■夏の秘密(第54話)
2009年8月13日 夏の秘密フキにみのりが妹であることを告白する伊織。
「それで分かった。
なぜ伊織さんがここを明け渡す話に乗り気じゃなかったのか。
みのりさんの思い出をずっと残しておきたかったのね。」
「それだけじゃない。もしみのりが自殺じゃなかったとしたら
犯人を見つけだすためにも、この部屋は重要な意味を持つ。
だから今取り壊してしまうわけにはいかないんだ。」
「だったらそのこと、雄介さんに..」
「それはまずい。」
「どうして?」
「もしかすると犯人はまだこの近くにいるかもしれないの。」と紀保。
「雄介さんを疑ってるの?」←フキってアホ?
「このことはあまり人に知られたくない。
事実がハッキリするまでこのことは誰にも言わないでほしい。」
暫く間を置いて
「分かった誰にも言わない。でも約束して。
これから私に隠し事しないって。私達結婚するのよ?
二人の間に何の秘密ももちたくないの。」
ってさフキは伊織の部屋に侵入してスクラップブック持ち出したり
コソコソ秘密ばかりの女です。
==
朝、雄介&フキ。
「どうだった?あの部屋?
伊織さん、今でもみのりさんのこと忘れられないんだよ。
うちのばあちゃんも言ってたな。
生き別れには勝てても死んだ相手には永久に勝てっこないって。
だからこの際あの部屋は早いとこ取り壊した方が..」
「雄介さん、悪いけど伊織さんとみのりさんはそんな仲じゃないの。
つまりあの二人..」
「何?どう言うこと?」
「とにかく私からも説得してみる。だからもう暫く待ってあげて。」
「そういうわけには..大家さんにだって都合が..」
「雄介さん!お願い!」
と雄介の腕をギュッっと掴むフキ。
「しょうがないな〜。
まあフキちゃんにそこまで言われちゃあ..」
「新しい工場の電気図面、どこにある?」と伊織登場。
「今持ってくる。」と去るフキ。
「雄介、お前だろ?みのりの部屋のこと、彼女に喋ったの。
余計なこと言わないでくれないか?心配かけたくないんだ。」
「フッ。俺にはただ誤魔化してるだけに見えるんだけど?
別にフキちゃんじゃなくたっていいんだろ?
死んだ相手の代わりになる女なら誰でも..
けどフキちゃんを誰かの身代わりにするような真似したら
俺許さないからね。」と去る雄介。
==
アトリエKにて杏子復帰。スタッフには夏風邪ってことにしてたようです。
「大丈夫?まだ休んでてよかったのよ。」
「大丈夫です。
それよりあの男、何か言ってました?
自分は何もやってないとかあれこれ弁解じみたこと言って
紀保さんに泣きついたんじゃ..?」
「いいえ。何も。
でも龍一さんのことは私からも謝るわ。本当にごめんなさい。」
「(テンション低めに)そうですか。何も言わないなんて..
さすがに少しは恥を知ってるようですね。」と憎々しく発言する杏子。
「ですがこうなった以上、結婚は白紙に戻した方がよくはありません?
何なら私から社長にもお話しして」
「いいの。これは私と龍一さんの問題よ。二人で話し合ってその上で決めるわ。」
「分かりました。(テンション低め)
でも私は紀保さんの決断を信じてますから。」と笑顔の杏子。
==
工作所にて龍一にみのりの事件のことを相談するフキ。
「れは自殺ではないと考えてる人がいて..」
「伊織君ですね?」
「伊織さんだけじゃありません。紀保さんも..
あの二人、今もみのりさんの事件に付いて調べてるんです。本当です。
伊織さんは未だに納得できないらしくて
みのりさんの部屋も未だに当時のまま残して..」
「それで?フキさんはそれを僕に話してどうしたいんです?」
「それは..
どうしたらいいか分からないからこうして相談してるんです。」
「では、ハッキリ言いましょう。
あの二人はあの事件を口実に二人で過ごしたあの夏を今でも探してるんです。
そうは思いませんか?」
「思います。龍一さんのおっしゃる通り。
おかげで自分が何をすべきかハッキリ分かりました。」
「勇気を出して。僕はフキさんの見方です。」
とフキの手を握る龍一。
フキ、あっさり喋っちまいました。ウゼッ!もうどうにでもなれコイツ!
