔をするわ。」
「お母さん、、」
「あなたにも彩がいる。彩を悲しませるようなことだけはしないで..」
「彩を悲しませるような事はするつもりはありません。
私は親の勝手な都合で子供がどれだけ苦しむか分かっています。
すみません、ご心配はいりません。
お母さん、彩の事を本当によろしくお願いします。」ぺこり
加賀見家にて謙治&珠希。
「おはようございます、」
「おはよう。」
コーヒーをいれる珠希。←ジーッと見つめる謙治。
「どうかされましたか?コーヒーお嫌でしたか?」
「いや、朝はコーヒーだ。」
飲むのをためらう謙治に
「大丈夫ですよ、毒なんかはいっていませんから。」
「「そんな簡単には殺すつもりはないわ。」」と心の声。
院長室にて悟に今度の木曜日休みが欲しいと珠希。
「彩をどこかへ連れて行ってあげたい..」
「分かった。楽しんでおいで。」
「すみません。」ぺこり退場。
Club Meguにて悟&恵。
「何であんな嘘をついたんだ?
俺は医者..DNA鑑定をすれば簡単に分かる..
何か他に理由があるんだろ?」
「あなたの、、あなたのためよ。
謙治さんの息子じゃない方が幸せだと思ったから。」
「そんな小手先の嘘で何が変わるって言うんだ?
血の繋がりがなくてもあっても加賀見謙治は俺の父親だ。
俺は一緒に過ごした月日が親子にしてくれるんだと信じてる。」
「珠希は俺を愛していない。」
「だったらもう別れなさい。」
「母さん、、」
山梨にて彩&珠希。お手て繋いでランランラン。
「お母さんはこの町で暮らしてたの?」
「そうよ。」
「お母さんがまだ彩くらい小さかった頃は
この辺りを走り回ってたのよ。」
亮太を背負って恭介に遭遇した時を回想する珠希。
医局にて悟、恭介も偶然休みになってるのを知り不安な表情。
墓参りに来た恭介、心の声。
「「父さんや亮太の無念を晴らす気持ちは変わらない。
ただ俺にはどうすれば父さんや亮太の無念を晴らせるのかが
分からなくなってしまった。
父さん、亮太、教えてくれないか?俺が何をしたらいいのか」」
その頃、珠希たち。ブドウ畑を満喫中。
「ねえお母さん、私あっちの方へ行って絵を描いててもいい?」
「いいけどあまり遠くへ行かないでね。」
「分かった。描き終わったらすぐに行くから
お母さんさっきの所で待ってて。」
どっかの広場のような所の階段で座ってる珠希。
そこへ偶然にも恭介登場、驚く二人。
「今日は 出勤じゃないのか」
「今日は特別にお休みをいただきました。」
「そうか 俺は墓参りに来てたんだ
ここは変わらないな」
「ええ。」
「あの頃は 父さんと口を開けば言い争いになって
家に居るのが辛くて 逃げるようにしてここに来ていた
ここに来ると 色んな事が忘れられた
謙治おじさんと呼んでいた頃のあの人には 素直に話もできた
君にも 素直に思いをぶつけられた 忘れられればな
全てを忘れる事ができたら」
「忘れる事ができたら..楽でしょうね。
忘れられるわけないじゃない。」
「やっぱり 君は」
「でも忘れたい。忘れたいわ。全て忘れて
素直に幸せを探す生き方もあったのかもしれない。
この山を見てるとそう思うわ。」
珠希の手を握る恭介。←そこへ走って彩登場。
だからまだ走っちゃ駄目だって言うのに!!
