「バカなことを言うんじゃない。」
「嘘じゃないわ。
 それともお父様、私の言うことが嘘だと断言できる真実をご存じなの?」

ピッカーーーンゴロゴロ(雷の音)

廊下に出る高広←後を追う紀保。

==

施設にて伊織&龍一

「サトミと言うのは羽村社長の旧姓だ。
 羽村家の養子..元々の名前は『里見高広』
 おそらく加賀先生は女の名前だと誤解し..」
「だけど紀保は、それに気付いて、、。」
「羽村社長の身代わりになろうとした。」ビンゴ〜!

==

夕顔荘にて紀保&高広

「しかし懐かしいね〜。」と夕顔荘を見てまわる高広。

「ここは元々私の父が建てた家でね。
 父が死んだ後は私の兄が相続してアパートを始めた。」
「そんな話、今まで一度も聞いたことなかったわ..」と驚く紀保。

「そりゃあそうだろう。ここは愛人のために建てた家だからね。
 里見家ではこの家のことを口にするのはタブーだったから
 私も今初めて話すんだ〜。」←タブーって久しぶりに聞いた言葉。

ウロウロ高広

「それにしても不思議だ。ここには昔、伊久馬が住んでいた。
 あれから30年以上も経って、
 ここにまた彼の血を分けた娘が住んでると知った時は正直驚いた。」

息子でもある伊織もね!

「因縁めいたものを感じたよ。」
「みのりさんはそのことを知っていたの?」
「さあ、どうだろう。
 兄の伊織君に聞いて何か知っていたかもしれないが。
 あの子は不思議な子でね、
 自分の過去よりも紀保、君に興味を持っていた。」
「お父様はどうしてそれを?」
「今から一年以上前になる。私が偶然とった一本の電話、、」

ピッカーーーンゴロゴロ
ザーーーーザーーーー(雨音)

「あの電話が、私が長年秘密にしていた過去への始まりだった..」


ーーーーー回想ーーーーー

アトリエKにて高広&龍一(紀保と電話中)

『『分かった、すぐ行く。』』ピッ
『『紀保さんからで、荷物が多すぎて一人じゃ持ちきれないそうで。
  ちょっと行ってきます。』』

と携帯を置いて龍一退場。

『『フッフッフ。今からあれじゃ先が思いやられるなぁ。』』

と椅子に座り雑誌を眺める高広。

ピピピピピー(龍一の携帯の着信音)

『『また紀保かぁ』』と勝手に龍一の携帯にでる高広。
『『もしもし』』
『『龍一さん?私、覚えてる?大阪のホテルで会った..』』

ーーーーー終了ーーーーー


「私は彼女が何者か調べ会う約束を..
 伊久馬の娘であると分かるのに時間はかからなかった。」
「その時、お父様は『里見』と名乗ったの?」
「ああ。だが彼女は私が誰かすぐに気付いたよ。
 君に関することは何から何まで調べあげていた..」

とみのりの部屋に戻る高広。

「しかも紀保に姿形を似せようと自分の顔まで整形して。
 私は彼女が理解できなかった。
 自分が理解できないものに対して人はしばしば恐怖を覚える。
 このままにしておいては紀保を..君が危ない..心底そう思った。」

パチッ(部屋の電気をつける音)

「だからみのりさんを殺したの?
 彼女に毒入りのマカロンを勧めたのはお父様なんでしょ?」

ガラガラガラー 扉を閉める紀保。

「分かっているのよ?私には。
 『あの部屋で待っている』とだけ書いた私の手紙を見て
 迷わずここにいらしたのが何よりの証拠..それだけじゃない」

と引き出しからガラスペンを取り出し

「お父様にはこれが何が分かるはず。」
「ああ、分かっているとも。紀保はあの時、私を試したんだね。」
「ええ。」

ーーー婚姻届にサインしてた時の回想ーーー

『『龍一さん、せっかくだからペンはこれを使って。ガラスペンよ』』

ジーーッと高広を見る紀保→顔をしかめる高広、

『『待ちなさい。大事な婚姻届だ。
  できれば割れないペンの方がいいね。』』

ーーー終了ーーーー


「お父様は、娘の婚姻届にガラスペンを使わせたくなかった。
 何故なら、みのりさんの遺書が何で書かれたがよくご存じだったから。」
「あの子は本気で龍一君と結婚したがってた。だから言ったんだ。
 『遺書を龍一君に送りつけて死ぬとでも脅せば
  彼のことだ、慌てて結婚を承諾するに違いない。
  そうなれば娘もきっと龍一君を諦めるだろう。』
 彼女も面白がってその話に乗ってきた。
 買ったばかりだと言うガラスペンを見せながら笑ってね..」

「だからって何も..」
「殺すことはなかった..そう言いたいんだね?
 私だって迷ったさ。だが彼女は本気で龍一君の子を産む気だった。
 彼を愛してたからじゃない、君の婚約者だったからだよ、紀保。
 彼女は本気で君の幸せを奪う気だった。
 世の中、本気の人間ほど恐いものはない。」

そして高広、興奮し力強い口調で

「だから私も本気で娘を守ることにした!
 大事な娘が傷つけられるのを黙ってみてるほど
 私も臆病ではないからねッ!!
 娘のためならばどんな犠牲をはらうことも厭わない!!
 娘の幸せこそが私の生きる全てであり、唯一無二の私の正義だッ!」

ピッカーーン

「お父様、もういい、もう言わないで..」と泣き声の紀保。
「だが私は何も彼女が憎かったわけじゃない。
 私はただ、自分の大事なものをこの手で守りたかっただけだ..」
「お父様、、」

「嘘だ!」←お前の今までの推理がな!伊織!

