■夏の秘密(第53話)
2009年8月12日 夏の秘密杏子に上衣を着せ「大丈夫よ、何も心配することはないわ」
とマンションを出る紀保&杏子。
一人残された龍一、台所に置いてた薬を再び飲む。
ピンポーン なぜか伊織登場。
==
翌朝、別荘にて杏子&紀保。
「すみません、ご迷惑かけて。」
「あなたさえ良ければ暫くここで体を休めるといい。
仕事のことは気にしないで。
何か温かいものでも持ってくるわね。」と退出。
退出した直後、厳しい表情の紀保。
紀保のこの表情からして
龍一と杏子の件も真には受けてないようです。
==
新居マンション寝室にて龍一、うなされております。
台所へ向かうとみそ汁を作ってる伊織の姿が。
「あ〜悪い、勝手に使わせてもらってる。」
「夕べからここに?」
「なんだか具合悪そうだったから。」
「フ〜全く、夕べは迂闊だった。
自分で自分が腹立たしいよ。さぞ滑稽だっただろうな。」
「冷蔵庫、殆ど空だったから近くのコンビ二に行ってきた。
(納豆を見せて)食うか?」
「ああ、いい匂いだ。みそ汁なんて何年ぶりかな、、」
「もう時期飯も炊きあがる。」
「今のうちにシャワー浴びてくる。」
なんだか新しいカップル誕生〜!みたいな感じです。
食事中の伊織&龍一。
「しかし、この部屋で初めて一緒に朝食を取る相手が
まさか君とはね。しかもこんなうまいみそ汁、全くの想定外だ。」
と微笑みあう二人。←お幸せに〜。
「うまかった〜ごちそうさま。」
「おかわりは?」←献身的な妻か!
「そうしたいが、時間がない。
君はゆっくりしてくれて構わないよ。」
「大丈夫なのか?」
「ん?」
「今朝、キッチンの隅でこんなもの見つけた」
と薬の瓶を出し出す伊織。固まる龍一。
「外国の薬のようだけど..精神安定剤だろ?」
「アハ〜ッ、疲れてリラックスしたい時に飲むんだ。
むこうじゃ誰で普通に飲んでる。ストレス社会だからね。」
「でも使用するには医者の処方箋が必要なはずだ。」
「自分の体は自分が一番良く分かってる。
このことは紀保には黙っててほしい。余計な心配かけたくない。」
紀保は龍一のこと何の心配もしてないから安心しな!無関心。
「まぁ、いずれにせよ、あんだが自分自身で解決すべき問題だな。」
「恩に着る。」そんな龍一が気になる様子の伊織。
寝室に戻った龍一、薬の瓶を見て、伊織のいるキッチン方面を見て舌打ち。
薬をクローゼットのスーツの内ポケットにしまう。
==
カフェオレ飲む杏子&紀保。
「夕べのこと、どうして何も聞かないんです?」
「杏子が話してくれる気になるまで待とうと..」
「紀保さんは騙されてるんです、龍一さんに。
一年前のみのりさんの事件だって本当は何があったのか。
大阪のホテルで深夜、いきなり彼女が飛び込んできたんですよね?」
「ええ、みのりさんが彼の部屋にいきなり裸足で飛び込んで
龍一さんに助けを求めたの。」
「でも本当でしょうか?
龍一さんがそう言ってるだけで事実かどうかは誰にも分からない。
実際は彼がみのりさんを無理矢理連れ込んで乱暴したのかもしれないし
それでみのりさんは望まない妊娠をして自ら死を選んだのかもしれない
あるいは彼女の死も、龍一さんが直接手を下して」
「(立ち上がって)違うわ!それは違う!
龍一さんはそんな人じゃない!」
「夕べ紀保さんも見たはずです。龍一さんが私に何をしたか。
彼は嫌がる私に無理矢理お酒を飲ませて、、。
あれこそがあの男の正体。切羽詰まれば平気で暴力を振るう、
男なんてそういう生き物です!
紀保さんは騙されてるんです、あの男に。」
「杏子..」
「人は誰でも事実だから信じるわけじゃない。
事実であってほしいと思う気持ちがあれば
どんな嘘だろうと簡単に信じてしまう。
そういうものなんです!
逆に嘘であってほしいと思うことは例え事実を目にしても信じたくはないもの。
紀保さんにだって龍一さんのことは真実かどうかなんて関係ない。
自分が信じたいかどうか、、それだけなんです!