いい感じのところに柏木登場。
伊織に、加賀が退院したことを伝える。
==
診療所にて加賀&雄介&蔦子、そこへ護と紅夏登場。
「おう!紅ちゃん。」
「先生、またお医者さんごっこする?」←はい!ぜひして下さい!
「いいねえ、紅夏先生。イヒヒヒ。」←でも変態っぽい。
「ねえ、先生?お邪魔でしょうけど当分の間
護をここに置いときますからこき使ってやって下さいな。」
「ああ。飯炊き、風呂たき、用心棒もな。何でも言ってくれ。」
「頼もしいな。」
「けどこの際、ここを手放して空気のいい所で
のんびり体を癒すってのも悪くないと思うけど、どうよ先生?」
さっそく本題に入る雄介。
「ここを手放す?」顔色がかわる加賀。
「あっ、何なら浮舟も手放して二人お揃いでってのは?」
そこへ伊織&龍一登場。
「初めまして。弁護士の乾です。」
「あ〜それじゃアンタが紀保さんの?」
「はい。」
場所を変え護&雄介。
「いくら何でもありゃまずいだろ?
いきなり手放せ、なんて言ったら警戒されるに決まってる。
しかも俺の姉さんとお揃いでって..やり過ぎだよ。」
「けどここと浮舟とまとめて手に入ったら一石二鳥じゃん。
それとなくここを手放す方向に持っていくよう頼んだよ。」
「ああ、任しとけ。」←と言いつつも自信なさげな護。
加賀&龍一&伊織。
「先生を刺した男は事故だと言い張ってます。
もし先生に刑事事件として争うお気持ちがないようでしたら
せめて民事で損害賠償を請求しては?」
「そりゃ無理だな。あいつらから金を取ろうとした日にゃ
こんなケガぐらいで済むもんか。相手が悪すぎるよ。なあ?伊織。」
「いやぁ..でもこのまま泣き寝入りっていうのも何かしゃくな気がして。」
「いいよ、俺は。
こうして命が助かっただけでもめっけもんだ。
それにな、世の中全て法律や裁判で割り切れるほど単純じゃなくてね。」
「それはそうですが、、しかし、」
「第一、あいつらは元々法の網をかいくぐるのが商売だ。
それを法律でどうこうしようなんてのは骨が折れるよ。」
「どうぞ、みなさん冷たいの。」と蔦子登場。一人、テンション低い龍一。
「ところで紅ちゃんどこ行った?さっきまでいたぞ。」
「うわ〜っ!」と出てきてみんなを驚かす紅夏。
紅夏が隠れてたところが気になるようで見つめる龍一。
「何か?」と伊織。
「いや、ちょっと失礼。」と席を立つ龍一。
==
アトリエKにて、紀保からのメモを読む杏子。
【龍一さんのマンションに引っ越す準備があるので先に帰ります】
「引っ越すって..どうしてあんな男と..」
と紙をグチャグチャに握りしめる杏子。
そこへ龍一登場。
「ちょうどよかった。君に話があるんだ。」
「出て行って下さい!私にはお話しすることなんてありません。
早く出てって!ここは紀保さんと私のアトリエです!」
「忘れたのかい?僕はここの顧問弁護士だ。
もし社内に巣食う害虫がいれば大事にならないうちに
退治するのも僕の役目だと思ってる。」
「害虫?それをいうならあなたでしょ?
お嬢様育ちで人を疑うことを知らない紀保さんの心にちゃっかり住み着いて
汚らわしいったら。あぁ!虫酸が走る!」
「だからあんな真似をしたのか?君の狙いは何だ?」
「あなたがどう言う男か化けの皮を剥いでやりたかったのよ!
だけどあなたは弁護士、言葉を操るプロだもの。
言葉じゃとても勝てっこない。」
いや、十分勝ててたよ?杏子の圧勝でしたよ。
「だから行動であなたの本性を暴いてやりたかった。
思った通り..あなたは獣よ!私に暴力を振るったわ!
みのりさんも暴力で犯して妊娠させたに違いない。
そんな男信用できるもんですか!
分かったら早く紀保さんの前から消えるのね。
でなきゃもっと立ち直れなくしてやる。」
「しかし君はなぜそんなに僕を憎む?
僕が一体君に何をした?」
「何もしないわ..だから憎いのよ!
あなたはこれまで紀保さんのために一体何をしたっていうの?
何もしないでただ男というだけで
当然のように紀保さんの愛を勝ち取るなんて許せない!
愛してると言うなら私だって..あなたの何倍も紀保さんを愛してる!」
ビリッーー!自分のシャツを引きちぎり
「今ここで悲鳴を上げればどういうことになるか、、分かるでしょ?
