■夏の秘密(第61話)
2009年8月24日 夏の秘密59話ラストでの診療所での加賀と紀保のやりとりが今頃登場です。
「浮舟で初めて紀保さんを見た時に電話の相手じゃないかと思ってね。
みのりの代わりに俺を脅しに来たのかと警戒したわけさ。」
引きつり顔の紀保。
==
伊織、自室にて眠れずみのりの事件を推理中。
“ 四年前俺を訪ねて来るまで会ったこともなかった妹
父親を道連れに死んだ羽村紀佐を恨み娘の紀保を恨みながら
同じぐらい強く彼女に惹かれ..同じものを着て同じものを持ち..
遂には乾龍一に近付いて無理矢理彼の子を..
彼との結婚を夢見て誰にも負けない花嫁衣装を作ろうと
薬の横流しをしていた加賀先生に口止め料まで要求して..
その話が全て事実だったとして
それでもお前が殺されていいってことはない。問題は.. ”
パッと起き上がり「お前が書いたというあの遺書だ。」と呟き
みのりの部屋へ。遺書を見つめながら
“ あの時、柏木さんが持ち出さなければ自殺として処理..
だがこの遺書、誰かに無理矢理書かされたとしたら.. ”
ふと横にあったガラスペンを取り出す伊織。
「ブルーのインク...そういえばあの時..」
“ みのりが死ぬ前に手紙を書いたと最初に気付いたのは紀保だった.. ”
「もしかして、、」
“ この遺書があることを紀保は初めから知っていたんだろうか?
...んなバカな。どうかしてる... ”
「けど..」
回想〜
『『アイツに頼まれて来たのか?
乾龍一がやったという確かな証拠を消すために』』
『『いいえ、その逆よ。
龍一さんは何もやっていないという証拠を探しに来たの。
無実だという確かな証拠をね。』』
“ 紀保がもし、遺書の存在を知ってて
どこかに消えてしまったそれを探すために
ここへ来たのだとしたら.. ”
「あの二人、、もしかして..共犯??」
“ まさかそんなはずが...そんなバカなこと.. ”
いつの間にか朝になってます。
==
アトリエにて燃やしたメモの灰を処分し
机の引き出しから書類や写真立てを段ボールに詰める紀保。
==
寝室にて目覚めた龍一。キッチンには朝食の準備&メモが。
【急ぎの仕事があるので先に出ます。朝ご飯、ちゃんと召し上がって。】
==
アトリエKにて、出勤した杏子
早くから出勤してる紀保に驚く。
「今朝はまたずいぶん早かったんですね。」
「ええ、気になる仕事があって。
ちょうどよかった、手伝ってくれる?」
打掛ドレスを試着させられる杏子。
「きれいよ、杏子。よく似合ってる。」
「ウフッ。(←とっても嬉しそうな杏子)でもなぜ私に?」
「ええ、どんな風に模様が変化するのか見てみたいの。
着心地はどう?どこか気になるところはない?」
「あっ、いえ。特には。」
「急で悪いんだけど私リヨンに行くことに..
ごめんなさいね、忙しい時に。」
「いえ。でもできるだけ早く帰ってきて下さいね。
みんな待ってますから。」
「ありがとう、杏子がいてくれるおかげで私何の心配もないわ。
このアトリエのこと、よろしくお願いね。」
「紀保さん?」
「次は歩いてみて。ここをグル〜っと」
「(笑顔で)はい。」と照れながら歩く杏子。
==
道ばたで和美と遭遇する伊織。
「この前頼まれたアレ、分かったわよ。」
とメモを見せる和美
【家主 里見武夫
代理人 高坂法律事務所
東京都品川区大井五丁目三ー四】
「夕顔荘の持ち主はもともとは里見武夫さん..
戦後間もなく愛人のために建てた..