だから私の言うことなんて何を言っても紀保さんには信じてもらえない。ショボン」
「いいわ、杏子。あなたがそこまで言うなら私、自分の手で真実を見つけるわ。」
紀保の顔を見る杏子。
「一年前のあの夏の日に、本当は何があったのか
どんな事実が姿を現そうと私は決して逃げたりしないと約束する。
誓うわ。」
==
朝、工作所に戻る伊織。
待ち構えていたのは雄介&フキ。
「おかえり、朝帰りだって?夕べフキちゃん、ずっと寝ないで待ってたんだから。」
もう一生寝ないで待ってろ!
「ああ、ごめん。結局朝まで龍一さんと話し込んじゃって。」
「龍一さん?」
「ああ。工作所の将来とか色々。」
「将来ってことなら、こっちの方もよろしくね。」
と新しいアパートの契約書を渡す雄介。
「その件だけどできればもう少し待ってもらえないか?
せめて今年いっぱい。」
「どうして?
伊織さんだって結婚したら夕顔荘にも用ないはずじゃん。
それとも結婚を先延ばしにする予定でもあるの?」
「いいえ、それはないわ。先延ばしだなんてそんな事、絶対にない。」
と焦った様子のフキ。本当必死。
「一度大家さんに会わせてもらえないか?
取り壊しを待ってもらえるよう頼んでみる。」
「けどな、、」
「頼む。この話はまた後で。」と退場伊織。
「あ〜んなに取り壊しを嫌がるところを見ると
伊織さんやっぱり忘れられないのかな?
フキちゃんはさ、あの部屋入ったことある?」
「あの部屋??」
「その様子じゃないみたいだね。」
==
みのりの部屋にて、引き出しを開けみのりにあげた指輪を弄る伊織。
ふと目にしたお守りに指輪を入れようとしたら中に紙切れが。
取り出してみると
090-1764-××××
「携帯電話?」
裏には『S』の文字が。
「S...諏訪杏子」
「伊織さん!」とフキの呼び声に気付き急いでみのりの部屋を出る伊織。
「何か用?」
「急で悪いんだけどこれから二時間ばかり付き合ってもらえない?お願い!」
「いいよ。」
「ありがとう〜!」と伊織に抱きつくフキ。伊織、無表情。
==
アトリエにて紀保&スタッフ。杏子は休養中。
「仮縫いのお客さまがお見えになりましたがどうなさいます?
杏子さんのお約束なんです。」
「杏子の?いいわ、私が。すぐにご案内して。」
客がフキ&伊織だとは知らなかったが冷静に対応する紀保。
「今日は彼にも見てもらいたくて無理矢理引っ張ってきたの。
迷惑だった?」
「いえ、とんでもない。気に入っていただけるといいけれど。」
試着するフキ。そこへこっそりセリ登場。
ドレス姿のフキを見て一瞬固まるセリ。
「セリ!どうしたの?そんな顔して。」
「今一瞬、死んだお母さんがそこに立ってるような気がしたから、、」
「どう?」
頷くセリ。
「伊織さんは?似合ってる?」
「ああ。」
「そう?」
紀保、ハサミを取り出し、腰についてた大げさなリボンをちょん切る。
「(笑顔で)やっぱり思ってた通り。
フキさんにはこの方がよく似合う。」
みんな納得。←そもそもリボンが似合わないフキって一体、、。
手作りの髪飾りをフキに渡すセリ。
「これ、セリちゃんがフキさんのためにって。」
「指先ついっちゃったりして大変だったんだからね。」
紀保、伊織からこっそり紙切れを渡される。
【話がある。今夜あの部屋で】
==
アトリエにてセリ&紀保。
フキ用の髪飾りをチクチク中のセリ。
「あっ!どうかしたの?杏子さん?