あなたはもうおしまいよ。さよなら弁護士さん。」
と悲鳴を上げようと息を吸ったところで
「やめて!」と部屋に隠れてた紀保登場。
龍一を睨む杏子。
「君の言う通り、言葉より行動だ。
彼女にはありのままの君を見てほしかった。
卑怯かもしれないが僕は君を真似ただけだ。」
「龍一さん、お願いだから席を外して。二人だけで話したいの。」
用が済んだらさっさと退場させられる龍一。
跪く杏子。
==
夕顔荘のみのりの部屋の鍵を壊そうとしてる雄介&フキ。
「がっちり付けてんな。
けどいいの?外しちゃっても?」
「ええ、いいの。」
「そこで何してる?」伊織登場。固まるフキ&雄介。
==
アトリエKにて紀保&杏子
「グスングスン..私紀保さんのことが好きでした..
イタリアのメゾンで初めて会った時からずっと..
なのに紀保さんはアトリエを開くと同時に龍一さんと婚約..
あの頃、二人が目を合わせて微笑む度、
私がどんな気持ちになったかお分かりですか...
それでも紀保さんが幸せになれるならと自分を押し殺し
二人の結婚を心から祝福するつもりでした..
でも龍一さんが逮捕されて...
あの瞬間から私の中で抑えていたものが音をたててはじけたんです。
あんな男に二度と紀保さんを渡したくない..そう心に誓って..
なのに紀保さんはそれでも別れようとはしなかった..
みのりさんを殺した犯人まで捜そうとして..
でも誤解しないで下さい..
私も紀保さんとは別の意味でみのりさんを殺した犯人を憎んでました。
なぜって、みのりさんが生きてれば今頃はきっと私ではなく
彼女があの男から紀保さんを引き離していたはずだから..
なのに気の毒に死んでしまうなんて..
あの男です!あの乾龍一が殺したに決まってます!」
「杏子..」
と手と手を取り合う二人。
「あの男がニューヨークに行っていたこの一年間、私は幸せだった..
思うようにデザインができずに苦しむ紀保さんと
心を一つにして二人で美しいものを作り上げていく喜び。
羽村紀保の一番の理解者であり一番のファンは私です!
愛してるんです..心から..分かって下さい..紀保さん..」
====つづく====
「それで分かった。
なぜ伊織さんがここを明け渡す話に乗り気じゃなかったのか。
みのりさんの思い出をずっと残しておきたかったのね。」
「それだけじゃない。もしみのりが自殺じゃなかったとしたら
犯人を見つけだすためにも、この部屋は重要な意味を持つ。
だから今取り壊してしまうわけにはいかないんだ。」
「だったらそのこと、雄介さんに..」
「それはまずい。」
「どうして?」
「もしかすると犯人はまだこの近くにいるかもしれないの。」と紀保。
「雄介さんを疑ってるの?」←
「このことはあまり人に知られたくない。
事実がハッキリするまでこのことは誰にも言わないでほしい。」
暫く間を置いて
「分かった誰にも言わない。でも約束して。
これから私に隠し事しないって。私達結婚するのよ?
二人の間に何の秘密ももちたくないの。」
ってさフキは伊織の部屋に侵入してスクラップブック持ち出したり
コソコソ秘密ばかりの女です。
==
朝、雄介&フキ。
「どうだった?あの部屋?
伊織さん、今でもみのりさんのこと忘れられないんだよ。
うちのばあちゃんも言ってたな。
生き別れには勝てても死んだ相手には永久に勝てっこないって。
だからこの際あの部屋は早いとこ取り壊した方が..」
「雄介さん、悪いけど伊織さんとみのりさんはそんな仲じゃないの。
つまりあの二人..」
「何?どう言うこと?」
「とにかく私からも説得してみる。だからもう暫く待ってあげて。」
「そういうわけには..大家さんにだって都合が..」
「雄介さん!お願い!」
と雄介の腕をギュッっと掴むフキ。
「しょうがないな〜。
まあフキちゃんにそこまで言われちゃあ..」
「新しい工場の電気図面、どこにある?」と伊織登場。
「今持ってくる。」と去るフキ。
「雄介、お前だろ?みのりの部屋のこと、彼女に喋ったの。
余計なこと言わないでくれないか?心配かけたくないんだ。」
「フッ。俺にはただ誤魔化してるだけに見えるんだけど?