今はとっくに亡くなって今は遺族に頼まれてうちで管理..」
とメモを渡される伊織
「ありがとうごじます。」
「ところでさ、うちの雄介だけどお邪魔してない?」
「いいえ。まだ帰ってこないんですか?」
「全くどこで何やってんだか。じゃあね。」
メモに書かれてる法律事務所の名前が引っかかる様子の伊織。
その足で工作所に行き事務所の名刺ファイルを調べる。
「あった!やっぱりそうだ、高坂法律事務所..」
龍一の名刺に高坂法律事務所の名が。
“ 乾龍一と夕顔荘はやはりどこかで繋がってる.. ”
「その名刺、どうかしたの?」とフキ。
「ああ、いや。」と出て行く伊織に
「どうする?伊織さんの引っ越し..」
「再開発問題がハッキリするまで動きたくないんだ。
ここへ移ってもすぐまた明け渡すことになるかもしれないし。」
「、、、そうね。二度手間になるものね。」
「勝手言ってすまない。ちょっと出てくる。」と退場伊織。
「多分、そう言うだろうと思ってたっ。」
と呟きながら婚約指輪をイジイジ見つめるフキ。
そこへ雄介
「いいのかな?俺、ここにお邪魔してて。」
「いいの。どうせお父さんの部屋空いてるんだし
お盆休みが終わるまで工場にも誰も来ないから。」
どうやらフキ、雄介を匿ってるようです。
==
アトリエ前にて伊織&杏子。
「すみません、紀保さんに会わせてもらえませんか?」
「紀保さんは留守です。
仕事の都合で急にリヨンに経つことになって。」
「いつ?」
「その前にご用件を。」と完全阻止状態です。
そこへスタッフ登場
「杏子さん、すみません。確認したいことがいくつか..」
「ちょっと待ってて。どうぞ、ご用件を。」
「なら杏子さんでもいい、ちょっとこっちに」
とスタッフに聞かれないように端の方で話する伊織。
「一年ほど前、乾龍一が逮捕された事件..
その事件の夜、羽村紀保は何をしてたかそれが知りたい。
あの夜、あんたは彼女とずっと一緒だったのかどうか。」
「そんなこと急に言われても、、」
「一緒でしたよ。」
話、丸聞こえだったようでスタッフ(まりこ)が口を挟みます。
「あれはほら、パンフレットの撮影があった日ですよ。
紀保先生にも聞かれたことがあってそれで覚えてるんです。
昼間、植物園で。その後はアトリエに戻って
夜はいつもの店で打ち上げパーティーを。」
「ああ、そう言われれば..」
「そのパーティーには彼女も一緒に?」」
「ええ、もちろん。」
「そう。(笑顔で)一緒だった、、」
と紀保のアリバイを確認できホッとする伊織。
「でも、紀保先生は一人先にかえられましたけどね。」
「帰った?」
「ご自分の結婚式の準備があるからって。そうでしたよね?」
「ええ。私、タクシーのところまで送った覚えが..」
「何時頃?」
「みんなで乾杯したのが19時頃..それから1時間位して?」
「じゃあ20時頃、彼女は一人タクシーに乗って帰った、そういうことですね?」
「それがなにか?」←苛ついた様子の杏子
「大事なことなんだ。間違いがないかよく思い出して」
「まるでアリバイ調べだな。
二人ともそれ以上何もはなす必要はない。
どうしてもというなら彼女の顧問弁護士として僕が話を聞こう。」と龍一登場。
=
アトリエKにて二人きりで話する伊織&龍一
「さあ話してもらおうか。君は何を知りたい?」
無言の伊織
「言えよ、紀保の一体何を調べてる?」
「そうムキになるなよ。
弁護士はどんな時にも沈着冷静にってそれがあんたのウリだろ?」
「それは相手によりけりだ。
何の権限もないのに人の行動を勝手に探るような輩には
こっちにそれ相応の対処をする必要がある。」
「俺はただあの事件の夜、彼女が一体どこで何をしていたのか
それが知りたいだけだ。」
「そんなこと聞いて何になる?」
「それより、教えてくれないか、弁護士さん?
あの夕顔荘とあんたとの間にはどういう関係がある?」
「関係?」
「里見武夫とは何者だ?」
「知らないな。」
「あんたが知らないはずがない。」
「話をそらすな。」
「そらしてんのはそっちの方だろ?
あの夕顔荘はもともと里見という男の持ち物で
その遺産管理を任されてるのが高坂法律事務所だ。」
「なに?」
「あんたの伯父さんの事務所だよな?知らないとは言わせない。」
「だからどうだと言うんだ?夕顔荘も数多い依頼の中の一つ..
別に僕が知らなかったとしても不思議じゃない。」
「そうだろうか?あんたも彼女も本当は前々から
夕顔荘のことはよく知ってたんじゃないのか?
みのりのことも早くから彼女は知っていた。
あんたとみのりの間に何があったのかも。」
「何を言ってる!そんなはずはない!彼女は何も」
「知らなかったと何故言える?