あの杏子さんが仕事休むなんて信じらんない。」
「少し体調崩したの。彼女急がし過ぎたから。」
といいながら帰る準備万端の紀保、そこへ龍一登場。
「あっ!センセーいらっしゃい。」←セリは誰に対してもノリが軽いのだ。
「悪いが、彼女と二人だけで話したい。席を外してくれるかな?」
「いいのよ。ごめんなさい、私約束があるの。お話ならまた今度」
と出ていく紀保の腕を掴み
「ちょっと待って。夕べのことを弁解する気はない。
だがどうしても言っておきたいことがある。
彼女に何を聞いた知らないが僕は潔白だ。信じてほしい。」
「信じたいわ、もちろん。
でも信じたいという気持ちが事実を歪めてしまうってこともあるって気付いたの。
だから今は何も聞きたくない。ごめんなさい。」紀保退場。
==
別荘にて、人形を抱きしめ
「紀保さん、、」と囁く杏子。
==
みのりの部屋にて紀保&伊織
「悪かったな、こんな所まで呼び出して。」
「私もあなたに話したいことがあったから。」
ポケットから紙切れを取り出し紀保に差し出す伊織。
「みのりのお守り袋の中に入ってた。」
「電話番号?」
「念のためかけてみたがもうとっくに使われていない。」
裏面を見る紀保。「S」の文字が。
「多分その電話番号の相手だろう。
S...諏訪杏子。
みのりを殺したのはやっぱり彼女かもしれない。」
「そうだとしても証拠がないわ。
諏訪杏子のSだというならフキさんだってSよ、柴山フキだもの。
だから私、決めたの。今度こそ真実を突き止める。
誰のためでもない、私自身のために。
止めても無駄よ。もう決めたの。そのことをあなたに伝えておきたくて。」
「あんたこの前言ったよな?
真実を突き止めない限り、俺たちは過去から自由になれないって。」
「ええ。例えそれがどんなに残酷な姿をしていようと
気付かないフリして生きるよりは全て受け止めてそこから前へ進んだほうがいい。」
「だったらやろうじゃないか。
俺たち、もう一度同志になるんだ。」
「同志?」
「あの夏に別れを告げてお互い自由な心で自分の人生を生きるために。」
「賛成よ。」
と手を差し出し手を握り合う二人。
コンコン
「居るんでしょ?伊織さん、、
居るのは分かってるの。伊織さんとそれから紀保さんも。」
紀保が伊織を見て頷き伊織が扉を開ける。
フキと紀保が見つめあう。
====つづく====
『S』か『い』か『5』が当てはまりますよね。
どれであろうとも、よくある感じで単純すぎですよね。
もし番号の相手の名前だとしたら『S』のつく名前の人は多すぎるし
『い』がつく名前も乾龍一だけじゃなく井口雄介もはいってきますよね。
惑わすようにいろいろ考えてるんですね。
とマンションを出る紀保&杏子。
一人残された龍一、台所に置いてた薬を再び飲む。
ピンポーン なぜか伊織登場。
==
翌朝、別荘にて杏子&紀保。
「すみません、ご迷惑かけて。」
「あなたさえ良ければ暫くここで体を休めるといい。
仕事のことは気にしないで。
何か温かいものでも持ってくるわね。」と退出。
退出した直後、厳しい表情の紀保。
紀保のこの表情からして
龍一と杏子の件も真には受けてないようです。
==
新居マンション寝室にて龍一、うなされております。
台所へ向かうとみそ汁を作ってる伊織の姿が。
「あ〜悪い、勝手に使わせてもらってる。」
「夕べからここに?」
「なんだか具合悪そうだったから。」
「フ〜全く、夕べは迂闊だった。
自分で自分が腹立たしいよ。さぞ滑稽だっただろうな。」
「冷蔵庫、殆ど空だったから近くのコンビ二に行ってきた。
(納豆を見せて)食うか?」
「ああ、いい匂いだ。みそ汁なんて何年ぶりかな、、」
「もう時期飯も炊きあがる。」
「今のうちにシャワー浴びてくる。」
なんだか新しいカップル誕生〜!みたいな感じです。
食事中の伊織&龍一。
「しかし、この部屋で初めて一緒に朝食を取る相手が
まさか君とはね。しかもこんなうまいみそ汁、全くの想定外だ。」
と微笑みあう二人。
「うまかった〜ごちそうさま。」
「おかわりは?」←献身的な妻か!