別にフキちゃんじゃなくたっていいんだろ?
死んだ相手の代わりになる女なら誰でも..
けどフキちゃんを誰かの身代わりにするような真似したら
俺許さないからね。」と去る雄介。
==
アトリエKにて杏子復帰。スタッフには夏風邪ってことにしてたようです。
「大丈夫?まだ休んでてよかったのよ。」
「大丈夫です。
それよりあの男、何か言ってました?
自分は何もやってないとかあれこれ弁解じみたこと言って
紀保さんに泣きついたんじゃ..?」
「いいえ。何も。
でも龍一さんのことは私からも謝るわ。本当にごめんなさい。」
「(テンション低めに)そうですか。何も言わないなんて..
さすがに少しは恥を知ってるようですね。」と憎々しく発言する杏子。
「ですがこうなった以上、結婚は白紙に戻した方がよくはありません?
何なら私から社長にもお話しして」
「いいの。これは私と龍一さんの問題よ。二人で話し合ってその上で決めるわ。」
「分かりました。(テンション低め)
でも私は紀保さんの決断を信じてますから。」と笑顔の杏子。
==
工作所にて龍一にみのりの事件のことを相談するフキ。
「れは自殺ではないと考えてる人がいて..」
「伊織君ですね?」
「伊織さんだけじゃありません。紀保さんも..
あの二人、今もみのりさんの事件に付いて調べてるんです。本当です。
伊織さんは未だに納得できないらしくて
みのりさんの部屋も未だに当時のまま残して..」
「それで?フキさんはそれを僕に話してどうしたいんです?」
「それは..
どうしたらいいか分からないからこうして相談してるんです。」
「では、ハッキリ言いましょう。
あの二人はあの事件を口実に二人で過ごしたあの夏を今でも探してるんです。
そうは思いませんか?」
「思います。龍一さんのおっしゃる通り。
おかげで自分が何をすべきかハッキリ分かりました。」
「勇気を出して。僕はフキさんの見方です。」
とフキの手を握る龍一。
フキ、あっさり喋っちまいました。
いい感じのところに柏木登場。
伊織に、加賀が退院したことを伝える。
==
診療所にて加賀&雄介&蔦子、そこへ護と紅夏登場。
「おう!紅ちゃん。」
「先生、またお医者さんごっこする?」←はい!ぜひして下さい!
「いいねえ、紅夏先生。イヒヒヒ。」←でも変態っぽい。
「ねえ、先生?お邪魔でしょうけど当分の間
護をここに置いときますからこき使ってやって下さいな。」
「ああ。飯炊き、風呂たき、用心棒もな。何でも言ってくれ。」
「頼もしいな。」
「けどこの際、ここを手放して空気のいい所で
のんびり体を癒すってのも悪くないと思うけど、どうよ先生?」
さっそく本題に入る雄介。
「ここを手放す?」顔色がかわる加賀。
「あっ、何なら浮舟も手放して二人お揃いでってのは?」
そこへ伊織&龍一登場。
「初めまして。弁護士の乾です。」
「あ〜それじゃアンタが紀保さんの?」
「はい。」
場所を変え護&雄介。
「いくら何でもありゃまずいだろ?
いきなり手放せ、なんて言ったら警戒されるに決まってる。
しかも俺の姉さんとお揃いでって..やり過ぎだよ。」
「けどここと浮舟とまとめて手に入ったら一石二鳥じゃん。
それとなくここを手放す方向に持っていくよう頼んだよ。」
「ああ、任しとけ。」←と言いつつも自信なさげな護。
加賀&龍一&伊織。
「先生を刺した男は事故だと言い張ってます。
もし先生に刑事事件として争うお気持ちがないようでしたら
せめて民事で損害賠償を請求しては?」
「そりゃ無理だな。あいつらから金を取ろうとした日にゃ
こんなケガぐらいで済むもんか。相手が悪すぎるよ。なあ?伊織。」
「いやぁ..でもこのまま泣き寝入りっていうのも何かしゃくな気がして。」
「いいよ、俺は。
こうして命が助かっただけでもめっけもんだ。
それにな、世の中全て法律や裁判で割り切れるほど単純じゃなくてね。」
「それはそうですが、、しかし、」
「第一、あいつらは元々法の網をかいくぐるのが商売だ。
それを法律でどうこうしようなんてのは骨が折れるよ。」
「どうぞ、みなさん冷たいの。」と蔦子登場。一人、テンション低い龍一。
「ところで紅ちゃんどこ行った?さっきまでいたぞ。」
「うわ〜っ!」と出てきてみんなを驚かす紅夏。
紅夏が隠れてたところが気になるようで見つめる龍一。
「何か?」と伊織。
「いや、ちょっと失礼。」と席を立つ龍一。
==
アトリエKにて、紀保からのメモを読む杏子。
【龍一さんのマンションに引っ越す準備があるので先に帰ります】
「引っ越すって..どうしてあんな男と..」
と紙をグチャグチャに握りしめる杏子。
そこへ龍一登場。
「ちょうどよかった。君に話があるんだ。」
「出て行って下さい!私にはお話しすることなんてありません。
早く出てって!ここは紀保さんと私のアトリエです!」
「忘れたのかい?僕はここの顧問弁護士だ。
もし社内に巣食う害虫がいれば大事にならないうちに
退治するのも僕の役目だと思ってる。」
「害虫?それをいうならあなたでしょ?