あんたはみのりの事を秘密にしたつもりでも
この世に秘密なんてものただの一つもありゃしないんだ。
あるとすれば人にバレるのが早いか遅いかだけの違いだ。
みのりの死のことで何があったのかその秘密も
今にきっと秘密でなくなる時がくる。
俺がそう言ってたと、彼女に伝えてくれ。」
「断る。」と強気の龍一なのだ。
10センチくらいまで顔を突き合わせる伊織と龍一。
去る伊織。
「待てよ!おい待て!」トゥルルルル〜
着信で仕方なく電話に出る龍一。「はい、乾です。」
=
アトリエKを出た伊織、廊下で杏子と遭遇。
「さっきの話、あなたは紀保さんのことをどうするつもりなんですか?」
「もし彼女の心に誰にも言えないような秘密があるなら
それを解き放って自由になれる手助けをしたい。それだけだ。」
「それは、あなたと紀保さんが同じ心を持つ同志だから?
紀保さんは明日の便でリヨンに経つ予定です。
でもまだ今なら別荘かもしれない。
大事なものを取りに行くってそう言ってましたから。
これが住所です。」
とメモを渡す杏子。
「私も紀保さんの幸せを心から願う同志ですから。」
「ありがとう」とメモを受け取り去る伊織。
=
「はい、社長。どうかご心配なく。はい。ではまた後ほど。」ピッ。
電話を切り、ふと紀保の机を見て違和感を覚える龍一。
「写真がない、、」
と慌てて机の引き出しをチェックするがどこもカラッポ。
「紀保」と呟く心配性の龍一なのである。
==
別荘にてガラスペンで龍一と高広宛に手紙を書く紀保。
傍らには黒いコートと大きなバッグ。
人形を抱きしめ景色を眺めてたところに
ガチャッ 伊織登場。←紀保は鍵はかけない主義
「どうしてここへ?」
荷物と黒いコートが目に入る伊織。
単刀直入に紀保に
「みのりを殺したのはお前なのか紀保。そうなのか?」
「そうよ。私が殺したの。」
====つづく====
8月31日から始まるドラマ予告が流れてます。
愛讐のロメラで加賀見彩役をしてたガキが出てましたよ。
最終回、「おかあさぁーーーん!だ〜〜い好き〜〜!」と叫んだあの彩ですよ!
常に微笑んでるようなあの顔は間違いないかと。
だからって観ませんけどね。まっまさか。
「浮舟で初めて紀保さんを見た時に電話の相手じゃないかと思ってね。
みのりの代わりに俺を脅しに来たのかと警戒したわけさ。」
引きつり顔の紀保。
==
伊織、自室にて眠れずみのりの事件を推理中。
“ 四年前俺を訪ねて来るまで会ったこともなかった妹
父親を道連れに死んだ羽村紀佐を恨み娘の紀保を恨みながら
同じぐらい強く彼女に惹かれ..同じものを着て同じものを持ち..
遂には乾龍一に近付いて無理矢理彼の子を..
彼との結婚を夢見て誰にも負けない花嫁衣装を作ろうと
薬の横流しをしていた加賀先生に口止め料まで要求して..
その話が全て事実だったとして
それでもお前が殺されていいってことはない。問題は.. ”
パッと起き上がり「お前が書いたというあの遺書だ。」と呟き
みのりの部屋へ。遺書を見つめながら
“ あの時、柏木さんが持ち出さなければ自殺として処理..
だがこの遺書、誰かに無理矢理書かされたとしたら.. ”
ふと横にあったガラスペンを取り出す伊織。
「ブルーのインク...そういえばあの時..」
“ みのりが死ぬ前に手紙を書いたと最初に気付いたのは紀保だった.. ”
「もしかして、、」
“ この遺書があることを紀保は初めから知っていたんだろうか?
...んなバカな。どうかしてる... ”
「けど..」
回想〜
『『アイツに頼まれて来たのか?