ガラガラガラー 伊織登場。

「伊織さん..」
「綺麗ごと言ってないでハッキリ言えよッ!
 アンタはみのりが憎かった!憎かったから殺したぁ!」

と高広に掴み掛かる敵意丸出しの伊織。←それを止めようとする紀保。

「やめて!」
「何故なら、アイツは瀬田伊久馬の娘だったから!
 アンタは、奥さんを奪ったあの男が許せなかったんだぁーー!!」

と高広を突き飛ばす伊織。

バッターーーン!!

高広、龍一と同じくラグビー経験も役に立たず壁にぶつかる。
倒れる高広。←ちょっとオマヌケ高広。「お父様!」と寄りかかる紀保。

「ハッキリと認めたらどうだ?」と怒りモードの伊織。

「ハァハァ。君は知っているかどうか..
 この部屋には昔、伊久馬が住んでいてね。
 まだ君のお母さんと結婚する前..私が兄に頼んでここを紹介した。
 家賃もうんと安くしてくれと頼んでね。(←恩着せがましい)
 なのにこともあろうにアイツはここで何度も私の婚約者と会っていた。」

表情が変わる伊織。

「お母さまと、ここで?」

「だから心のどこかに伊久馬に対する恨みが隠れていたのかも..
 でも私は、みのりという子が不憫でね。
 親達の身勝手な恋のためにあの子は自分が手にしたかもしれない
 平穏な人生を永久に奪われたんだ。
 だから最後にせめて紀保の好きだというマカロンを食べさせたかった..
 あの子は大喜びで疑いもせず口に運んで..」


ーーー回想ーーー

みのりの部屋にてマカロンをみのりに差し出す高広。

『『うわ〜っ!きれ〜〜!パクッ
  美味しい〜〜』』

微笑む高広。

『『あっ!お茶でも入れてこよっか?』』
『『うん。』』

ポトッポトッ(マカロンが落ちる音)

ーーー終了ーーー


涙声で

「あの瞬間、私は自分のやったことを後悔した..」

紀保、高広の腕に手を添え

「お父様は私を守ろうとして下さった。
 私を幸せにするために、私の人生を守ろうと..
 それがお父様の愛だということは私もよく分かっています。
 それでも罪は罪。例え動機は愛だろうと罪は償わなくては..」 
「君の言う通りだ、紀保。」

「お父様ご自身は多分、これをまだ召し上がったことはないんでしょうね。」

とデドールのマカロンを取り出し

「これを食べると私、いつも幸せな気持ちになるの。
 お父様ももし口にしていれば罪を犯すことを思い留まったかもしれない..
 警察に行く前に是非召し上がってみて。」↑マカロンにそんな効果が?

とマカロンを出し出す紀保。

私はてっきり紀保がマカロンに毒でも盛ってんのかと思いましたよ。

「ありがとう、紀保。」とポケットからハンカチを取り、
手を拭く振りをしてハンカチに挟んでた薬を握りしめマカロンを掴む高広。

「お父様の娘に生まれたことを幸せに思っています。」と微笑む紀保。

薬と一緒にマカロンを口に含もうとしたその時、

「よせ!!!」

と伊織、高広にアターーック!滑り落ちる薬。
「やめるんだ!」と薬を拾う伊織。←奪い返そうとする高広

「お父様!」

観念した様子の高広。←もはや今までの高広の面影はなく、、。

そこへ龍一登場。←伊織を追いかけれたんだ!

「もう暫くすれば警察がここへやって来ます。
 ですが社長の名前はまだ出してはいません。
 どうか自分から名乗って下さい。お願いします。」
「私にどうしても自首させようと言うんだね..←えっ、駄目ですか?
 君はやはり、、大した弁護士だ、、。そうか?