お嬢様育ちで人を疑うことを知らない紀保さんの心にちゃっかり住み着いて
汚らわしいったら。あぁ!虫酸が走る!」
「だからあんな真似をしたのか?君の狙いは何だ?」
「あなたがどう言う男か化けの皮を剥いでやりたかったのよ!
だけどあなたは弁護士、言葉を操るプロだもの。
言葉じゃとても勝てっこない。」
いや、十分勝ててたよ?杏子の圧勝でしたよ。
「だから行動であなたの本性を暴いてやりたかった。
思った通り..あなたは獣よ!私に暴力を振るったわ!
みのりさんも暴力で犯して妊娠させたに違いない。
そんな男信用できるもんですか!
分かったら早く紀保さんの前から消えるのね。
でなきゃもっと立ち直れなくしてやる。」
「しかし君はなぜそんなに僕を憎む?
僕が一体君に何をした?」
「何もしないわ..だから憎いのよ!
あなたはこれまで紀保さんのために一体何をしたっていうの?
何もしないでただ男というだけで
当然のように紀保さんの愛を勝ち取るなんて許せない!
愛してると言うなら私だって..あなたの何倍も紀保さんを愛してる!」
ビリッーー!自分のシャツを引きちぎり
「今ここで悲鳴を上げればどういうことになるか、、分かるでしょ?
あなたはもうおしまいよ。さよなら弁護士さん。」
と悲鳴を上げようと息を吸ったところで
「やめて!」と部屋に隠れてた紀保登場。
龍一を睨む杏子。
「君の言う通り、言葉より行動だ。
彼女にはありのままの君を見てほしかった。
卑怯かもしれないが僕は君を真似ただけだ。」
「龍一さん、お願いだから席を外して。二人だけで話したいの。」
跪く杏子。
==
夕顔荘のみのりの部屋の鍵を壊そうとしてる雄介&フキ。
「がっちり付けてんな。
けどいいの?外しちゃっても?」
「ええ、いいの。」
「そこで何してる?」伊織登場。固まるフキ&雄介。
==
アトリエKにて紀保&杏子
「グスングスン..私紀保さんのことが好きでした..
イタリアのメゾンで初めて会った時からずっと..
なのに紀保さんはアトリエを開くと同時に龍一さんと婚約..
あの頃、二人が目を合わせて微笑む度、
私がどんな気持ちになったかお分かりですか...
それでも紀保さんが幸せになれるならと自分を押し殺し
二人の結婚を心から祝福するつもりでした..
でも龍一さんが逮捕されて...
あの瞬間から私の中で抑えていたものが音をたててはじけたんです。
あんな男に二度と紀保さんを渡したくない..そう心に誓って..
なのに紀保さんはそれでも別れようとはしなかった..
みのりさんを殺した犯人まで捜そうとして..
でも誤解しないで下さい..
私も紀保さんとは別の意味でみのりさんを殺した犯人を憎んでました。
なぜって、みのりさんが生きてれば今頃はきっと私ではなく
彼女があの男から紀保さんを引き離していたはずだから..
なのに気の毒に死んでしまうなんて..
あの男です!あの乾龍一が殺したに決まってます!」
「杏子..」
と手と手を取り合う二人。
「あの男がニューヨークに行っていたこの一年間、私は幸せだった..
思うようにデザインができずに苦しむ紀保さんと
心を一つにして二人で美しいものを作り上げていく喜び。
羽村紀保の一番の理解者であり一番のファンは私です!
愛してるんです..心から..分かって下さい..紀保さん..」
====つづく====
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