乾龍一がやったという確かな証拠を消すために』』
『『いいえ、その逆よ。
龍一さんは何もやっていないという証拠を探しに来たの。
無実だという確かな証拠をね。』』
“ 紀保がもし、遺書の存在を知ってて
どこかに消えてしまったそれを探すために
ここへ来たのだとしたら.. ”
「あの二人、、もしかして..共犯??」
“ まさかそんなはずが...そんなバカなこと.. ”
いつの間にか朝になってます。
==
アトリエにて燃やしたメモの灰を処分し
机の引き出しから書類や写真立てを段ボールに詰める紀保。
==
寝室にて目覚めた龍一。キッチンには朝食の準備&メモが。
【急ぎの仕事があるので先に出ます。朝ご飯、ちゃんと召し上がって。】
==
アトリエKにて、出勤した杏子
早くから出勤してる紀保に驚く。
「今朝はまたずいぶん早かったんですね。」
「ええ、気になる仕事があって。
ちょうどよかった、手伝ってくれる?」
打掛ドレスを試着させられる杏子。
「きれいよ、杏子。よく似合ってる。」
「ウフッ。(←とっても嬉しそうな杏子)でもなぜ私に?」
「ええ、どんな風に模様が変化するのか見てみたいの。
着心地はどう?どこか気になるところはない?」
「あっ、いえ。特には。」
「急で悪いんだけど私リヨンに行くことに..
ごめんなさいね、忙しい時に。」
「いえ。でもできるだけ早く帰ってきて下さいね。
みんな待ってますから。」
「ありがとう、杏子がいてくれるおかげで私何の心配もないわ。
このアトリエのこと、よろしくお願いね。」
「紀保さん?」
「次は歩いてみて。ここをグル〜っと」
「(笑顔で)はい。」と照れながら歩く杏子。
==
道ばたで和美と遭遇する伊織。
「この前頼まれたアレ、分かったわよ。」
とメモを見せる和美
【家主 里見武夫
代理人 高坂法律事務所
東京都品川区大井五丁目三ー四】
「夕顔荘の持ち主はもともとは里見武夫さん..
戦後間もなく愛人のために建てた..
今はとっくに亡くなって今は遺族に頼まれてうちで管理..」
とメモを渡される伊織
「ありがとうごじます。」
「ところでさ、うちの雄介だけどお邪魔してない?」
「いいえ。まだ帰ってこないんですか?」
「全くどこで何やってんだか。じゃあね。」
メモに書かれてる法律事務所の名前が引っかかる様子の伊織。
その足で工作所に行き事務所の名刺ファイルを調べる。
「あった!やっぱりそうだ、高坂法律事務所..」
龍一の名刺に高坂法律事務所の名が。
“ 乾龍一と夕顔荘はやはりどこかで繋がってる.. ”
「その名刺、どうかしたの?」とフキ。
「ああ、いや。」と出て行く伊織に
「どうする?伊織さんの引っ越し..」
「再開発問題がハッキリするまで動きたくないんだ。
ここへ移ってもすぐまた明け渡すことになるかもしれないし。」
「、、、そうね。二度手間になるものね。」
「勝手言ってすまない。ちょっと出てくる。」と退場伊織。
「多分、そう言うだろうと思ってたっ。」
と呟きながら婚約指輪をイジイジ見つめるフキ。
そこへ雄介
「いいのかな?俺、ここにお邪魔してて。」
「いいの。どうせお父さんの部屋空いてるんだし
お盆休みが終わるまで工場にも誰も来ないから。」
どうやらフキ、雄介を匿ってるようです。
==
アトリエ前にて伊織&杏子。
「すみません、紀保さんに会わせてもらえませんか?」
「紀保さんは留守です。
仕事の都合で急にリヨンに経つことになって。」
「いつ?」
「その前にご用件を。」と完全阻止状態です。
そこへスタッフ登場
「杏子さん、すみません。確認したいことがいくつか..」
「ちょっと待ってて。どうぞ、ご用件を。」
「なら杏子さんでもいい、ちょっとこっちに」
とスタッフに聞かれないように端の方で話する伊織。
「一年ほど前、乾龍一が逮捕された事件..