スケッチブックを落とす彩。←その音で振り返る恭介&珠希。
彩がスケッチブックを拾ってる間に手を離す恭介&珠希←を見て微笑む彩。
===つづく===
「彩の退院が明日に決まった。
退院後は母さんの所へ連れて行く。
俺もしばらくそこで暮らす..」
「銀座のお母さんはいいんですか?」
「彩のためにはそれが一番だと思う。」
「分かりました。」
「意外だな。俺のことはいいとしても
彩を連れて行く事に反対はしないのか?」
「忘れないで下さい。
彩は加賀見家の子..彩が生きていく場所は加賀見家です。
いずれ彩は加賀見家に戻ることになります。」
コンコン 彩の病室に恭介登場。
彩、スケッチブックに何か描いてる様子。
「もうすぐ退院だってな」
「うん。もう平気だよ。
私退院したらお父さんとお母さんと三人で
旅行に行くんだ。」
「そうか よかったね」
「うん。」
そこへ悟&珠希登場。
「それじゃあ またな」と恭介退場。
「彩、明日退院することになったぞ。」
「本当?やった〜!」
「ただし、退院したら彩はおばあちゃんと一緒に暮らす事になる。」
「お母さんがお仕事の時、彩が一人じゃ心配だから、、」
「お母さんがいなくてもお留守番できるよ。」
「でも怪我が治るまでは心配なの。」
「彩、お父さんも一緒に暮らすから心配いらないよ、」
「お母さんは?」
「お母さんはおじいちゃんが心配だから
一緒に行くわけにはいかないけど必ず会いに行くわ。」退場珠希。
==彩を手放したくはない。でもやがて別れるときが訪れるならば
彩には一日も早く自分のいない環境に慣れさせるべきなのだと
珠希は自分に言い聞かせているのでした。==
恭介のホテルの部屋に訪れた映子。
「今まで一度もきちんと謝ってこなかったわ。
だから謝らせてちょうだい。ごめんなさい。」ぺこり
「私は母親としてあなたに酷い事ばかりしてきた。
英夫さんが亡くなった時、恭介と二人で生きていく選択もできたのに..
私が弱くてそしてズルかったの。」
「昔のことはもういいですよ
俺達三兄弟を育てるために母さんが
大変な苦労をしてきた事は分かっています」
「私にだって恭介が謙治さんを恨む気持ちも
病院を許せない気持ちも分かるのよ。
でも、その恨みで自分自身を滅ぼすような愚かな真似はしてほしくはないの。
あなたには恨みではなく幸せを見つめて生きていってほしいの。
私は自分の息子たちや孫がかわいいの、大切なの。
恭介や彩が傷付くのを私はこれ以上見てられない。」
「彩のことは申し訳ないと思っている
俺だって 彩を傷つけたりはしたくなかった」
「珠希さんがあなたの事を心配してたわ。
あなた達の過去に何があったのか私には分からない。
でも珠希さんは過去を忘れようとして彩を誘拐されても
あなたを心配してた。あなたも珠希さんのように過去は忘れて。」
「彼女は過去を忘れたわけではありませんよ
忘れたように振舞ってるだけだ
加賀見謙治の事を 許したわけではない」
思い当たる節がある映子、不安そうな表情。
「母さん?」
「いいえ、珠希さんは謙治さんによく尽くしていたわ。」
「悟でさえ 実の父親に愛想を尽かしたんです
俺が 過去を忘れるわけにはいかない」
彩の病室にて寝てる彩に話しかける珠希。
「彩、忘れないでね。お母さんは彩のことが大好きよ。
彩が今まで生きてこられたの。」
悟が入室。彩にもたれかかって寝てる珠希を見つめ退場。
翌日、彩退院日、病室にて
「お母さんがこんなに長く彩と一緒にいてくれたのはこれが初めてだよ。
だから嬉しかったんだ。」
コンコン 映子&謙治登場。
「彩、退院おめでとう。」
「よかったな、彩。」
「うん。」
「ごちそうを用意してあるわよ。」
「やった〜ありがとう。」
映子&珠希、休憩室へ。
「珠希さん、本当に彩を手放してもいいの?」
「手放すと言ってもお母さんの所ですから。」
「もしも謙治さんが亡くなったら加賀見家はどうなるのかしらね?」
「そんな事、、縁起でもありません。」
「あの家を出て色んなことを考えたのよ。