高広に寄り添う紀保。紀保の手を握る鼻水ダラダラの高広。

雨もやみ、夕顔荘から出てくる龍一、高広、紀保、伊織。
目の前には刑事が。
高広、一度紀保を見て頷き、刑事の前へ。
そんな高広を追いかけようとする紀保←止める伊織。
龍一、高広に付き添い。

「今から一年ほど前、吉川みのりさんを手にかけました、羽村高広です。」←すごい自己紹介だ。

うなずく刑事。
高広、一度振り向き

「龍一君、あの日も茹だるような暑さでね。」


夕顔荘から伊久馬&紀佐が出てくるところを
ジーーッと見つめるハンカチ王子高広の回想。
ハンカチ、ギュギュギュ(握りしめる音)


「あれから30年以上が過ぎたが
 私の夏はあの日のまま、ここで止まっていたのかもしれない。」

高広、紀保と見つめ刑事に一度礼をして連行。
寂しそうに見送る紀保&伊織。

==

夕顔荘一帯の再開発話は立ち消えになったようで
町も再開発反対の垂れ幕を除去中。ワイワイガヤガヤ

そこへ雄介登場。

「みなさんどうもその節はお騒がせしてすみませんでした。ぺこり」
「言っとくけど、不動産屋ってのはね、
 地元の皆様の評判と信頼があってこそ成り立つ商売なんだ。
 人様との付き合いこそが財産なんだよ!
 それを土地転がしで儲けようなんて。昔から言うだろ?
 江戸っ子の生まれ損ない金を貯めってね。
 お前もうちの四代目なんだからしっかりしておくれよ!
 かあさん、頼りにしてんだから、、。」

ホッとしたかのように微笑む雄介。

==

アトリエKにて、セリ&杏子。
どうやらセリはここの社員になってるようで
白シャツ&黒スカートでスタッフの格好してました。

「紀保先生はいつ帰ってくるんだろ?」
「帰ってくるわよ。必ずね。さあ、口より手を動かして。」
「はい。」

紀保の机の上の写真たてにはアトリエKのスタッフたちとの写真が。
セリ、杏子、紀保、まりこ、ゆかり。

==

夕顔荘のみのりの部屋にて、遺品を片付ける伊織。
「伊織さん!ちょっといいかしら?」フキ登場。

「いきなりで悪いけど..」と婚約指輪を外し

「この指輪、お返しする。ごめんなさい。ぺこ。
 私にとって本当に大切な人は誰かようやく分かったの。」←え〜やっと分かったの?視聴者はとっくに分かってたよ?

と指輪をケースに戻し返すフキ→受け取る伊織。

「俺の方こそ、悪かった。
 結局おふくろはフキさんを一向に覚えず、そのくせ介護させ
 フキさんには辛い思いばっかりさせて..」
「ううん。おかげで、自分にとっての幸せって何なのか
 考えることができて良かったと思ってる。
 それに、辛い恋も恋のうちだもの。」

フキ、伊織→恋、雄介→愛、だと気付いた模様。

==

刑務所にて高広&龍一。

「そう。トップが代わって会社がこれまで以上に発展してくれれば何よりだ。」
「僕も伯父の事務所を辞め篠原先生のところでお世話になることに..」誰?篠原って?
「まさかキミ!」
「羽村社長の弁護をお手伝いしたいと思いまして。
 今後は刑事弁護人として一から勉強です。
 それもあって、紀保さんとは婚約を解消しました。
 ですが彼女とは、これからもいい友人でいたいと思います。」

頭を下げる高広。

==

施設にて、折り紙を折るみずえ。

「父から預かってきました。
 ご迷惑でなければ千羽鶴に加えてほしいと。」

かごに一杯の折鶴を持参し紀保入室。
紀保を見つめるものの無反応みずえ。

「みのりさんのことは、父に代わってお詫びいたします。
 申し訳ありませんでした。ぺこり」

部屋を出た後もぺこり紀保。

高広からの折鶴を手に取るみずえ。ポトッと落とし
ベッドから出て歩き出そうとして床に倒れるみずえ。
そこへ伊織登場。

「母さん、、どうしたの?」
「ハッ、ハッ」

震えながら

「わ..わたし..わたしなの....本当は私が...
 わたしが..殺したの....」

パーーーーーーンッ!!(意味不明の効果音)

====つづく====

ついに明日、最終回です。
柏木の一方的な杏子への恋の行方はどうなることやら。←実はどうでもいい。

高広の告白ってさ、紀保が伊織に告白した嘘の話と似てますね。
一本の電話が、、とかさ。
紀保の言ってることもある意味間違ってなかったんですね。

にしても伊織のブチ切れ具合、激しいっすね。
紀保が犯人だと勝手に推理してた時は一緒に逃げよう!
月の舟、、、納豆混ぜ混ぜだったのに高広だったら許せないわけ?
龍一犯人説の時もブチ切れてたし。男には容赦なし。

みのり、、こわっ。
紀保みたいに調べられたり狙われたら恐すぎてチビります。
むしろ高広がヤッちまってくれてよかったような、、。

フキもあっさり伊織と別れましたね。
面倒くさそうな母親付きの伊織を見切ったんでしょうね。
でも雄介の母:和美は和美で『五月の蝿』とかいて五月蝿そうだしさ。

あと、伊織が紀保に渡した手作りの指輪。
紀保が川に投げ捨てたようにしてましたが
そんな演出に騙されるはずもなく、、。
どういった感じで出てくるのか。。

まっ愛讐のロメラみたいな主人公のラストは気分悪いので
伊織&紀保ですんなり終わって下さい。←結構どうでもいい。

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