その事件の夜、羽村紀保は何をしてたかそれが知りたい。
あの夜、あんたは彼女とずっと一緒だったのかどうか。」
「そんなこと急に言われても、、」
「一緒でしたよ。」
話、丸聞こえだったようでスタッフ(まりこ)が口を挟みます。
「あれはほら、パンフレットの撮影があった日ですよ。
紀保先生にも聞かれたことがあってそれで覚えてるんです。
昼間、植物園で。その後はアトリエに戻って
夜はいつもの店で打ち上げパーティーを。」
「ああ、そう言われれば..」
「そのパーティーには彼女も一緒に?」」
「ええ、もちろん。」
「そう。(笑顔で)一緒だった、、」
と紀保のアリバイを確認できホッとする伊織。
「でも、紀保先生は一人先にかえられましたけどね。」
「帰った?」
「ご自分の結婚式の準備があるからって。そうでしたよね?」
「ええ。私、タクシーのところまで送った覚えが..」
「何時頃?」
「みんなで乾杯したのが19時頃..それから1時間位して?」
「じゃあ20時頃、彼女は一人タクシーに乗って帰った、そういうことですね?」
「それがなにか?」←苛ついた様子の杏子
「大事なことなんだ。間違いがないかよく思い出して」
「まるでアリバイ調べだな。
二人ともそれ以上何もはなす必要はない。
どうしてもというなら彼女の顧問弁護士として僕が話を聞こう。」と龍一登場。
=
アトリエKにて二人きりで話する伊織&龍一
「さあ話してもらおうか。君は何を知りたい?」
無言の伊織
「言えよ、紀保の一体何を調べてる?」
「そうムキになるなよ。
弁護士はどんな時にも沈着冷静にってそれがあんたのウリだろ?」
「それは相手によりけりだ。
何の権限もないのに人の行動を勝手に探るような輩には
こっちにそれ相応の対処をする必要がある。」
「俺はただあの事件の夜、彼女が一体どこで何をしていたのか
それが知りたいだけだ。」
「そんなこと聞いて何になる?」
「それより、教えてくれないか、弁護士さん?
あの夕顔荘とあんたとの間にはどういう関係がある?」
「関係?」
「里見武夫とは何者だ?」
「知らないな。」
「あんたが知らないはずがない。」
「話をそらすな。」
「そらしてんのはそっちの方だろ?
あの夕顔荘はもともと里見という男の持ち物で
その遺産管理を任されてるのが高坂法律事務所だ。」
「なに?」
「あんたの伯父さんの事務所だよな?知らないとは言わせない。」
「だからどうだと言うんだ?夕顔荘も数多い依頼の中の一つ..
別に僕が知らなかったとしても不思議じゃない。」
「そうだろうか?あんたも彼女も本当は前々から
夕顔荘のことはよく知ってたんじゃないのか?
みのりのことも早くから彼女は知っていた。
あんたとみのりの間に何があったのかも。」
「何を言ってる!そんなはずはない!彼女は何も」
「知らなかったと何故言える?
あんたはみのりの事を秘密にしたつもりでも
この世に秘密なんてものただの一つもありゃしないんだ。
あるとすれば人にバレるのが早いか遅いかだけの違いだ。
みのりの死のことで何があったのかその秘密も
今にきっと秘密でなくなる時がくる。
俺がそう言ってたと、彼女に伝えてくれ。」
「断る。」と強気の龍一なのだ。
10センチくらいまで顔を突き合わせる伊織と龍一。
去る伊織。
「待てよ!おい待て!」トゥルルルル〜
着信で仕方なく電話に出る龍一。「はい、乾です。」
=
アトリエKを出た伊織、廊下で杏子と遭遇。
「さっきの話、あなたは紀保さんのことをどうするつもりなんですか?」
「もし彼女の心に誰にも言えないような秘密があるなら
それを解き放って自由になれる手助けをしたい。それだけだ。」
「それは、あなたと紀保さんが同じ心を持つ同志だから?
紀保さんは明日の便でリヨンに経つ予定です。
でもまだ今なら別荘かもしれない。
大事なものを取りに行くってそう言ってましたから。
これが住所です。」
とメモを渡す杏子。
「私も紀保さんの幸せを心から願う同志ですから。」
「ありがとう」とメモを受け取り去る伊織。
=
「はい、社長。どうかご心配なく。はい。ではまた後ほど。」ピッ。
電話を切り、ふと紀保の机を見て違和感を覚える龍一。
「写真がない、、」
と慌てて机の引き出しをチェックするがどこもカラッポ。
「紀保」と呟く心配性の龍一なのである。
==
別荘にてガラスペンで龍一と高広宛に手紙を書く紀保。
傍らには黒いコートと大きなバッグ。
人形を抱きしめ景色を眺めてたところに
ガチャッ 伊織登場。←紀保は鍵はかけない主義
「どうしてここへ?」
荷物と黒いコートが目に入る伊織。
単刀直入に紀保に
「みのりを殺したのはお前なのか紀保。そうなのか?」
「そうよ。私が殺したの。」
====つづく====
8月31日から始まるドラマ予告が流れてます。
愛讐のロメラで加賀見彩役をしてたガキが出てましたよ。
最終回、「おかあさぁーーーん!だ〜〜い好き〜〜!」と叫んだあの彩ですよ!
常に微笑んでるようなあの顔は間違いないかと。
だからって観ませんけどね。まっまさか。
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