「そうしたいが、時間がない。
君はゆっくりしてくれて構わないよ。」
「大丈夫なのか?」
「ん?」
「今朝、キッチンの隅でこんなもの見つけた」
と薬の瓶を出し出す伊織。固まる龍一。
「外国の薬のようだけど..精神安定剤だろ?」
「アハ〜ッ、疲れてリラックスしたい時に飲むんだ。
むこうじゃ誰で普通に飲んでる。ストレス社会だからね。」
「でも使用するには医者の処方箋が必要なはずだ。」
「自分の体は自分が一番良く分かってる。
このことは紀保には黙っててほしい。余計な心配かけたくない。」
紀保は龍一のこと何の心配もしてないから安心しな!無関心。
「まぁ、いずれにせよ、あんだが自分自身で解決すべき問題だな。」
「恩に着る。」そんな龍一が気になる様子の伊織。
寝室に戻った龍一、薬の瓶を見て、伊織のいるキッチン方面を見て舌打ち。
薬をクローゼットのスーツの内ポケットにしまう。
==
カフェオレ飲む杏子&紀保。
「夕べのこと、どうして何も聞かないんです?」
「杏子が話してくれる気になるまで待とうと..」
「紀保さんは騙されてるんです、龍一さんに。
一年前のみのりさんの事件だって本当は何があったのか。
大阪のホテルで深夜、いきなり彼女が飛び込んできたんですよね?」
「ええ、みのりさんが彼の部屋にいきなり裸足で飛び込んで
龍一さんに助けを求めたの。」
「でも本当でしょうか?
龍一さんがそう言ってるだけで事実かどうかは誰にも分からない。
実際は彼がみのりさんを無理矢理連れ込んで乱暴したのかもしれないし
それでみのりさんは望まない妊娠をして自ら死を選んだのかもしれない
あるいは彼女の死も、龍一さんが直接手を下して」
「(立ち上がって)違うわ!それは違う!
龍一さんはそんな人じゃない!」
「夕べ紀保さんも見たはずです。龍一さんが私に何をしたか。
彼は嫌がる私に無理矢理お酒を飲ませて、、。
あれこそがあの男の正体。切羽詰まれば平気で暴力を振るう、
男なんてそういう生き物です!
紀保さんは騙されてるんです、あの男に。」
「杏子..」
「人は誰でも事実だから信じるわけじゃない。
事実であってほしいと思う気持ちがあれば
どんな嘘だろうと簡単に信じてしまう。
そういうものなんです!
逆に嘘であってほしいと思うことは例え事実を目にしても信じたくはないもの。
紀保さんにだって龍一さんのことは真実かどうかなんて関係ない。
自分が信じたいかどうか、、それだけなんです!
だから私の言うことなんて何を言っても紀保さんには信じてもらえない。ショボン」
「いいわ、杏子。あなたがそこまで言うなら私、自分の手で真実を見つけるわ。」
紀保の顔を見る杏子。
「一年前のあの夏の日に、本当は何があったのか
どんな事実が姿を現そうと私は決して逃げたりしないと約束する。
誓うわ。」
==
朝、工作所に戻る伊織。
待ち構えていたのは雄介&フキ。
「おかえり、朝帰りだって?夕べフキちゃん、ずっと寝ないで待ってたんだから。」
「ああ、ごめん。結局朝まで龍一さんと話し込んじゃって。」
「龍一さん?」
「ああ。工作所の将来とか色々。」
「将来ってことなら、こっちの方もよろしくね。」
と新しいアパートの契約書を渡す雄介。
「その件だけどできればもう少し待ってもらえないか?
せめて今年いっぱい。」
「どうして?
伊織さんだって結婚したら夕顔荘にも用ないはずじゃん。
それとも結婚を先延ばしにする予定でもあるの?」
「いいえ、それはないわ。先延ばしだなんてそんな事、絶対にない。」
と焦った様子のフキ。本当必死。
「一度大家さんに会わせてもらえないか?
取り壊しを待ってもらえるよう頼んでみる。」
「けどな、、」
「頼む。この話はまた後で。」と退場伊織。
「あ〜んなに取り壊しを嫌がるところを見ると
伊織さんやっぱり忘れられないのかな?
フキちゃんはさ、あの部屋入ったことある?」
「あの部屋??」
「その様子じゃないみたいだね。」
==
みのりの部屋にて、引き出しを開けみのりにあげた指輪を弄る伊織。
ふと目にしたお守りに指輪を入れようとしたら中に紙切れが。
取り出してみると
090-1764-××××
「携帯電話?」
裏には『S』の文字が。
「S...諏訪杏子」
「伊織さん!」とフキの呼び声に気付き急いでみのりの部屋を出る伊織。
「何か用?」
「急で悪いんだけどこれから二時間ばかり付き合ってもらえない?お願い!」
「いいよ。」
「ありがとう〜!」と伊織に抱きつくフキ。伊織、無表情。
==
アトリエにて紀保&スタッフ。杏子は休養中。
「仮縫いのお客さまがお見えになりましたがどうなさいます?