謙治さんと一緒にいれば加賀見家が守れる
恭介が守れる自分も守れる
色んな打算があったことは確かだけど
愛情があったからこそ今までやってこれたわ。
謙治さんが死ぬ時を想像してみたらやっぱり悲しかった。
悟も彩も謙治さんに対する気持ちは同じなんじゃないかしら?」
「どうしたんですか?そんな事。
お父様には私がついていますのでご心配なさらないで下さい。」
「珠希さんが何をするつもりか私には分からない。
でもあなたが自分や家族を壊すつもりなら私はあなたの邪魔をするわ。」
「お母さん、、」
「あなたにも彩がいる。彩を悲しませるようなことだけはしないで..」
「彩を悲しませるような事はするつもりはありません。
私は親の勝手な都合で子供がどれだけ苦しむか分かっています。
すみません、ご心配はいりません。
お母さん、彩の事を本当によろしくお願いします。」ぺこり
加賀見家にて謙治&珠希。
「おはようございます、」
「おはよう。」
コーヒーをいれる珠希。←ジーッと見つめる謙治。
「どうかされましたか?コーヒーお嫌でしたか?」
「いや、朝はコーヒーだ。」
飲むのをためらう謙治に
「大丈夫ですよ、毒なんかはいっていませんから。」
「「そんな簡単には殺すつもりはないわ。」」と心の声。
院長室にて悟に今度の木曜日休みが欲しいと珠希。
「彩をどこかへ連れて行ってあげたい..」
「分かった。楽しんでおいで。」
「すみません。」ぺこり退場。
Club Meguにて悟&恵。
「何であんな嘘をついたんだ?
俺は医者..DNA鑑定をすれば簡単に分かる..
何か他に理由があるんだろ?」
「あなたの、、あなたのためよ。
謙治さんの息子じゃない方が幸せだと思ったから。」
「そんな小手先の嘘で何が変わるって言うんだ?
血の繋がりがなくてもあっても加賀見謙治は俺の父親だ。
俺は一緒に過ごした月日が親子にしてくれるんだと信じてる。」
「珠希は俺を愛していない。」
「だったらもう別れなさい。」
「母さん、、」
山梨にて彩&珠希。お手て繋いでランランラン。
「お母さんはこの町で暮らしてたの?」
「そうよ。」
「お母さんがまだ彩くらい小さかった頃は
この辺りを走り回ってたのよ。」
亮太を背負って恭介に遭遇した時を回想する珠希。
医局にて悟、恭介も偶然休みになってるのを知り不安な表情。
墓参りに来た恭介、心の声。
「「父さんや亮太の無念を晴らす気持ちは変わらない。
ただ俺にはどうすれば父さんや亮太の無念を晴らせるのかが
分からなくなってしまった。
父さん、亮太、教えてくれないか?俺が何をしたらいいのか」」
その頃、珠希たち。ブドウ畑を満喫中。
「ねえお母さん、私あっちの方へ行って絵を描いててもいい?」
「いいけどあまり遠くへ行かないでね。」
「分かった。描き終わったらすぐに行くから
お母さんさっきの所で待ってて。」
どっかの広場のような所の階段で座ってる珠希。
そこへ偶然にも恭介登場、驚く二人。
「今日は 出勤じゃないのか」
「今日は特別にお休みをいただきました。」
「そうか 俺は墓参りに来てたんだ
ここは変わらないな」
「ええ。」
「あの頃は 父さんと口を開けば言い争いになって
家に居るのが辛くて 逃げるようにしてここに来ていた
ここに来ると 色んな事が忘れられた
謙治おじさんと呼んでいた頃のあの人には 素直に話もできた
君にも 素直に思いをぶつけられた 忘れられればな
全てを忘れる事ができたら」
「忘れる事ができたら..楽でしょうね。
忘れられるわけないじゃない。」
「やっぱり 君は」
「でも忘れたい。忘れたいわ。全て忘れて
素直に幸せを探す生き方もあったのかもしれない。
この山を見てるとそう思うわ。」
珠希の手を握る恭介。←そこへ走って彩登場。
スケッチブックを落とす彩。←その音で振り返る恭介&珠希。
彩がスケッチブックを拾ってる間に手を離す恭介&珠希←を見て微笑む彩。
===つづく===
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