杏子さんのお約束なんです。」
「杏子の?いいわ、私が。すぐにご案内して。」
客がフキ&伊織だとは知らなかったが冷静に対応する紀保。
「今日は彼にも見てもらいたくて無理矢理引っ張ってきたの。
迷惑だった?」
「いえ、とんでもない。気に入っていただけるといいけれど。」
試着するフキ。そこへこっそりセリ登場。
ドレス姿のフキを見て一瞬固まるセリ。
「セリ!どうしたの?そんな顔して。」
「今一瞬、死んだお母さんがそこに立ってるような気がしたから、、」
「どう?」
頷くセリ。
「伊織さんは?似合ってる?」
「ああ。」
「そう?」
紀保、ハサミを取り出し、腰についてた
「(笑顔で)やっぱり思ってた通り。
フキさんにはこの方がよく似合う。」
みんな納得。←そもそもリボンが似合わないフキって一体、、。
手作りの髪飾りをフキに渡すセリ。
「これ、セリちゃんがフキさんのためにって。」
「指先ついっちゃったりして大変だったんだからね。」
紀保、伊織からこっそり紙切れを渡される。
【話がある。今夜あの部屋で】
==
アトリエにてセリ&紀保。
フキ用の髪飾りをチクチク中のセリ。
「あっ!どうかしたの?杏子さん?
あの杏子さんが仕事休むなんて信じらんない。」
「少し体調崩したの。彼女急がし過ぎたから。」
といいながら帰る準備万端の紀保、そこへ龍一登場。
「あっ!センセーいらっしゃい。」←セリは誰に対してもノリが軽いのだ。
「悪いが、彼女と二人だけで話したい。席を外してくれるかな?」
「いいのよ。ごめんなさい、私約束があるの。お話ならまた今度」
と出ていく紀保の腕を掴み
「ちょっと待って。夕べのことを弁解する気はない。
だがどうしても言っておきたいことがある。
彼女に何を聞いた知らないが僕は潔白だ。信じてほしい。」
「信じたいわ、もちろん。
でも信じたいという気持ちが事実を歪めてしまうってこともあるって気付いたの。
だから今は何も聞きたくない。ごめんなさい。」紀保退場。
==
別荘にて、人形を抱きしめ
「紀保さん、、」と囁く杏子。
==
みのりの部屋にて紀保&伊織
「悪かったな、こんな所まで呼び出して。」
「私もあなたに話したいことがあったから。」
ポケットから紙切れを取り出し紀保に差し出す伊織。
「みのりのお守り袋の中に入ってた。」
「電話番号?」
「念のためかけてみたがもうとっくに使われていない。」
裏面を見る紀保。「S」の文字が。
「多分その電話番号の相手だろう。
S...諏訪杏子。
みのりを殺したのはやっぱり彼女かもしれない。」
「そうだとしても証拠がないわ。
諏訪杏子のSだというならフキさんだってSよ、柴山フキだもの。
だから私、決めたの。今度こそ真実を突き止める。
誰のためでもない、私自身のために。
止めても無駄よ。もう決めたの。そのことをあなたに伝えておきたくて。」
「あんたこの前言ったよな?
真実を突き止めない限り、俺たちは過去から自由になれないって。」
「ええ。例えそれがどんなに残酷な姿をしていようと
気付かないフリして生きるよりは全て受け止めてそこから前へ進んだほうがいい。」
「だったらやろうじゃないか。
俺たち、もう一度同志になるんだ。」
「同志?」
「あの夏に別れを告げてお互い自由な心で自分の人生を生きるために。」
「賛成よ。」
と手を差し出し手を握り合う二人。
コンコン
「居るんでしょ?伊織さん、、
居るのは分かってるの。伊織さんとそれから紀保さんも。」
紀保が伊織を見て頷き伊織が扉を開ける。
フキと紀保が見つめあう。
====つづく====
『S』か『い』か『5』が当てはまりますよね。
どれであろうとも、よくある感じで単純すぎですよね。
もし番号の相手の名前だとしたら『S』のつく名前の人は多すぎるし
『い』がつく名前も乾龍一だけじゃなく井口雄介もはいってきますよね。
惑わすようにいろいろ考えてるんですね。
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